恋愛制度、束縛の２５００年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで （光文社新書）

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投稿者：キョン　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

日本の恋愛が、ロマン主義のヘンテコな輸入品、多分粗悪品でしかない。だからそんなものに縛らてはいけないのか、と勇気をもらいました。恋愛制度はヨーロッパで作られて、発展して来たので、キリスト教もイデアリズムもない日本には根付かないし、うわべだけの真似事である、ということがよくわかります。これは著者は書いていないですが、クリスマス商戦の中に取り込まれた恋愛制度みたいなものに、惑わされなくていいんだ、ということがよくわかる内容になっています。時代ごとの例が面白くて、一気に読めます。最後の日本のところは、著者も断っているけれども、いくらでも別の例があるのかなあ、なんて思って読みました。もっとラッドとかについて書いて欲しかったです。

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投稿者：さとう　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

読みやすく、内容も分かりやすい。
単語の説明が丁寧で、最後まで読むことができた。

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投稿者：アコ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

古代から現代日本までの恋愛の流れというか、どういう恋愛が流行ったのかみたいな流れが分かる本。西洋の恋愛と日本の恋愛は上手く馴染まない感じなのに、そういうもんだと受け入れられている感じなのは不思議だった。時代によって人や社会も違うから色々なんだなと興味深かった。文章も読みやすいので楽しく読めた。

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投稿者：Koh　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

予想以上に多くの文献を引きながらも古代ギリシアから現代日本までを上手くまとめて俯瞰しており、氏の博識さが伝わってくる。
文章の構成はわかりやすく明快であり、語りかけてくるような調子を採用しているのも、個人的には読みやすさに一役買っていると思う。

ただ、読者層を絞り切れていないのか、全方位に配慮したのか、文章そのものに読みにくさを感じる。
度々「大学生に授業をアンケートを取るとこんな感じです」といった文章が入ることからいわゆるZ世代より上の年齢層がメインなのかと思わせておいて、
文体や必要以上の解説（現代スラング等を用いた例え）等からは、所属大学の一般教養授業でのテキストを想定しているようにも感じる。
そのちぐはぐさが読んでて引っかかりを感じるものとなっており、内容および構成の良さを損なっている。

特に、スラングについては、彼が本来はその言葉を使う世代ではないからか、はたまた氏の知的レベルからくる照れなのか、「絶妙」ではなく「微妙」かつ「過剰」なので読んでいてしばしば引っかかる。
さらに、サービス精神の旺盛さから饒舌で細かく脱線するので、本書に期待していた史料の引用や解説にぐっと引き込まれかけたところに「気の利いた事言ってるつもりなんだろうな」という余計なコメントがあって冷める→しばらくまた引き込まれる→また冷める、の繰り返しで、読書のテンションが保てない。

結果として「読書体験としてはいまいちだったのに、内容に興味がありそうな人にはどちらかというと薦める」…というなんとも上手く気持ちの折り合いの付かない残念な状態が今も続いている。
個人的には、同じように恋愛史について、もう少しソリッドで内容が濃く高度な本が読める日を期待している。