勇者様、湯加減はいかがですか？ ４ （裏少年サンデーコミックス）

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投稿者：求道半　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この温泉宿に着任した当初は、同僚や客との意思疎通が十全に図られてはいなかったロキであるが、人間と魔物の違いを感じさせない配慮の行き届いた接客姿勢と、信頼関係が確立された従業員との連携作業を、彼は身に付けた。
　新規の客は引きも切らず、宿はそこそこに繁盛しているものの、客の中には招かれざる者もおり、今回は特に変質者と同然の女性客が目に付くのだが、ロキは平生と変わらぬ態度で仕事に取り掛かり、可能な限り、客の要望に応えようとする。
　ロキは浴場で欲情しない。
　しかし、時には、逆上する。
　暴走したロキの見境のない行動は、ゲストだけではなく、スタッフにも迷惑をかけるものであり、ガイアベルやカノン、そしてラルヴァも、ロキから一泡吹かせられる。
　この湯治場には聖域がなく、彼らには魔の手から逃れる場所と手段がない。
　その結果、ガイアベルの火照った身体は、股間以外が、誰の目にも明らかとなる。
　また、ガイアベル自身が、率先して、裸になる場面もあり、第四巻では、女性客に引けを取らない彼女の見せ場が多い。
　ガイアベルの小さな胸の露出に満足しない読者は、名前が分からない一般客や名前が明かされた客の一様ではない形状の裸体が見られる。だが、女性客の股間は、数種類のマークによって隠されている。それは鯰のマークではない。
　男女の肉体美に注目しがちだが、第四巻では、辺境における人間と魔物の交流の諸相と、浴場の清掃や施設の管理以外の宿の業務の一部が描かれる。
　真剣な話が、いつの間にか、笑い話に転じる。
　左遷された元勇者が、魔物が集うこの場所で、一番、癒されているのかもしれない。