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商品説明
神州は不滅であると信じていた、昭和6年生まれの「私」たち。皇国史観に基づく「日本国史」の授業と、勇壮で心を揺さぶられた「戦時歌謡」を取り上げて、1人の子どもが「軍国少女」へと成長していく過程を振り返る。【「TRC MARC」の商品解説】
戦争がはじまったとき,少女は小学校低学年だった。工場動員は免れた。その代わり、校庭に薩摩芋を植えたり、人手不足の農家に農作業の手伝いに行かされたりした。その頃歌われた『学徒動員の歌』、すなわち、「君は鍬取れ、我は鎚、戦う道に二つなし」という戦時歌謡さながらであった。こんな歌に励まされ、お米や野菜を作ることは重要だと思っていたから、とにかく真面目に働いた。何しろ、この戦いは正しく、神州は不滅であると教え込まれていたから、どんなに敗け戦が続いても、日本が敗けるなどとは考えもしなかったのである。
こうした「戦争観」の中で、少女たちは「少国民」となり、「軍国少女」へと成長した。こうした「日本観」は、「皇国史観」に基づく「日本国史」の授業で、しっかりと形成されていた。それに、勇壮で覚えやすい戦時歌謡は、少女たちの心を揺さぶり、「正義のための聖なる戦い」を疑うこともなかったのである。
今,大人になった少女が「日本国史」と「戦時歌謡」を取り上げて、自分自身を語ってみようと考えたのは、こうした所似に他ならない。そして、このことは、「私」という一人の子どもの物語でありつつも、あの時代を生きた同世代の女たちにとっても、共有される物語に他ならない。【商品解説】
目次
- はじまりのことば
- 第一部 戦時下の学校教育
- 第一章 「日本国史」の教育力
- ⑴ 「縄文」も「弥生」も知らない子どもたち
- ⑵ 「ヤマトタケル」の物語
- ⑶ 南北朝と後醍醐天皇
- ⑷ 吉野の行宮に集った「いい人」たち
- ⑸ 護良親王異聞
- ⑹ 天皇のよしあし
- ⑺ 私にとっての「いい人」たち
著者紹介
本田 和子
- 略歴
- 〈本田和子〉1931年新潟県生まれ。お茶の水女子大学卒業。同大学名誉教授。児童学、児童文化論、児童社会史専攻。著書に「女学生の系譜」「それでも子どもは減っていく」「子どもが忌避される時代」等。
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