あらためて学ぶ日本と世界の現在地

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【貧困】
貧困を図る指標は、所得制約+教育成約（平均就学年数）+保健制約（出生時平均寿命）

【開発目標】
MDGsの後継、SDGsにより、「誰も置き去りにしない」ことをスローガンにあらゆる貧困、不平等、環境問題を無くそうとする

【教育】
教育は貧困からの脱却に貢献する。生産性の向上、認知的能力もそうだが、とりわけ女子教育により、避妊の知識向上、子供の就学率の増加などがある。

【世界遺産】
ユネスコ憲章「競争は人の心のなかで生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」→多文化の需要と相互理解
シリアルノミネーション…異なる国や地域にまたがる複数の世界遺産をひとつの遺産として推薦すること
まだ、今ある形をそのままで保存するのではなく、人々の住む町並みや景観などの、「生きている遺産」も対象としている。

【平和について：破綻国家】
破綻国家、失敗国家…国家機能が維持できない国家
紛争（ソマリア）、汚職（コンゴ）などが原因。資金不足からインフラが機能しなくなり、教師、医師、警察への給料が払えず、兵士による内戦が起こる
破綻国家は国境管理もずさんになるため、周辺国の治安にも悪影響を与える

【戦争】
戦争は始めるよりも終えるほうが難しい。戦争集結に反対する勢力を抑えながら、すべての勢力が納得する合意を作る必要がある
国連による平和への取り組みが、軍事的介入から、平和構築へと変化している
平和構築…インフラの復旧や、難民の支援、各勢力からの武器の取り上げ、選挙の手助けなど、次の紛争が起こらないようにするための取り組み

【移民】
中国には、今韓国人や華僑、華人の移民が多くなっている
華僑…国外に定住する中国国民
華人…外国籍を取得した元中国国民とその子孫
もともとは移民送出国であったが、改革開放後の発展と国と民族の統合のために、華僑華人の人材誘致と優遇政策に積極的である

【難民】
難民のルーツ
18世紀に、西ヨーロッパで絶対王政が市民革命によって倒されると、国民国家が誕生した。言葉や文化などを同じくする国民によって構成される国民国家には、言語や宗教のように、少数者が含まれる。その少数者の扱いが悪いと、環境の改善を求めて他国へ移動する。
WW2時の日本は、ドイツと同盟関係にありながらユダヤ人を受け入れていた→個人の意思が大きい
どちらかといえば、日本は植民地化した国を敗戦後再編する中で、難民を生み出していた側である。
そして戦後日本は難民を一時滞在しか認めていなかったため批判が殺到、82年に難民条約を批准する

【宗教】
日本の神道など、自然を神として崇めるのはアニミズムといい、祭礼や世界観を生み出す一方、生き方や道徳規律を強くは求めない。
世俗化論：経済が発展して科学技術が進歩すれば、宗教の影響力は少なくなっていくという考え。（逆行する事例は多い）

【テロと宗教】
宗教的な主張を掲げる組織や集団によって引き起こされたテロだからと言って、その原因を全て宗���に還元してしまうのは危険であり、そこにいたるまでの歴史的経緯（社会的不条理、列強からの支配など）に目を向けるべきである。
しかし、宗教は政治や経済に利用される嫌いがある
政治→選挙における支持者の確保
経済→ハラル認証など

【温暖化】
1992年に気候変動枠組み条約、97年に京都議定書による温室効果ガスの排出削減目標が示された。（先進国と途上国では差異を設けている）
2001年以降、暗雲が立ち込める。
ブッシュが京都議定書から離脱、オバマがパリ議定書協定成立に関与し持ち直すも、トランプがパリ協定から離脱する。これに乗じて、中国がパリ協定を主導する立場を見せている。
コモンズの悲劇：共有地（コモンズ）を使う牧畜民が全員同じ行動をすれば、草が食べつくされる。全体の不利益に繋がると分かりながらも、その土地が荒れ果てる前にできるだけ家畜を増やし利益を得ようと行動する。

【ジェンダー】
第１派フェミニズム：19世紀末から20世紀末の、中産階級以上の女性が参政権や財産権などの法的権利の獲得を目指した運動
第２派フェミニズム：1950-70の、男性優位社会に対するアファーマテイブ・アクション
ジェンダー視点でグローバル化を見ると、経済発展とグローバル化により、
先進国→途上国への開発：女性による裁縫、加工業とそれを統括する男性
途上国→先進国への労働移民：男性が建設業へ、女性が介護・家事労働業界へ
といった、性別役割分業意識が今でも根強く存在する

東南アジアの伝統社会は、農作業の影響で男女共通の役割が与えられることもあって、女性の経済的地位が高い。インドや日本、韓国（儒教）では、宗教の影響で家長父的な性差が生じていることが多い

【現代日本の政策課題】
社会保障→少子高齢化社会における世代間の公平性
都市再編→大都市圏への流入と空き家増加
労働力減少→労働力人口の減少と賃金の下げ止まり
の３つの課題

【現代日本のグローバル化】
自由貿易→全会一致のGATTやWTOから、特定の国や地域と協定を結ぶ経済連携協定が盛んになる
ＦＤＩ（経営に影響力を持つために外国会社に投資すること）：安い労働力を求めて海外に直接向上を作る動きが高まる
外国人労働者：中国の経済成長を受け、中国人よりもベトナム、ネパール人が多く日本に来ている、単純労働者は受け入れないという政府の方針と異なり、出稼ぎが増えている

【日本の貧困】
相対貧困率：日本の所得の中央値247万円の50%（123.5万円）に満たない人の割合→16%、OECDで６番目に高い
生活保護基準：1.7%
就学が困難な小中学生の保護者に対して教材費や給食費を援助する「就学援助制度」が増加している。

【大学と宗教教育】
戦前の政治と宗教が癒着した国家神道により言論の自由が侵害された過去をもつ日本人にとって、公的機関である大学において宗教を教えるということは、政教分離の観点から議論が避けられきた。
→グローバリゼーションが進む中で、実生活に即した宗教教育が重要になってくる

【クールジャパン】
何故サムライがウケるのか？
→繰り返し読み返され、作者と読者の間における個々の作品のルールを発見する小説とは異なり、作り手と受けての間であらかじめ共有されている受容のルールに沿って制作されているため、効率的な消費が可能となる。輸出コンテンツとして再生産が効く。
また、忠臣蔵のように、自分の人生や命を犠牲にしても大儀を全うする、という世界観は普遍的で受け入れられやすい
自国の伝統文化と外国文化（とりわけ西洋文化）との融合の延長線上に、輸出コンテンツとしての日本文化を置かなければならず、ただ単に伝統文化を輸出するだけではだめである。
日本はＷＷ２後、自身の東洋的自然文化を、自己に内面化された「西洋という他者の立場」を通して見ることで、民主主義国家をコントロールしてきた。→批判は多かったが、これのおかげで、他国の伝統文化をすんなり受け入れることができたし、それを日本文化と融合することができた。

【日本のナショナリズム】
歴史的にみると、日本における愛国的な言説は、他国と比較したときにこそ明確に出現してきたが、日本の何を愛しているのか、は人々の間で意見が異なる。
国家の伝統とみなされるものの多くが、実は近代以降に作られたものであり、それは国家のアイデンティティをさせる産業的なものとして作為的に作られたという主張があり、これに対する反対論もある。

【日本の宗教】
①神道：日本書紀や古事記に基づく神話体系。明治時代にはウニの支援を受け、国家神道として政府の公式イデオロギーとなる。
②仏教：鎮護国家のイデオロギーとして古来から多くの天皇の庇護を受けた。明治期には神仏分離令により、地位が低下。
③儒教（朱子学）：孔子を開祖とし、五常（仁義礼智信）を重視する。江戸時代の幕府の公式学問であり、近代国家日本の形成に尽力した。

【外国人労働者】
労働力不足に悩む政府は、高度外国人人材を受け入れる方針だが、単純労働者には難色を示している。→外国時人人材を必要な業種の中で短期間（2-5年）受け入れる在留資格を作ろうとしている。留学生の資格外活動、制限の無い日系人、技能実習生による単純労働でなんとか賄っている

【多文化社会】
多文化社会で起こる摩擦やすれ違いは、相手のことをよく知らないという素朴な理由から始まる。個人が自分のアイデンティティをどう思っていようと、人にまつわるイメージは、性、人種、国籍、言語などの社会政治的要因に引きずられる。
差別問題に目を向けるときは、必ず多数派と少数派の両方の視点を持たねばならない。具体的には、それぞれの社会の生活の中で、どのような特権があるか他者分析、自己分析を行う必要がある。