長い長い郵便屋さんのお話

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分かりにくい部分もあるけど、話がハチャメチャで面白い。
すぐ隣で起こっていそう。
郵便屋さんとお医者さんの話が好き。

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岩波少年文庫で読もうとしたときはすぐ挫折してしまいましたが、チェコ語から翻訳されたというこちらは読みやすくておもしろいと思えました。

作者のお兄さんによる挿絵もかわいいです。

語りかけるように書かれたという童話、お子さんに読んであげながら親御さんも楽しめると思います。

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岩波少年文庫とは収録作品が微妙に違う。装幀は和田誠が担当。兄ヨゼフ•チャペックの挿絵と和田さんの書き文字が相まって落ち着いた雰囲気。チェコ語の原文を翻訳しているのでこれが正当な訳だという事は百も承知だけど、やっぱり中野好夫さんの岩波少年文庫版は捨てがたい。単に"初めに見たものが親"と思い込んでるだけか？…歳だし？
いずれにしても、「長い長いお医者さんの話」のもつストーリーテリングの素晴らしさは古びない。子供のもつ想像力を限り無い所まで広げてくれる。

そして「長い長い郵便屋さんの話」の素晴らしさと言ったら！
自分の仕事に夢を見られなくなっていたコルババさん。ある晩、郵便局で寝入ってしまう。そこに出てきたのが郵便局の小人たち。配達前の封書をトランプのようにして遊び始める。気さくに仲間入りしたコルババさんに、小人たちはゲームのルールを教えてくれる。
曰く、
"一番弱いカードは、ウソだらけでいい加減な事しか書いていない手紙"
小人たちにはこれが手にとっただけで分かってしまう。
"次に弱いのは、書かざるを得なくて書いた手紙"
"その次はうわべの丁寧さだけを装った手紙"
小人たちはこうして順にカードの強さをコルババさんに教えてくれる。では、一番強いエースのカードは何？

『愛の手紙でしょ』

誰もがそう思うだろう。私もそう思った。
でも、違う！『愛の手紙』はキング。では最強のカード：エースとは何だと思いますか？

…かつて担任していたクラスで、この物語を劇化して発表会をしました。けっこう理屈っぽい所もあるので"どうかな"とは思っていたのですが、下学年の子たちも真剣そのもので見入っていたし、終了後の保護者の反応がとても良かったです。

…物語は、ひょんなことから"エース"のカードを手にしたコルババさんの長い長い旅へと続きます。手紙の受け取り人も差し出し人も、そして仕事に飽き飽きしていたはずのコルババさんも救われる物語。
読むと必ず幸せな気持ちになれます。お薦めです！