- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/04/18
- 出版社: 早川書房
- サイズ:19cm/255p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-209855-9
読割 50
紙の本
三つ編み
【全国図書館協会賞】【グローブ・ドゥ・クリスタル賞(文学部門)】【「ルレイ」旅する読者賞】【女性経済人の文学賞】【ユリシーズ賞(デビュー小説部門)】【フランス・ゾンタクラ...
三つ編み
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商品説明
【全国図書館協会賞】【グローブ・ドゥ・クリスタル賞(文学部門)】【「ルレイ」旅する読者賞】【女性経済人の文学賞】【ユリシーズ賞(デビュー小説部門)】【フランス・ゾンタクラブ賞】【全国医療施設内図書館連盟賞】【ドミティス文学賞】インド、イタリア、カナダ。3大陸の3人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通しているのは、女性に押しつけられる困難と差別のために立ち向かっていること…。逆境を生きる女性の連帯を描く物語。【「TRC MARC」の商品解説】
三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性が押しつけられる困難と差別に立ち向かっていること。ある者は娘の教育のため、ある者は仲間の生活のため、ある者は自身の夢のために理不尽と闘う。絶大な共感と感動を集めた話題作!【商品解説】
著者紹介
レティシア・コロンバニ
- 略歴
- 〈レティシア・コロンバニ〉1976年フランス生まれ。映画監督、脚本家、女優。監督作品に「愛してる、愛してない…」など。
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電子書籍
社会に対して、「ふつう」とは何か訴えかける
2019/11/04 17:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あひる - この投稿者のレビュー一覧を見る
「三つ編み」を構成するのは異なる国で生活する3人の女性。共通項はその性別。それ以外の境遇は異なる点の方が遥かに多い。
しかし各々が、女性であることに起因する苦悩、困難に直面する。その解決策として社会通念上挙げられるのもまた、女性としての「ふつう」を受け入れろという、抜本的な改革にはならないものだ。
・女性に教育の機会を与えるのは難しい。
この運命を繰り返して来世に期待するしかない。
・金持ちの男性と結婚すれば家業を失っても生活できる
そんな声が周囲から聞こえてくる。
家族との時間を犠牲にして、全てを仕事に注ぐことで女性にとってのガラスの天井を突破したかに見えた敏腕弁護士も、病ひとつで緩やかに会社から排斥されていく。
だが、こうした局面で各々の女性が示すのは、自分が求めるものへ突き進む強さだ。ぼろぼろになっても、飾らずに理想を追求する信念だ。
これらが社会の常識に訴えかけるものは大きいと感じた。
同時に、三者三様の人生を歩む女性の様子からは、性別というひとつの個性だけを見て語るリスク(男性との二項対立では無いし、女性にも色々な個性を併せ持つ人がいることを見逃してはいけない)が示されていると思う。
紙の本
女の髪の毛。
2020/08/11 10:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
インド、イタリア、カナダ。住む世界も境遇も全く異なる女性たち三人。
最下層のカーストの生活を娘には遅らせたくない、そこから抜け出すのには教育の力と思う女。シチリアで代々の髪の毛の加工を行う工場を営む女。カナダで、仕事に打ち込み、子どもをシッターに預けっぱなしの女性弁護士。
それぞれが、人生の壁にぶつかり、悩み、やがて行動する。
紙の本
状況を切り開く力
2019/05/08 20:23
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナツメグコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
母から、社会から、ずっと「受け入れよ」と教育されてきた。そして、それに従って生きてきた。それが長女として、女として、正しきこと、善きことと信じて。・・・だが、半世紀をすぎた今、自分が後悔の海に沈んでいることを認めざるを得ない。苦しい、つらい、恨みがましい気持ちでいっぱいの自分が、情けなくてたまらなかった。
『三つ編み』の中の、インドの不可触民女性が置かれた過酷さ、カナダのシングルマザーが直面する闘病と孤独、けれどそこで「諦めず、あらがう」強烈な意思に接して、自分の甘さに気づかされた。
シチリアの女性の前向きな強さは、愛し合う男性や父親の声の後押しがあってこそ生まれたものではある。素敵な愛の場面にうっとりとし、父親との魂の繋がりを羨ましく思った。が、それでも、シチリア女性本人の「未知の世界にふみだす」決断なしには、新しい生き方は生まれ得なかった。
これまで「受け入れること、守ること」によって生きてきたが、これからは必要な時には「拒むこと、NOと言うこと」から未来を切り開いていこう、と決意した。
本書に登場する若い女性3人に教えられた。
電子書籍
髪が繋ぐ物語。髪は女性だけのものではないことにも気づかされる。
2022/11/29 09:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドのダリッド、イタリアの髪を扱う工場の女性、そしてカナダの女性弁護士。
髪が繋ぐ物語だが、差別・格差・貧困・移民・宗教・信条・社会的地位・病気・闘争。女性を巡る様々な岐路と環境が描かれている。
知らなかったのはイタリアが英国に次いでインド・パキスタンからの難民受け入れ国であるということだった。日本は難民受け入れ率が低く、それなのに技能実習生は希望しているという奴隷制推奨のような現実があるが。また日本人が移民・棄民となって海外で働く日が近づいているように感じた。
紙の本
勇気ある女性たち
2021/10/27 20:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
かけ離れた境遇に生きる女性たちが美しい髪をたどって、つながるはずのない物語がつながる。
社会問題に切り込みながらも、最後は理不尽なことと闘うそれぞれの女性の勇気ある決断と行動。
難しいことを考えなくても、勇気をもらえる作品でした。
紙の本
これは私の物語
2020/12/07 16:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コニコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「これは私の物語。なのに、私のものではない。」という言葉で幕を上げる。登場する3人の女たちは、それぞれのストーリーを紡ぎながら、三つ編みを編むように絡み合い、強くなっていく。生まれも境遇もまったく違う私たちは、この話を読んで私のものではないのに、なのに私の物語と思う。表紙を飾る豊かな黒髪の女性はインド人のスミタだろう。過酷な状況の中、彼女の一歩がバトンを渡すように時空を超えていきいきとつながっていく。解説にあるように、もしこの本の中で日本の女性の物語が紡がれるとしたら、どんな境遇になるかを想像してみたい。
紙の本
髪の毛は、本作では女性性の象徴。
2020/03/15 04:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
特にフェミニズムを意識して読んだわけではなかった(私は自分がフェミニストだと思っているが)。
インド、不可触民のスミタは娘を学校に通わせ、自分とは違う人生を歩ませてやりたいと強く願う。
イタリア、父が経営する毛髪加工工場で働くジュリアは父親が倒れたのを機に工場をどうするのか決断を迫られる。
カナダ、弁護士のサラはシングルマザーだが、事務所ではプライベートは見せずに出世してきたのに、がんと診断される。
まったく違う土地・環境に住む、年齢もバラバラな三人の女性のそれぞれの人生が交差していく物語。
作者はもともと映画監督らしく、文章はシンプルだし、三人の女性の姿をカットを切り替えるように描写していく。
あまりにさらっとしているのでどこか物足りないほど(214ページですしね、さらっと読めてしまいました)。
その分、行間が広いのだけど・・・スミタ、ジュリア、サラそれぞれに起こる出来事に対して読者は大変腹が立つわけですが、「すごく腹が立つ」というこっちの気持ちを共感してもらう部分があまりないので(作者としては読者を信頼して、そんな目に遭っている人がいたら助けてあげてくださいーー自分もまたいつどこでそういう境遇になるかわからないのだから、と言っているのであろう)、若干フラストレーションが。
結局、それは個人の戦いなのか。
でも共闘したっていいじゃないの。
私はもっと書き込まれているほうが好きなのだが、行間が広くてあえてさらっと書いてしまう人には絶対かなわないと思う。
作者自身による映画化プロジェクト進行中とのこと。
映画なら、フラストレーションは感じないかもしれないなぁ。
紙の本
幸福を決める権利
2022/07/26 01:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェミニズムやジェンダー平等が謳われる昨今で男性はセンセーショナルに、女性にはよくある、聞くことあるあるに感じる物だろうと思いました
三人の住む国も仕事も状況も全く違う女性達が女性として争ったり、勝ったり負けたり、その結果も全く違う。
でも三人は髪の毛という媒体で繋がって共通している。
そんな力強くもまだまだ平等までは程遠いと感じる虚無感もどこか感じました。
電子書籍
よかった
2020/11/17 14:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちのっと地味な印象のある作品だなと感じていましたが、読むにつれて世界観に引き込まれていって魅了されていました。