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受け止めること
2020/02/17 02:40
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投稿者:みちなん - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰かに話を聞いてもらう
それは自己内省を促すこと
一人では覗けなかった自分の心を
誰かと一緒なら
どんどん覗く 勇気が出る
つらいことも見つけてしまう
受け止める
そうだったんだ
あるがままに
聞いてくれる人がいると
不思議と受け止められる
聞く人は大変だろうな
ありがとう
心が整理された
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
認めてもらうということは大事なんだろけど、やはり少年刑務所ってこんなにのんきなことしているのかと悲しくなった。
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先日講演会に行き感銘を受けた話の元になったもの。
自分を大切にできない人は他人を大切にできない。他人に認められることで自分を認めることができる。
言葉によって変わっていく様を温かな眼差しで見守った人たち。
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『空が青いから白をえらんだのです』が好きなので、読んでみた。『空が青いから白をえらんだのです』は詩集だが、こちらは詳細なルポ形式。
著者が奈良少年刑務所の「詩の教室」を担当するきっかけが、建築に惹かれたからということに驚いた。てっきり元から更生支援に興味がある方かと思っていたが、講師を依頼されたときの戸惑いがリアルに描かれている。
――愕然とした。殺人犯やレイプ犯と直接向き合って授業をせよ、ということらしい。正直、それは怖い。――
(26ページより)
実際の授業をへて、著者は「みんなまっ白な心を持って生まれてくる。それが、生育の過程で傷ついてしまう。その傷をうまく癒やせないと、心が引きつれて歪んでしまい、犯罪に至ってしまう」と教えられたという(217ページより)。
受刑者の書いた詩や、その背後にあるそれぞれの事情、家庭環境を読むと、胸が痛み、涙が出る。
私自身、劣悪な家庭環境というわけではなかったけれど、子供のころに親から「ダメだ」と否定された言葉がいまだに胸に刺さっている。受刑者たちは、そのような傷を何度も負って、満身創痍で、やがて罪を犯してしまったのだろう。罪を犯した人は、私と地続きの場所にいる、同じ人間なのだ。
25年間生きてきて、社会は失敗を許さない息苦しい場所のように感じる。少しずつでも、すべての人に対して温かく、やさしく、生きやすい社会になってほしいと願う。私にできる身近なところから、「やさしさ」を広げていきたい。
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社会性涵養プログラム、実践の記録。
その場にいるような、
ともに歩んで、プログラムを重ねた先の風景を見ているような、
不思議な感覚が呼び起こされました。
彼らは何故罪を犯し、ここへ来ることになってしまったのか。受刑者の方々の背景や生育歴に、胸が痛みました。
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この本に登場する少年たちの生きづらさを想像したら、泣けてしまった。
ここにいる少年たちは加害者である前に被害者だった、という言葉が沁みる。こういう子たちにとって、犯罪を犯す前も、この先社会復帰した後も、この日本はさぞかし住みづらい国であろうなと暗澹たる気持ち。
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「表現する」ことの重要性、「認める」ということの本質を、とても深く理解させてくれる内容。
人は育つ...と、希望を感じさせてくれます。
尊敬する先生の「おすすめ本」として知り、一気に読みました。
少年刑務所とはいえ、一人ひとりの作品から浮かび上がる、それぞれの育ちの背景に、何度も胸が痛くなり...
けれども、本当に丁寧な「安全・安心な環境」のなか、その子なりの「表現」を、皆で受け止める、時にはじっくり待つ...
少年同志の、感想や言葉の掛け合いのなかに、お互いを思いやるコミュニケーションについて、たくさんのヒントを感じました。
「認められる」と言語化していいのか、「自分のことを表現できるようになる」ことが肝心なのか、両方が必要なのか...
その体験が、本人の次のステップへの後押しになっていることは、強く感じました。
この本を読むまで、「引きこもり」に関する本を何冊も読んでいたのですが、対応する側の心構えは、とても共通しているように感じました。
無意識に「評価」の言葉かけをしていないか...?
自らを振り返る内容でもありました。
すべての皆さんに、読んでほしい内容です。
※カバーの内側に、その美しい建築の写真が隠れていました。
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2019/6/17
327.85||リ (5階社会)
刑務所は、凶悪犯や薬物中毒者などばかりで二度と更生できない人たちがいるところのイメージがあります。
その彼らを絵本や詩を使って今までの生い立ちや自分の心に向き合う練習をするプログラム「社会性涵養プログラム」で新たな自分に生まれ変わっていく少年たちと、それを導き出す著者との交流の記録。
犯罪者は社会に戻ればまた犯罪者になると決め付けず、彼らが育った環境や社会の中の居場所など考えされられる本です。
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「空が青いから
白をえらんだのです」
「世界は
もっと
美しくなる」
この二冊の奈良少年刑務所詩集があまりにも素晴らしく、その「社会性涵養プログラム」についてさらに知りたいと思い本書を手に取りました。
それは刑務所の中でも選り抜きの「むずかしい子」達に、社会に出た時に必要なコミュニケーションのスキルを少しでも身につけさせるために発案されたもの。
決して、許されることの無い罪。
けれど彼らの心を開き癒すことは、再犯を防ぎ、新たな被害者を出さないこと、それはとても重要なことだと思いました。
「さあ、見ろ。お前はこんなひどいことをしたんだぞ」と力ずくで首をねじって見つめさせようとしても、上手くいくわけがない。
このプログラムに参加した子たちには、それぞれに今の日本で、こんな環境にいた人がいるのか、と驚愕する生い立ちが背景にありました。
「ぞうさん」もしらない、「シュクダイ」という単語を初めて聞く、誰からも、ほんの些細な愛情すら受けてこなかった、そんな子供たち。
そんな背景を持つ子達が皆、酷い罪を犯すわけではないけれど、心が痛み、辛く、けれどその生い立ちや「あふれ出た優しさ」に触れ、様々な感情を持つ涙が溢れました。
大前提として被害者がいるので、簡単には言えないけれど、この経験によって更生し、償いの日々を出来れば愛とともに生きて欲しいと心から願わずにはいられませんでした。
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詩集「空が青いから白をえらんだのです」のドキュメンタリー的な本。奈良少年刑務所で、著者が講師となった詩の授業に参加した少年たちに起きた、奇跡についての実話。
著者が奈良少年刑務所の更生プログラムの講師となったいきさつや、奈良少年刑務所とはどんな場所なのか。というような事から、そこで行われたのはどんな授業で、授業によって少年たちはどう変化していったのか等が丁寧に書かれている。
掲載されているエピソードや詩は、詩集と同じものがほとんどだった。しかしこの本では、授業の中のどういう要素が鍵となって彼らが変わっていったのかが具体的に記されている。
自分の心の中を「言葉」にして発することの影響の大きさ。そしてそれが他人に「受容」された時に起きる奇跡のような変化。人は「受容される」ことだけで変わるのではなく、「受容する」ことでも大きく癒されるということ。などなど。
著者は心理学の専門家でもなく、教師の資格があるわけではない作家さん。それでも、少年たちの変化を目の前にして、人の心の素晴らしさと可能性に心から感動し希望を持っておられた。それほどに、この授業に含まれていた様々な要素が素晴らしいものだったのだなと思わされた。
刑務所の授業でなくとも全ての人々の心にとって、この授業は大きな癒しと救いを与えうるだろうと思った。その詳細な記録となっているこの本は、とても貴重な物に思えた。詩集と合わせて読んで欲しい。
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今は閉所してしまった通称『奈良監獄』で、2007~2016年に「社会性涵養プログラム」の一つとして「絵本と詩の教室」の講師をされた寮美千子さんが、その時間を通して起った数々のキセキ(奇跡・軌跡)を記されたノンフィクション記録。10年の間に186名の受刑者と一緒に絵本を朗読し、詩を生み出された。キセキのような変化は186名全員に起こったのだから、これは奇跡でもなんでもなく、少年たちが本来ならば生まれてから後に周囲の大人からかけらて当然であったはずの言葉をもらっていなかったからなんだろうとおもう。
人間の子育ては、言葉で育てる とつくづく思う。
自分の魂というか芯の部分、が揺さぶられます。こんな素直な言葉を紡げるだろうか、こういう感情を自分は持っているのだろうか
関連本として「空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)」 「世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集 (ロクリン社)」(いずれも、編:寮美千子)があります。
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『空が青いから白を選んだのです―奈良少年刑務所詩集』(新潮文庫)が生まれた背景。
絵本作家がなぜ奈良の少年刑務所で社会性涵養プログラムにかかわるようになったのか、そこで具体的にどんなことをしていたのか。入所している青年たちがどうやって「詩」を生み出すようになったのか、が描かれたノンフィクション。
犯罪は悪である。犯罪者はその罪を償うべきである。被害者のことを思うと、そこにどんな理由があろうとその加害者を擁護する気にはならない。ならない、と思っていたのだけど。
少年刑務所にいる少年、あるいは青年たちは犯罪に手を染める以外に生きるすべのなかった者たちも多いという。
子どもの頃に当たり前のように注がれるはずだった親からの「愛情」。それを受けた経験もなく、学校にも通ったことのない子どもが、世の中にはたくさんいる、という信じられないような現実。
罪を罪として認識することさえできなかった生い立ち。だから罪を犯してもいいとはいわない。けれど、ヒトはヒトに愛され大切にされて初めて自分を、そして人を愛し尊重し大切にすることができるのだ。
その過程なしに大人になろうとしている彼らに必要なもの、その一つを作者は「詩」を通して伝え続けた。
自分の言葉で自分を表現すること。誰かの気持ちを否定せずに受け止めること。月に一度、たった6回のプログラムで、劇的に変化する彼ら。
一人一人の育ってきた背景、そして、このプログラムを通してそこで新しく生まれ生きなおす時間。そのどれもが尊くて。
一言一言を、一文字一文字を、丁寧に読んで欲しい。彼らの声を聴いて欲しい。あふれでるやさしさを受け止めて欲しい。
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『空が白いから青をえらんだのです』、『世界はもっと美しくなる』両詩集の裏側を描いた一冊。
紹介される詩は重複してますが、その背景をより深く紹介されています。実際の社会性涵養プログラムの様子も知れて尚良い。
ちなみにあふれ出るのは涙で、それは止まりません。。。
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泣けました。心からの言葉で書かれた少年達の詩に。上手い下手ではない。読んだ者の胸にズシンとくる。この詩が生まれた背景を思うと、涙せずにはいられなかった。
奈良少年刑務所で9年間、絵本と詩の教室をされていた著者。著者も言うように、私も「上澄みのきれいな水だけを飲んで生きてきた人間」なのだと知った。
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寮美千子さんの講演を聞いて読んだのだが、どちらも素晴らしかった。
なかなか信じられないような実話が続くけれど、
詩もよかったし、少年たちの話も教官たちの話も素晴らしい。
誰もが持っている認められたいと思う気持ち、人を認めることが自分を認めることにもつながるかなあ。