紙の本
「わかった」と「わかったつもり」とが雲泥の差
2020/05/23 14:23
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
紙の新聞と本の2つ。この両者が如何に大事かがよく解りました。確かに尤もだと痛感します。
また、知識を得るという事は自分の視野を広く出来る以外に他の意見や考えと付け合わせも出来ます。更には相談を受けたり、意見を求められたりという時にも役立ちます。
でもその知識は正しいか、或るいは真実か、という点に及んだ時、得た知識の正確性は何にも増して重要です。
本書はその事が中心に述べられており、非常に有用な一書でした。
紙の本
いまの生活スタイルを見直すきっかけになった
2021/06/27 21:20
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投稿者:ゆんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットやテレビなどの情報の分かりやすいところだけを見聞きして、分かった気分になっている現代人に警鐘を鳴らす本。この本を読んで、池上さんのご指摘にわたしにも思い当たる節が多々あり、情報収集の方法やメディアとの接し方をはじめ、スマホを閉じて新聞を読む時間を増やすなど、ライフスタイル全般を見直すきっかけになりました。
本屋さんめぐりの魅力にも触れられています。私自身は、子育てを理由になかなか書店に行けなかったのですが、このたび行ってみたら、やっぱり違いますね!ネットでは絶対に辿り着けなかったであろう良書にたくさん出会いました。
とても読みやすい本ですが、中身はとても濃いと思います。一つ一つの話に固有名詞や池上さん自身の体験談が散りばめられていて、文章もとても上手です。読みやすい原稿の書き方の参考にもなりました。
紙の本
知識欲への向上を後押ししてくださった1冊
2019/11/08 17:14
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「知る力」を鍛える意味、そして知識欲をつけることへ著者が大きく私の背中を押してくださった1冊です。著者まではいかなくても、私も今後、いろいろな本を読んで知る力を鍛えていこうと思えました。
さすがはたくさんの著書を著している池上氏です。文章も非常に読みやすく、やはり著名なジャーナリスト、と感心しました。脱帽です。
紙の本
情報が溢れる時代における真の情報を得るための書です!
2019/03/03 12:27
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現代の情報があふれる時代において、その中には偽の情報や怪しい情報がたくさんあります。こうした情報に惑わされ、私たちは一喜一憂していると言っても過言ではありません。こうした情報から身を守り、真の正しい情報を得るにはどうしたらよいのでしょうか。同書は、現代のこうした社会に警笛を鳴らし、本当の正しい情報や知識を得るすべを説いてくれます。
紙の本
「知る力」と本書はいう。ーーー私は「学ぶ力」と言う。
2019/02/24 05:40
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投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
知識や、情報って、こんなにもウラで「処理」をされているンだとわかる本。 それは、少し「食材」にも似てて、ちゃんと食べられるまでには、幾つもの人の手で、少しづつ「処理」をされている。ーーーー知識も、情報も、ちゃんと分かるように「処理」をして、やって来る。 ただし、本、新聞、ラジオ、テレビなどの「古いメディア」では、その「処理」の仕方もメディアごとに違うし、また、同じメディアでも、会社ごとに違う。
それと比べたらネットというのは、ある意味「未処理」か、それに近い。 前者が、色々と調理してあるのに対し、ネットは「生」か、それに近かったりする。ーーーそれらに対して、「受け手」としては、どう対処したら良いか? また、自分が「発信者」になったら、どのようなことに注意したらよいがが、著者氏の体験を交えて、熱く語られているので、よく伝わって来る。 情報がノアの大洪水のようになっている現代を、どう泳いでサバイバルするかが、いくらか分かる一冊。
紙の本
「知る力」
2019/11/21 22:26
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビでもお馴染みの池上彰氏による軽めの一冊。
「分かりやすさ」の追及と、「知る力」の鍛え方をテーマとしています。(どんなに忙しくとも毎日書店に行くというのも凄いと思います)
話題も豊富で、ゴルバチョフ氏のインタビューの印象など興味深く読みました。
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池上さんは、難しいことをわかりやすく解説するのが
本当に上手な人だ。
この本もとても読みやすく、平易な言葉だけで書かれているのでつい読み飛ばしてしまいそうになるけれど、
書かれているのは今の時代を生きていく上で非常に大切なことばかりだ。
池上さんが今憂慮しているのは、
話を聞いた人たちが、わかった気になってそこで終わってしまうことなんだそうだ。
そこから先を自分の頭で考え、さらに疑問を持つまで至らないと。。。
(それは池上さんがあまりにわかりやすく説明をしてくれてしまうためなのだが・・・)
わかるというのは、本当に自分の頭で考え理解すること。
その方法がこれまた『わかりやすく』書いてあるので
ぜひ読むだけでなく実践しなくてはね。
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借りたもの。
マスメディアを介した“情報の正確性”について考える一冊。
薄いのに池上氏の様々な視点が絡み合っていて、さらっと書いてあるのになかなか難しい。
読んでいるうちに感じたことは情報の発信者も受け手も、「疑い出したらきりがない」だった。
私たち情報の受け手に求められていたのは、
●鵜吞みにしないこと
●情報の発信者が「誰か」を確認すること
●複数の情報を照らし合わせること
だった。
前半はその理由、後半はその方法論と池上氏の経験。
同著『新・戦争論』( https://booklog.jp/item/1/4166610007 )でも言及していた方法で重複する。
まず思ったのは、池上氏のジャーナリストの経験から見えてくる、報道、特にTV番組の裏側(制作現場)の問題点に、ご本人が感じていたもどかしさがにじみ出ていた。
(だから“マスゴミ”と揶揄されるんだ…)
それに対抗するように、池上氏の言葉から感じる、マスメディアは国家権力の暴走を止めるための抑止力、“第三の権力”であるという矜恃。
政治の問題点、批判に熱弁を振るっていた。
政治家の“嘘も方便”とも言える、小泉劇場やトランプ氏の演説。これらは「ワンフレーズポリティクス」と呼ばれる手腕らしい。(オバマさんのChangeもそうなのに、言及されてない。好例だった?のか?)
これは果たして“わかりやすい”という事なのか?という苦言する。
‘単純でわかりやすいフレーズの裏側には、さまざまな政治的計算がなされていることを忘れてはなりません(p.35)’というのは最もだが、挙げてる例はどれも政治家批判的な視点ばかりで、読んでいて、その政策は全てネガティブものであるようなイメージを持ってしまうのは、何故だろう?
むしろマスメディアが「権力の暴走」にならないようにするための抑止力とあるべき、という池上氏の自負だろうか?
でもそれは公平さに欠けていて、“事実を正確に伝える”という事を放棄しているのではないかと邪推してしまう。
安倍前首相が特定の番組しか取材を受けないことに苦言を呈していたが、変なあげ足取りをするのも問題ではないのか、とも思う。(それに対応できるのが政治家のあるべき姿なのかも知れない)
最も、政治を動かすのは政治家であり、それを選ぶのが選挙、私達有権者の意思だ。それについては一行で釘を刺していた。
読んでいて私は、何でも批判ではないマスメディアの姿勢も問われるべきでは?と考えてしまう。公平な姿勢とは何だろう?
TV番組は視聴率に囚われているため、報道のプロでもない人(タレント)が報道番組を担っている事に、私個人も疑問を覚えるし、池上氏も問題を感じているようだった。では“プロの仕事”って何?
ひとつの報道であっても、色々な立場の人間が絡むので、フィルターがかかってる。
それは番組の旗色だけではなく、様々な仕事に追われ煩雑になっているため、端折っているのも否めないのでは?
ワイドショーのニュースソースがタブロイド紙だったり、台本・脚本ありきの報道番組でも見栄え重視である日本の奇観。
政治風刺をできない風潮に、1960年深沢七郎『風流夢譚』中央公論社社長宅襲撃殺人事件があること
ニュースに対して政権側の抗議に制作現場が辟易してしまうと言うが、意図を伝えられていないのは報道側の知識不足か、政権側の言葉不足か……
ネットニュースの偏向性、排他性、視野狭窄性については言わずもがな。
SNSの仕組みそのものが、“ユーザーが好むような情報が最優先に表示されている”こと、「たこつぼ」化しやすいことに警鐘を鳴らす。
更に、正確性を担保しきれない点。
話題性と速報性だったら、それはネットニュースで十分ではないか。
人の心は「信じたいものだけ信じる」。
フェイクニュースは「信じたい」心理につけこむ、
フェイクニュースが問題視されているなかで、情報を受けとる側は、どうやって判断すべきか?
その指標として、‘訂正記事が多い新聞は信頼できる’(p.107)ニューヨーク・タイムズを挙げている。
発信者が誰なのか?も大事。
後半には、池上氏の「知る力」を鍛える方法。
新聞を読むこと。(ぱーっとめくって一面から順に見出しを見る。)
両極端の立ち位置にある新聞を読み比べる。
書店めぐり。(本屋の「どこにどんな本をどういうサイクルでおくか」分析)
移動時間の読書タイム。
ネットの速報性。
夜は再び新聞タイムで、切りとった記事をクリアファイル行き。
新聞の重要性を強調。
複数の新聞を読み比べる意味。
新聞である以上、偏っていて当然(p.132)、それぞれの違いをおもしろがるくらいの冷静な視点。
本に関して、新書は「カルチャーセンター」、何かを調べるためには非常に効率が良い。
少し硬いテーマは岩波新書、中公新書、講談社現代新書
現代的なトピックスは集英社新書や光文社新書……
本屋に行くこと。
日本銀行や官公庁の公式サイトに発表されている情報(オリジナルの資料)を見る。
考えることの重要性
「わかりやすさ」で満足せず、その先にある「知る力」
読書事情とその後の国の発展が比例する
最後は取材の話。
また物騒な雰囲気になっているミャンマー、同時も自宅軟禁状態だったスーチーさんの取材ドタキャン話。
堀に囲まれた豪邸で、植物園、使用人の寝起きする家、大きなバラ園があるとか……「あれは田中真紀子だよ」という取材コメントが全てを物語っていて、池上氏の批判精神に火をつけた模様。国際的な評価が下がっていることを指摘。
ゴルバチョフは「冷徹なビジネスマン」。インタビュー料、時間以上の話しはしない人だった等…
リアルと情報だけで分かったつもりの自分がいたこと。
それは事実でも真実でもないこと。
実際に現地に赴いたり会ったりして初めて肌で知る事の多さ。「百聞は一見に如かず」という事か。
池上氏はそれを反省し、私たちに釘を刺す。
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タイトルのとおりの本。わかりやすさの中に満足するだけではなく、その裏に隠されている事実を追及することが大事であることが書かれている。そのためには、常に様々な情報に接していることが重要であることを説いている。
ただ池上さんの新聞や雑誌読み方は、誰にもできない。Webではなく、紙の新聞の重要性を説いていて確かにその通りだと思うが、将来はWebの割合が増えていくと思う。
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分かりやすい説明で有名な著者が書いた「わかりやすさの罠」というお話。ちょっと興味が沸いてくる書名…そんなわけで読んでみた。
著者は,分かりやすく演説して(そしてまんまと成功した)政治家として,トランプや小泉純一郎をあげている。この二人に共通するのは,言い切った言葉(アメリカファースト,郵政民営化)により,主権者に「他にいろいろと考えなくてもよい」と思わせるところだ。でもこういう言葉にまどわされて大きく世論が動いた結果,その先に待っていたものってなんだったのだろう。郵政民営化後の日本はどのように変わったのか? 何かプラスになったのか。よく分からない。トランプになってから,世界の進むべき方向が変になってきたし…。
「分かったつもり」になることへの対策もいくつかあげてくれている。それは,複数の新聞を読むことであったり,リアルな書店に出向くことであったりするのだが,ま,アドバイスに真新しいことはあまりない。
それでも,最近,SNSに書きこんだり,Amazonばかり利用しているわたしにとっては,ちょっと警鐘を鳴らしてくれる本だった。実際,本書も,たまたま寄ったリアル本屋さんで手に取った1冊だしな。
やっぱり,リアル本屋に行くのは大切だよ~。
そして,SNSに書きこむよりも,となりの人に説明する方がよほど「よく分かる」に繋がるんだよ。
そういいながら,わたしはSNSに書きこむのであった。
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以前に購入していて積読状態だったものを読みました。
人に伝える仕事を多少なりともしている者として改めて考えさせられるところが多かったです。
印象に残ったのは以下のような点でした。
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「わかりやすさ」の罠=わかりやすい説明を聞いてわかったつもりになってしまい、それ以上自分で知ろう・調べようとしないこと
新聞社のニュースサイトでは記事の重要性がわかりにくい⇔紙の新聞は直感的にわかる 記事の重要度を自分で判断するのはあまり意識されないがかなりハードルの高い作業
新聞が「中立公正」であるとは限らない、新聞は民間企業が発行していて偏っているのは当然。違いを面白がるぐらいの冷静な視点がほしいもの
「わかった」と思うことと、「わかった」と言ってもらえるように説明できることは、全く違う。アウトプットを意識したインプットを。近くの誰かに話してみるといい。
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新聞をとる習慣が何年か途絶えていましたが昨年から購読を再開しました。やはりネットニュースだけだとかなり情報が偏りますし、見出しとリード文だけの浅い理解になりがちです。本当は池上さんの言うように他紙や外国メディアなども確認するとよいと思うのですが、なかなかそういった時間までをとるのが難しいなぁというのが自分の状況です。
これまでの池上さんの本で語られているような点も多々あるように思いましたが、要点がコンパクトにまとまっている1冊でした。この本自体のわかりやすさの罠に陥らないように、実践に落とし込んでいこうと思います。
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いつも中立を神経質なほど固執する先生が今回はかなり主張を明らかにしている。あくまでも国民(視聴者)主権、人権擁護には黙ってはいられないのだろう。その立場からのメディア論はしかし新聞と書籍の効用に終始し、ITメディア込みのリテラシー論ではないところが残念。若い世代をターゲットにしていると標榜しているのだからこれは納得しかねる。
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自分で調べなければ 本当のことわからない ということなのだろう
いわゆる 専門家の話も当てにならない (テレビでは)
わかりやすさとは 多くのメディアに取り上げられることでできあがる
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校閲を丁寧にしているメディア(新聞、本等)からインプット。
読み途中の本にはメモ用紙としてA4用紙を挟んでおく。
当初の目的は果たせずとも体験することが活きた知識になる。
常に考えているから風呂場で思い付く。
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新聞広告で、TVのコメンテイターはどうやって選ばれるのか、というのにひかれて読んでみた。これはTV局にその分野の学者などの一覧表があってその中から選ばれる、ということだ。だが選んでは見たものの話がうまくなかったりすると別な人になり、やはりTVなので話がうまくて、素人にもわかりやすく、おまけに見た目もよければ、という人に淘汰されていくということだ。
わかりやすさの罠だが、TVだと限られた時間で説明するのに、ピンポイントのみをピックアップするため、周辺事項は説明されず、物事の深い理解にはならない、と言っている。特にタレントが司会のワイドショーなどに顕著だと言っている。
池上氏のお話の本。
2019.2.20刊