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商品説明
ナチス・ドイツによるホロコースト−。ヨーロッパのユダヤ人に迫る危機に、国際社会はどう向き合ったのか。沈黙する国を頼みとせず、奮闘した民間組織(ジョイント)と、そのひとりの女性ソーシャルワーカーの支援活動を追う。【「TRC MARC」の商品解説】
ナチス・ドイツによるホロコーストはユダヤ人の生命を奪っただけでなく、宗教や文化などあらゆる「ユダヤ的なもの」を破壊した。その結果、数千のユダヤ人コミュニティが消滅し、1億冊以上の書籍が失われた。ユダヤ人の犠牲は600万にのぼり、これはヨーロッパ大陸のユダヤ人人口全体の実に72パーセント以上にあたる。
しかし、国際社会は絶望の淵に追い込まれたユダヤ人の運命に非情であった。ユダヤ人の祖国パレスチナを委任統治するイギリスは、彼らの入国を厳しく制限した。アメリカは制限的移民法を改正し、門戸を広く開放するつもりはなかった。この両国だけでも政策を見直していれば、多数の人命が失われずにすんだ。
国家が頼りにならなければ、自分たちで不幸な難民を救うしかない。19世紀以来、欧米諸国にはユダヤ人の救援組織がつぎつぎと誕生し、国際的な絆で結ばれていた。そのひとつ、第一次世界大戦を機に発足したアメリカ・ユダヤ人合同配分委員会(「ジョイント」)が、ナチス支配下で苦悩する同胞を救うため、すべての組織、資金、人材を動員する。そのスタッフは戦乱の地に派遣され、身の危険を顧みずに救済活動をおこなった。しかし、彼らの行く手には国益と官僚主義の壁が立ちはだかる。
本書は、危機の時代における「ジョイント」と、そのひとりの女性ソーシャルワーカーの活動に焦点をあてながら、ユダヤ難民の辿ってきた道のりを詳細に跡づける。【商品解説】
目次
- 序章 ホロコーストへの道
- 一 ホロコーストとは何か
- 二 最終解決へ
- 三 本書の視点
- 第1章 難民はアメリカをめざす
- 一 アメリカの移民問題
- 二 制限的移民法の成立
- 三 ユダヤ難民とアメリカ
- 四 ユダヤ系団体の救援活動
著者紹介
丸山 直起
- 略歴
- 〈丸山直起〉1942年長野県生まれ。一橋大学大学院単位取得退学。明治学院大学名誉教授。専門は国際政治学・東アジアのユダヤ史。著書に「アメリカのユダヤ人社会」など。
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ホロコーストに関する環境
2019/01/08 11:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホロコーストの最大の責任あるいは原因はナチスであるが、責任はナチスだけではない。世界環境そのものにも責任があろう。本書は、アメリカという観点で、ホロコーストを育てた則因という切口が新鮮である。このことは、重要である。ホロコーストを単にナチスとその手先の責任に押しつけて、アメリカやその他の国は、それを非難する。しかし、自らも、意図せずとも手を貸している場合がある。助けられたのに、手を差し伸べなかったこともある。なのに、上から見下して、ホロコーストはナチスとその手先の責任だと糾弾することは、不遜である。自分も同じ土俵に立っていることを忘れてはいけない。本書は、それを考えさせる一冊である。