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投稿者:やっほー丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
10代の少女達の葛藤を描いた物語。一人一人の悩みがかなり深刻で、読んでいて真に迫ってくるものがあります。
中盤までは良かったけど最後のオチが微妙だったかな。無理矢理感というか。
あと、出てくる大人がもれなく嫌な人間ばかりなので、なんというかスッキリしない。(石橋の性格改変には笑いました。)
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とても面白かった。
主人公たちはみんな心にどろどろとしたものを抱えていて、物語の多くが嫉妬や恨みといったネガティブな感情で占められているのに、不思議と読んでいて暗い気持ちにはならない。それは、そんなネガティブな感情さえも主人公たちのピュアな部分から生まれたものだからだし、また何より、作者の筆の力によるところが大きいと思う。
主人公たちはみんな物語の最後に進むべき新しい道を見つけ、ネガティブな感情から解放されていくけれど、実は桜子だけは具体的な解決策を得られていない。母親から離れる算段は付いたのかもしれないけれど、自らの中にある母親の影から逃れ、纏い続けてきた仮面を脱いで本当の自分をさらけ出すことができるかはまだ分からない。——だけど、彼女なら、彼女たちならきっと大丈夫だと思える。物語の終わりのその先の、主人公たちの成長に思いをはせることができる、久しぶりの作品だった。
(Net Galleryにて)
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全寮制の女子校。
そこで暮らす4人の抱える秘密とその苦しみは切なくも美しく。
彼女たちはそれぞれに仮面をかぶって生きている。高校生の頃はだれもがそうかもしれない。
家族に見せる顔、友達に見せる顔。そして一人だけでいるときの顔。
そのひとつひとつが大きく食い違うほどに、彼女たちはもろく壊れやすくなる。
4人が抱えるそれぞれの苦しみをどういう形で乗り越えていくのか、その先に明るい光はあるのか、と心を痛めながら読む。
最悪の形を想像して暗澹としていた、ところからの展開。
どんよりとしていた空が、晴れ渡る瞬間を見たような。雲の切れ間からさすオレンジ色の光。その美しさは彼女たちが自分たちで切り開く未来。
明日からきっと笑顔で過ごせる。彼女たちは強く、そして美しい。
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表紙と内容がちぐはぐな印象。何故オジサンが好みそうな印象の女子高生の絵にしたのかな。中身はそういった色はなく、自分自身を取り戻すために足掻く等身大の十代の子たちの真っ当な物語なのに。
イラストレーター云々ではなく、そういう方向性に持って行った編集部への疑問。
これを本当に届けたい読者に届くのだろうか。
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誰もがいろんな思いを抱えていて、すべてがまるく解決したわけじゃないけど、きっと上手くいく、幸せになれるって思えるお話だった。
***
「これでみんな共犯者ね」。少女たちは傷つき、悩み、自分たちの道を選び取る。全寮制女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり、規律に厳しいことで有名だった。さらに同校には「マザー制度」というものがある。新入生を「チャイルド」、3年生を「マザー」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。伝統と格式のある学園の寮で、不審な事件が次々と起きルームメイト4人が巻き込まれていく。
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全寮制の女子高の一室に住む四人の生徒それぞれの物語。
それぞれがそれぞれの立場で苦悩し足掻いているが
端から見る者はそれに気付かない。
これで解決になるのかと思うこともあるけれど
まずは自分の位置を見極めて、進めた一歩が大きいのだと思う。
[図書館・初読・6月17日読了]
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寄宿舎で過ごす女子高生たちの危うい友達関係を描いたサスペンス。一見瑕疵のない優等生に見えても家庭に大変な問題を抱えていたり。迷いなく道を進んでいるように見えてもそうでなかったり。ひどくゆがんだ思いを抱えたままだったり。どうしようもなく痛々しい事情をそれぞれに抱え、しかしそれを誰にも明かせない彼女たち。しかしお互いが各々の事情を知って手を結び始めた時に、いったい何が起こるのか。まったく目の離せない展開でした。
何一つ問題を抱えていない人なんて、決していないはずなのに。自分が問題を抱えているときは、世の中で自分だけが不幸な気持ちになってしまったりするのもよくあることなんでしょうね。でも一人だとそれに気づけない。どんどん深みにはまってしまう。そのつらさがぐいぐいと迫ってきて、どのパートもそれぞれの悲哀で溢れていましたが。終盤の展開では一気にほっとさせられました。この「共犯」はちょっと素敵だな。
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全寮制女子高、伝統と格式のある学園寮の同室の4人、それぞれの事情や思いが語られていく。
初読み作家さん。
感想が書きづらい、面白かった。
(図書館)
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あるあるな感じの訳あり女子4名それぞれの視点からの物語。
こういうのは作者の筆力が大事。
一気に読ませる展開に脱帽。予想以上に面白かった。
それぞれ4人に幸あれ。
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感情のままに動いたり罪悪感を感じながらも悪いことをしてしまったり
周りからの印象と自分の理想と本当の自分が違すぎてそれがとても嫌で嫌で嫌だけどどうにもできなくて
なんとなくなんだか感じたことのある感情がたくさんあった
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規律に厳しく伝統のある女子高、星華高等学校。その寄宿舎のルームメイト4人のそれぞれの視点からの物語。三年が一年を導くマザー制度とか憧れの先輩がマザーになって妬まれる展開とか悪意ある小さな事件とか特異な寄宿舎生活の話かと思っていたら4人はそれぞれ外面とは裏腹の重石を抱えて苦しんでいてどう折り合いをつけるのか?という話だった。高校生という小さな世界の中で4人が追い詰められていく過程は胸が苦しくなる。特に皆の憧れ桜子。なので広い未来に目を向け折り合いをつけていくラストはほっとした。茜の最後の「自分の幸せは、自分でで掴むものです。誰かがいないと、成り立たないものではないんです」が胸を掴まれるポイントだと思うけど個人的には嫌われ美術教師石橋が真琴に話す厳しい指導の意味の方が刺さった。
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4人の女子高生がそれぞれの悩みを抱えつつ、この全寮制の女子高に通っている。
3年生がマザーとなり、チャイルドである1年生の面倒を見る、昔からの習わし。
誰がいつ始めたのか?あるときから連続して起こる不可解な小さな事件……。
それぞれが抱えていた悩みを乗り越え、成長していくさまは微笑ましくもあり、そこに登場する大人の卑しさや不器用さが悲しくもある。
彼女たちの心は新雪のごとく、綺麗なものであってほしい。
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世間から隔絶した場所にある女子校、章毎に変わる語り手。ありがちな設定ではあるけど、悲劇に向かって突き進んでいくかと思いきや、ラストに一転する展開となり青春ものらしい読後感ではある。
語り手を一人に絞りイヤミス的にもっと書き込んでもらいたかった、って願望は残りますが。
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傍目から見るとうまく行っている人の、内面に抱えている悩みをそれぞれの同情人物毎に書き上げた作品。最初から最後まで面白く、もっと読んでいたい本だった。
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女子高生4人にいつしか芽生えた友情。
お嬢様系の高校の同じ部屋同士になった彼女たちがそれぞれ背負っていた思い。
かつて卒業生だった母の過干渉を、周囲に優等生ぶることで隠しながらも自分も母と同じ陰湿なことをしている桜子の孤独。
母に捨てられたうえに祖父母にも虐げられ、誰にも心を開けなかった茜の孤独。
絵を描くことに自信をなくしかけ、田舎の能天気な雰囲気によけいにイラつく千尋。
姉を休学に陥れた美術教師に復讐するために間違った正義感を振るおうとする真琴。
偶然同じ宿舎の部屋になった4人が
それぞれ抱えているものと戦いながら
自暴自棄になりそうだったのをお互いに助けられたこと。
今は自分1人では歩いていけないのかもしれないけれど
それでも前向きに生きようと決意する彼女たちの未来は明るい。