紙の本
まさに台風一過な日々だったんだなぁ...と。
2019/10/05 21:28
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
パートナーであるECDこと石田さんが亡くなった後の暮らし。植本一子さんの著作はもれなく読んでいるけれど、いつも息をひそめるように読む。日記スタイルで描かれていることが赤裸々すぎるから、読み手も時に傷つきながら、しかし、真摯な声にじっと耳を傾けるように読む。本作は、不思議と、作家の気分が軽くなったような、まなざしの方向が変わったような気がして少し安心。もしかしたら、一度もあったことのない植本さんのことを大切な友人のように感じていることにふと気が付いた。
紙の本
家族の喪失と新しい出会い
2019/06/07 02:27
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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
ECDさんが植本さんにとって、当たり前だが大きな存在だったんだなと感じた。
個人的に植本さんと上の娘さんとの会話のところが心に残った。
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石田さんが亡くなってからの一年間の日記。少しずつ日常に戻りながら、前に進んでいく過程が丁寧な心の描写とご飯の献立とともに描かれている。鳥の唐揚げという言葉だけで、食べたくなるのはなぜだろう。
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やっぱり、何冊本を読んでみても
植本さんのやっていることには
さっぱり理解も共感も支持もできないのだけれど
もがきながら失敗しながら、新刊が出るたびに
ググッと成長している姿を知るにつけ
もう次の本が楽しみになっているのです。
植本一子の日記には、類稀なる人を惹きつける魅力があるんだよなぁ。。。
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ずっと読み続けていきたい植本一子さんの日記。
前作と違って、今回はなんだかあたたかい気持ちになった。あの前作、石田さんの死を経ての「台風一過」というタイトルがしっくりくる。
終わり方も、とてもいいな。
これからも読みたいから、日記書いていてください。
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図書館にて。
この人の本はずっと出るたびに読んでいるのだけれど、読むたびに考えさせられる。
この本は夫の石田さんが亡くなった直後からの一年の日記だ。
その一年をつづった1冊に「台風一過」という題名を付けるということがそのすべてだなと思う。
台風去っていい天気ってかい…。
夫が亡くなってすぐ遺品をものすごい勢いで処分して、半年ほどで夫と暮らした家に別な男性が暮らすようになり、娘二人と四人の生活、しばらくしてその関係に娘二人がじんわりと傷つくくだり…。
いいとか悪いとか他人が言えることではないけれど、もうやめようよ。
そうしたけれはそうすればいいけれど、世間に公表するのはもういいんじゃないかなと思う。
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初めて読んだ植本一子さんの本。
日記とはいえ、本として出すもので、こんな赤裸々に自分の感情をさらけ出してくれるのかと驚くのと同時に、人のもつれた内面を知ることができて嬉しくなる。私だけじゃないんだなと。
合間合間にある写真が素敵すぎて、この人の他の本も読みたいけれど、写真集も観たいと思った。
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植本一子のこと嫌いなのになんで読むかというとわたしがひとの日記を好きだからなんだが、嫌いすぎてギブアップ。
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最後まで残り20ページくらいだったのに読む手が止まってしまい、長いこと放置していたのをイチから読み直し。今までの作品のように、寝るのも忘れて読んだ!とならなかったのは石田さんが出てこないからだと思う。正直、刺激が足りなくて平凡平和なのだ。なんて言うと闘病している人と家族に対して酷い!と怒られそうだが。
ミツの言う、またヒリヒリしたのが読みたいというのもこれと似た気持ちかな?著者本人のストレスを思えば平和が1番いいんだけどね笑
先日くらしちゃんが小学校卒業したと目にして驚いた。他人の子供の成長は本当に早く感じる。もちろん繊細な部分もあり、我慢してることもあるんだろうけれど、その時の気持ちをちゃんと言葉にして母親に伝えることが出来ているのが良い。2人とも賢くて言葉のチョイスが面白い、彼女たちの成長を見ていけるのがまた楽しみ。
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「石田さんは今、どうしているんだろう」
夫である石田さんが亡くなってからの1年間が書かれた「台風一過」、読まずともタイトルからとんでもないほどに大変な1年を過ごされたんだろうと勝手に想像がつくが、その想像を超えて、良い。
植本さんが書く文章の中で、私がとても好きなのは、石田さんと娘さん2人、そして実母との関係から生み出される文章だ。生々しくて、様々な感情がないまぜになった文章は、本当に心の底から書かれた嘘偽りのない本音の文章だからか、すごく心地良く読める。
「かなわない」から著書が出るたびに読んでいるが、「台風一過」の文章は柔らかく、そしてあたたかく、同一人物が書いたとは思えないほどに安定している。簡単に言うなら母。「かなわない」の時の植本さんは、娘だったよなあ。
特に良いというか、何度でも読みたくなるのは、くらしちゃんと、えんちゃんとのやりとり。子どもの純粋さ、視野の広さ、賢さ、優しさ、脆さなど、このやりとりからたくさんのことを感じ取れる。植本さんとくらしちゃんが、2人でファミレスに行った時のやりとりは、何て言うか、もう言葉も出ないんだけど、でも心に残った。なんか、そうか、そうだよね、そうだそうだって、ただ頷き続けるしかないような。もうそんな感じで。
家族の死は、残された家族にとって何を与えて、何を奪っていくものなんだろうか。今、石田さんはどうしているんだろうか。そんなことを考え続けてしまう。
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2019年刊行。2018年2月から2019年1月までの約1年間の記録が日記形式で書かれている。夫だったECDさんがいなくなった後の時間が、どんなふうに流れていったのか、そんな記録だったと思う。
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“誕生日に自分が何をしていたか、毎年日記に書こうと、昼間六本木を歩いている時に思いついた。そんな風に思えるようになるなんて、ずいぶん成長したなと思う。自分で自分を大事にする、自分の成長を楽しみにする。来年はどんな自分になっているか、誰と一緒にいるのか。未来の自分が楽しみだなんて、これまで一度も思ったことがなかった。”(p.156)
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植本さんの本は後追いだけど、全て読んでいるので当たり前のように購入。
ミツくんという恋人が出来て、自分と同じような状況になったので、余計に共感したりしなかったりしながら熟読。
ユーザロックの「困る前に言ってね」という言葉が強い。困ったらなんでも言ってね、じゃないんだ。どうでもいいけど、携帯にユーザロックと入力して、変換候補にYOU THE ROCK★が出てこないことでなんだか切なくなった。
少しトラブルがあり、子供に携帯持たせるか問題があったが、うちは固定電話があるので乗り越えたなと懐かしくなった。
この人の文章を読んでいると、ハラハラしたり、嬉しくなったり、他人じゃない気がしてくる。不思議だ。
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植本さんの本に頻出するコンコ堂で、サイン本を購入した。
好きとか好きじゃないとか、植本さんの本はシンプルに言い切ることはできないけど、とにかく気持ちを持っていかれる。
植本さんの本に関して確実に言えることは、装丁が素敵。
彼女の本は多分全て持っているけど、どれも装丁がいいと思う。彼女の本を読んで、やはり装丁って重要なんだなと再確認した。
この本は表紙が柔らかい素材で、どんどん手になじんでくる。ずっと触っていたくなる感じ。
それもあってか、読み終わるのがなんだか寂しかった。
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読み始めて20数ページで、結構泣いた。父親、夫を早くに亡くした妻、幼い姉妹。という、使い古されたような泣けるシチュエーションが、一子さんの著書をほぼリアルタイムでこの5.6年の間に読んでいて、本当に起きてしまったんだ、そりゃ、泣いてしまう。
「死にゆく家族」を見続けることの辛さ、しんどさが前作だったら、これは「もう二度と、絶対に会えないという決定的事実による浄化」を感じた。というか、個人的な経験から思った。私も5年前に母を亡くしたときに、似たような心の動きがあったから。
毎日は続くし、葬式や墓の意味の無さに気付くし、それなのに生きている側の拠り所としての何かを求める気持ちにも気づく。
同じように私も、娘も、恋人も、いつかは歳をとって死ぬ。ていうことを、なんでもない時に考えたらり、光が綺麗だったなんてことをさらっと言う感じが淡々と書かれていることに信頼がおけるし、とにかくぐいぐいと読んでしまう。
石田さんがどこかにいるような感じを、信じてる、かんじてる一子さんと姉妹、ミツさん。大仰でないからこそ伝わるというか。たぶん、大切なひとを亡くした人にはわかる感じが、全体を通して読むとスーッと入ってくる。新しい家族のかたち、と帯にあって、その通りだなと思った。ずっと書いていって欲しい。