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スティーブ・ジョブス繋がりで読む
2020/07/22 23:03
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
PIXARの財務責任者がどうPIXARを一流企業にしたのかを一人語り形式で描いた随筆。以下自分用メモ。映画という業界は「文化」が根強く、クリエイティブな決断を責任者が下す慣習があったが、PIXARはそれを現場に振った。文化の強いところは変化を恐れ、縛って言うことを聞かせようとする。まず新しい会社に入ったら、組織の中で金がどう生まれ、動いているのかを知ること、その業界で何が武器になるのかを知ること。
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きれいなグラフィックスを作れば人を数分は楽しませることができる。だが、人々を椅子から立てなくするのはストーリーなんだ(ジョン・ラセター)
ルクソージュニアって1986年の短編アニメーションなのかー。生まれる前ーー
駒がいまどう配置されているのか、それを変えるすべはない。大事なのは、次の一手をどう指すか
「ふと気づいたんだけどね?この2ヶ月、スティーブといろいろな話をしたけど、彼が反発したり言い訳に走ったりしたこと、ないんだよね。」
トイストーリーがおもちゃのアニメなのには理由があった。人間の肌や服のしわを書くよりも、プラスチックの彼らを書くほうがずっと楽なのである
ブランドでディズニーに譲歩すれば胸を張れなくなる。自分たちがしていることに誇りを持てなくなったらピクサーはおしまいだ。ここがピクサー文化の中核だからだ。
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ピクサーのお金についての本があまりにも赤裸々だった。16年もの苦節を経て、『トイ・ストーリー』という1本の作品が未来を切り開く。クリエイティブとビジネスを両立する難しさがわかるし、何よりいまピクサーを観れることって幸せだなぁと思える一冊。
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スティーブ・ジョブズが自腹で支えていた赤字時代にPIXARに加わり、事業戦略を考え、IPOを成功に導いた元CFOのローレンス・レビーによるノンフィクション。ファイナンス戦略を中心に書かれているが、PIXAR出身者らしい魅力的なストーリーで、とても引き込まれる一冊。トイ・ストーリーの制作秘話、PIXARの文化・価値観も描かれていて、読んでいるとPIXAR作品を改めて見たくなってしまう。
赤字時代のPIXARを再編し、商業的に成功を達成するために、様々な変化を起こしたが「文化」だけは守ったことが印象的だった。目に見えないが、組織の中で築き上げられた文化を壊しては元も子もない。クリエティブなものを生み出す元は個人にあるが、その個人が活気づいて働ける環境を整えなければ生まれないという。
大企業と取引をしていた時代に感じた、巨大テクノロジー会社が堅苦しい階級文化に染まり、政治力が物を言う文化。指揮命令のラインがはっきりしており、上の命令は絶対というような行きすぎた階層秩序と官僚主義が広がるとクリエティブは死んでしまう。現場の一人一人が考えを持ち、発言し、行動できる文化が大事だと、ローレンスは痛感していたようだ。
PIXARがディズニーに買収されるときにも、文化の重要性は強く主張された。買収後でもPIXARの運営方法や文化が保たれることを条件にしていたほどだ。蓋を開けてみると、ディズニーのほうがPIXARの文化を学びたい、PIXARに近づけたいという状況だった。事業の規模が大きくなると、現場の意思決定力はどうしても下がりやすいのだろう。
著者のローレンスはPIXARを離れたあと、哲学・宗教を学び、現代の幸せのあり方について取り組んでいる。
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とても面白かった。PIXARのエピソードがこんなにヒリヒリするものだったなんて。
PIXARの最高財務責任者が自ら語る歴史。ただの自伝でも会社の紹介でもなくて、いかに一つのイノベーションがエンターテイメントに変革をもたらすのかを見守る数時間だった。そして訳者があとがきで述べていた「事実は小説よりも奇なり、を地でいく展開」に思わず頷いた。
IPO公開までの道のりと、ディズニーとの契約交渉が大きな山だったが、どちらもとにかく多くの助っ人が出てくる。素晴らしい経営者というのは何か。それはいかに優秀で心が通わせられるプロフェッショナルを味方につけて、仕事をしてもらえるかというところが全てのカギなんだろうな。
ジョブズのPIXARでの顔を知るのは今回初めてだった。とにかく譲れない条件をしっかり持ってることが、交渉力を引き上げる要素なのだと思った。妥協できてしまうようか条件はなし、正しく譲れないからそれをどんな方法でも実現を目指して交渉し続ける。
複雑なコンピュータ事業の業界で、人当たりの悪さや、ネガティヴな側面も様々なところで語られてる人物ではあったけど、PIXARでシンプルにエンタメ事業に向き合ってるジョブズの姿から、彼の本質的なところを垣間見れたのは面白かったな。
PIXAR作品を見るときにいろんな楽しみが増えそう。
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お金があるから企業が伸びる訳ではない。
優秀な社員がいるから組織が栄える訳ではない。
カリスマリーダーだけで組織を引っ張れるものではない。
技術力のあるスタッフだけでは組織は世の中に受け入れられない。
自分自身を評価するタイミングと他者から評価されるタイミングは一致するとは限らない。
ピクサーだってそう、アップルだってそう、スティーブ・ジョブズだってそう。
ほんの僅かな期間のチャンスを勝ち取ったからこそ今の栄光がある。
私は、本田宗一郎のパートナーである藤沢武夫が好きなので、
スティーブ・ジョブズのパートナーになったローレンス・レビーにハマるのは至極当然なのかもしれません。
優秀なリーダーには必ず、無二のサブリーダーが存在する好例をまた見せつけられた良著でした。
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ホットエントリー入りしていたcourrierの記事から興味をそそられて。
PIXERのCFOだった著者が経営の傾いた会社を立て直す話。
ジョブズ本としてもスタートアップの資金調達を行う兵站将校の話としても面白かった。
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今は知らない人がいないPixarの快進撃を当時のCFOが描く。スティーブ・ジョブズの人となりであったり、困難との立ち向かい方、チームを信頼することの大切さなど、学ぶことが多い。
天才的なカリスマも周りの意見は聞く。でも譲らないことは譲らない。
相手が最も大切にしていることを理解し、尊重し合う姿勢を私も持ちたい。
どんなに困難と思えることも、やりたいことを明確にし、目標を定めて1つずつプロセスを越えていくことで、いつか到達する。けれど、その到達点でさえ、道の途中なのだ。
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スティーブ・ジョブズのかの有名な「現実歪曲フィールド」がいかに「現実定着フィールド」になになり得るのか?という物語です。テックでもデザインでもなくファイナンスのお話であるところがビジョンとリスクの関係を生々しくしています。と、いうことで著者は本書で初めて知る人ですが、ピクサーのCFOとしてテクノロジーとエンターテイメントが融合した世界最初の会社のIPOを成功させた人物。日本でいえば本田宗一郎に対する藤沢武夫、とか井深大に対する盛田昭夫みたいな役割なのかも。もちろんビジョナリーはジョブズなのですが、本書ではお金欲しがりおじさん、あるいは名誉欲しがりおじさん、あるいはアップルへの復讐おじさんみたいで、ちょっとカッコ悪いです。むしろ、PIXARのジョン・ラセターなどのクリエイティブチームに対するリスペクトがこの難易度の高いプロジェクトを成功させる鍵かもしれません。しかし、自分で自分に酔っちゃうジョブズがいたからこそストレッチが生まれていることも事実で、まあ、そこら辺のバランス感覚の良さがローレンス・レビーという人の最大の能力なのかもしれません。たぶんすごいハードなプロジェクトだったと思われ、最後に彼がビジネスを離れ哲学から宗教に向かうのもさもありなん、と納得です。本書での一番の学びは、シリコンバレーでも上場という行為はビジョンだけでもテクノロジーだけでも無理で信用をベースとしたネットワーキングが必要ということ。「現実定着フィールド」はあくまでベタな苦労の積み重ねなのでありました。
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読み終わって、ジーンとくる感動の一冊。
シリコンバレーIPOの裏側を、事実と当時の著者のリアルな感情描写によって追体験出来る貴重な一冊。
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クリエイティブと利益。
中道の思想の重要さ。
物語と創造力への信頼。
困難な状況でも、理想を忘れない心。
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ピクサーの現在の成功に至るまでの財務責任者を担当した著者の視点からの物語。
一見大成功を納めたように見えたピクサーが実はきわどい綱渡りを経てトイ・ストーリーの成功を実現させたことや、ディズニーの強者の戦略、スティーブ・ジョブズの意外な一面など、内部の人間から語られるストーリーが大変面白かった。
・配られた手札を嘆いても始まらない、大事なのは次の一手。
・イノベーションは文化から生まれる、イノベーションは環境を含めた集団の成果
・行きすぎた階層秩序と完了主義が広がるとイノベーションは死ぬ。
ピクサー社の成功はクリエイティブとビジネスの融合の1つの成功モデルとして非常に参考になると個人的には思った。単に作品としてのピクサーだけでなく組織や文化の在り方についても今後掘り下げてみたい。
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スティーブ・ジョブズが発見したきっかけとなったピクサーの立ち上げについて。
映画を作っているのではなく、会社を作っている。
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ピクサーの創業期からディズニー傘下に収まるまでの物語を当時のCFO自ら書き下ろした一冊。世界屈指のクリエイティブ集団ではなく資金繰りや契約など株式企業の側面から語られるのが新鮮。スティーブ・ジョブズのイメージも変わるなぁ。社員に対する姿勢を象徴するようなエンドクレジットのエピソードも感動的。トイ・ストーリー4は最後の最後まで注目して見よう。
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華やかなエンターテインメント業界のビジネスの実情が生々しく描かれた良書。
巨大組織のディズニー、圧倒的ビジョナリーのジョブス、映画製作の職人達のピクサークリエイティブ陣、彼ら三者の間に入って常に落としどころを模索しつつ調整に奔走する作者の苦労に同情する。
さまざまな困難な状況の中で、経営者として短期的なビジネスの成功に走りたくなる気持ちと葛藤しながらも、最終的に筆者が守ったのはピクサーのブランド、誇りと文化だったというのが印象的だった。
下記の言葉が象徴的。
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スタートアップが自分達の市場を食い荒らすのを、大企業が指をくわえて見ているのはなぜだろう。。
理由はひとつしかない。文化だ。
行き過ぎた階層秩序と官僚主義が広がるとイノベーションは死ぬ。ピクサーではそうならないようにしなければならない。
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ブランドでディズニーに譲歩すれば胸を張れなくなる。自分達がしていることに誇りが持てなくなったらピクサーはおしまいだ。ここがピクサーの文化の中核だからだ。
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面白かった。