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紙の本
思いつきで世界は進む 「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと (ちくま新書)
著者 橋本治 (著)
世界も日本も、バカが偉くなってしまい、それに疑問をもつことにも麻痺している今日この頃。そんな世の中に起きた日常の変化から世界的な事象までを見渡した時評集。PR誌『ちくま』...
思いつきで世界は進む 「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと (ちくま新書)
思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと
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商品説明
世界も日本も、バカが偉くなってしまい、それに疑問をもつことにも麻痺している今日この頃。そんな世の中に起きた日常の変化から世界的な事象までを見渡した時評集。PR誌『ちくま』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
「あんな時代もあったね」とでは済まされないここ数年の怒涛の展開。日本も世界も「思いつき」で進んではいないか? アナ雪からトランプまで縦横無尽の時評集。【商品解説】
「あんな時代もあったね」とでは済まされない数年。日本も世界も思いつきで進んでいる? アナ雪からトランプまで縦横無尽の時評集。【本の内容】
著者紹介
橋本治
- 略歴
- 〈橋本治〉1948年東京生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。小説・戯曲・評論・エッセイ・古典の現代語訳など多彩な執筆活動を行う。「蝶のゆくえ」で柴田錬三郎賞を受賞。
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紙の本
真っ当な文筆家が平成の終わりとともに姿を消した。
2022/04/09 00:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
橋本治氏については、昔から何冊か買って都度読み始めたものの、その度に挫折した作家でした。どうもその文体が体質的に合わなかったんですが、今回氏の逝去にあたり、実に秀逸なタイトルであると思い、哀悼の意を感じつつ本書を読み終えました。その文体には相変わらず馴染めませんでしたが、しなやかでいて犀利な世の中の切り取り方からいろいろな気づきを得た一書です。(「思いつきで世界は進む」、そう、世の中は誰かが動かそうと思って動いていくのではなく、同時代人の一切の行動(思いつき)が日々累積していく中、重要な結節点的事象が生起して、それらの「相互作用」により大きな歴史の転換点が生まれていくのだ、というのが昨今の評者の感慨です。)
「「バカ」と言われりゃ、少し以上たじろぐのに、・・・ 「バカ」が「おバカ」になって、バカがたじろがない結果、「バカでもいいんだ。バカってたいしたことじゃないんだ」と思って、「バカな自分を恥じる」という感覚をなくしてしまう。「恥」の感覚をなくしてしまうということは、知性にとっての危機なんですけどね。それで日本はやばいことになっているんだと、私は本気で思いますけどね。」(18~9頁)
「自分は否定されないんだから、「ありのままでありたい」という欲望は増殖する方向にしか進まない」(33頁)
「一つの便利を手に入れれば、その分人間はなんらかの能力を失う」(50頁)
「それをやるやつは、勝手にクリックして、それだけで荷物が届くと思っているんだろう。クリックの先で、実際の人間がどれくらい動いているかなんて、考えていないんだ。」(54頁)
「本当に必要だったのは、「よりよい自民党」であるはずの「もう一つの自民党」だったのに、「非自民、反自民」を謳った結果、革新系も一つにして、結果、水と油のバラバラになってしまった。「政権与党になる」と言った旧民主党の弱さは、「もう一つの自民党になる覚悟」が持てなかったことじゃないかと思う。」(91頁)
「対立があるんだとしたら、「イスラム教vs.他の宗教」ではなくて、「イスラム教に拠って生きる人達vs.もうあまり宗教を必要としない人達」になるんだろうと思う。」(164頁)
「「よその国」の介入を排除して、中東地域にそれぞれの国がまともに存在しうるためには、「イスラムはどのように国家を形成すればいいのか」という、イスラム型民主主義の模索がなければならないと思うけど、そういうものはきっと、よその国がいなくなった爆風と土煙の先にしかないのだろう。」(173頁)
「世の中って、そんなに人のことを認めてなんかくれないよ。「あ、俺のこと認める人なんかいないんだ」と気がついたのは、もう三十年以上前のことだけど、気がついて、「認められようと認められまいと、自分なりの人生を構築してくしかないな」と思って、「人生ってそんなもんだな」と思った。取っかかりがない、風の吹く広野を一人行くとか。引いた「凶」のおみくじにはそう書いてあった。そう思ってしまうと、自己承認欲求というのは、不幸な子供が求めるもので、大人が求めるようなものではないと思うのだが、今や大人は、みんな「不幸な子供」なんだろうか? そうかもしれない。「自分はもう一人前の大人なんだ」という明確な自覚を持てなかったら、それはもう「不幸な子供」になってしまうだろう。」(216~7頁)
総じていえば、氏の重視する二軸は「恥」(例えば、38~9頁、96頁、101頁、134頁など)と「調和」(互譲、共存、自己抑制・教育)(同じく、177頁、181頁、193頁など)であると思う。謹んでご冥福をお祈りします。
電子書籍
切れ味良好
2019/03/19 21:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AR - この投稿者のレビュー一覧を見る
時事問題を鋭い感性で読み解くとこんな本になったという感じ。教えられること多々。
紙の本
知らなかった
2019/02/20 17:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ともクン - この投稿者のレビュー一覧を見る
買って読んでいたら、著者がお亡くなりになってしまった。私には寝耳に水だったが、最近は、よく年のことやら、体調が良くないなどと、仰っていたような。70才はまだ若い。私は、著者の良い読者でもないのだが、最近の軽い政治評論的なものは読むようになった。とみに保守的な論調の多くなった昨今、本人の意思とは別に相対的には進歩派、左寄り知識人に位置づけられると思うが、こういう人もいないと淋しい。本書を読むと、リベラル的な立場から、ものをよく考え、数多く発言する人の必要性が、とりわけ重要だと思う。
紙の本
惜しくも亡くなられました橋本治の晩年のエッセイ集
2019/12/26 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
惜しくも亡くなられました橋本治の2014年から2018年までのP R誌「ちくま」の載ったエッセイをまとめたものです。発表された順番ではなく、おおよそのテーマごとにまとめられている。第1章は、なんか老人のボヤキみたいだなと思った。橋本治も年取ったのかな、と思ったが第2章以降はそうでもなく、いつもの橋本治だった。リアルタイムの時事を取り上げているので、結構面白い。まだ最近の事ですから。