紙の本
模範郷 (集英社文庫)
著者 リービ英雄 (著)
【読売文学賞小説賞(第68回)】1950年代、6歳から10歳まで台湾にいた「ぼく」。日・米・中・台の会話が交錯する旧日本人街「模範郷」。そこは間違いなく「ぼく」の故郷であ...
模範郷 (集英社文庫)
模範郷
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商品説明
【読売文学賞小説賞(第68回)】1950年代、6歳から10歳まで台湾にいた「ぼく」。日・米・中・台の会話が交錯する旧日本人街「模範郷」。そこは間違いなく「ぼく」の故郷であり、根源であった−。半世紀を経て故郷・台湾を訪れる〈時〉の旅人の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
模範郷 | 7−82 | |
---|---|---|
宣教師学校五十年史 | 83−118 | |
ゴーイング・ネイティブ | 119−143 |
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国籍とは、言語とはと、文化の根底について考えさせられる作品。
2020/03/24 10:27
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国籍とは、言語とはと、文化の根底について考えさせられる作品。確かに、移民などを例に考えるなら、生まれた時からその国で生活し続けるなら、言語も国籍もその国に馴染んでしまうのが普通であろう。しかし、著者の場合はあくまでも英語文化圏の中で生活してたし、住んでいた台湾・台中市の“模範郷”自体も日本帝国が残した遺産に過ぎなかった。あくまでも日本文化の残渣であり、日本文化の片鱗でしかなかった。しかし、著者=リービ英雄は、その“模範郷”の原風景を求める旅を続けるうちに日本文化に傾倒し、遂には「日本語で考え、日本語で書く」しかも古典語に魅力を感じる謂わば生粋の日本人になってしまったのである。何とも不思議で、謎めいた魅力を感じさせる人物である。
基本的に自伝小説や自伝的随筆などは、あくまでも私とは接点の無いその個人の経験に過ぎないということで、余り興味を持てない分野である。しか、リービ英雄の場合は、言語が民族や文化の根底であるという考えに整合しない特異例として気になるのかな。
※ リービ英雄;アメリカ生まれ、 1950/11/29日~