紙の本
鋭い指摘に考え込んだ!!
2019/07/30 10:22
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
パンデミック騒ぎに名を借りた日本の医療保険制度に対する問題提起小説である。
この小説のような新型インフルエンザ感染の騒ぎになれば、いやでも日本の破綻しかかっている医療社会保険制度を考えざるを得ない。作者はうまいところに目を付けたなと思う。
しかし、高齢者より生産年齢層を優先というのはわかるけれど高齢者だって一人ひとりにすれば、少子化の元を作ってきたわけではない。保険料だって真面目に収めて来た。なんとなく釈然としない作品でもある。
紙の本
予想していた展開でなく・・・
2020/02/19 23:10
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまたま読んだ時期が新型コロナウイルスの感染騒ぎの最中。
それ故、フィクションなのかそうでないのか、錯覚を懐きそうになった。
人為的に送られた菌で起こった疫病で、パンデミックになるのかと思っていたら、まあ無事に終息。
その犯人を探すのかと思いきや、読み終わるとちょっと違う方向に行っていたのに気づき、ちょっとがっかりした。
紙の本
サリエルの命題
2019/06/25 17:03
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投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
政権与党の安定多数を維持すべく、国政選挙の時期を模索。東京オリンピック前に実施する・・・などの出だし。学会の裏話も。そこへ、新型インフルエンザが孤島で発生。島民が全滅の情報。ウイルス研究所が、「象の墓場」のあの会社跡。政界、学会、医療、そして高齢者問題と、表題からは想像もつかない壮大な展開へ。作者の意欲的な姿勢が凄い。ただ、その分、ウイルス拡散の展開がいまひとつに。これらは、読者の主観に委ねるしかない。
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パンデミックを使って日本の健康保険制度についてするどく突っ込む。議論をつかってしつこいぐらいに。あまりに何度も繰り返されるので頭にしっかりと入った。
社会に生産できない老人にあまたのお金を使って「生かす」ことで若い世代に将来の負債を残すことにどう向き合うか。今の政治家たちはそれを認識しているのか。
という社会的な問いかけになっています。
が、一方で終盤から終わり方がなんかすっきりしません。
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新種の強烈なウイルスに対して人類はどう立ち向かうのかという骨太なサスペンスミステリーを期待していた。少なくとも中盤まではそういう展開だったが、後半は少しパワーダウンしたと思う。このサリエルの命題というタイトルが曲者で、特効薬は150万人分しかない。つまり、それをどのように配分するかということだ。後半はその部分の日本の社会福祉政策についての話しが中心で、まるで政治の議論小説のようになっていて事件はそっちのけなのであるが、少子化な上、医療技術が高まり老人は長いして医療費upなら破綻は見えている。
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地元国立大医学部、大学院は東大の笠井。医師不足を予想しで研究者。
論文が認められ留学。突然、帰国の命令。クビを言い渡された。
笠井のインフルの研究がバイオ兵器の開発になると遺伝子界の権威、八重樫から指摘自分の保身と名誉のため。既に研究の現場ではない。推薦した上司は左遷
研究の論文の漏洩事件発生。対抗ワクチンの開発で米国の留学前で雇われる。
権威に疎まれて助教授どまりの引退研究者長野
掲示板コメントで米国研究者と知り合う
サリエルの論文を見て二人は興奮
二人とも上層部から嫌わられ閑職
コダック倒産したロチェスターの研究施設を長野が訪問。サリエルを完成していた
二人とも、病で余命わずか。サリエルを放つ。ワクチンが追いつかない。権力者が奪い合い一般人にはわたらない。その地獄を見ないか。
若手政治家が先輩政治家に議員定年を話すが、有権者が高齢化するのでその法案が成立しない。正論をいう若手政治家とは二度と会わないとことを決意
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小説っていうより架空ドキュメンタリーって感じ。
主要登場人物出すのに100ページも使っちゃって、全然話が進まないし。そもそも人工インフルエンザ、要らないんじゃないか。400ページ全部読めたけど、ちょっと酷い内容。
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2019.8.15.
篠田節子さんの作品を読んだ後、今度こそ満足のいく作品を読みたいと思い、以前から関心のあったこの作品を読んだ。
厚生労働省の直轄機関からCDCに派遣され突然変異のインフルエンザウイルスを研究していた笠井はいきなり政府筋から研究の中止を言い渡される。
秋田県の寒村に生まれ、常にトップクラスの成績を収め東大理科2類に合格し、その後東大の研究室でも前途洋々だった野原は上司八重樫に疎まれ不遇な研究者生活を送ることを余儀なくされ、今は研究者を故郷に帰り一人で暮らしている。生涯独身を貫いたのも八重樫から受けたひどい仕打ちを故とするものだった。
CDCを去る日、笠井は同僚から驚くべき事実を告げられる。笠井が研究していたインフルエンザよ突然変異ウイルス「サリエル」のデータが流出したというのだ。その結果の重大性に笠井は戦慄を覚えるのだが…。
案の定、日本のある孤島でサリエルからくる新型インフルエンザで島民が全滅する。その島は野原の仇敵八重樫の故郷であり、第一罹患者は八重樫だった。まもなくその報はマスコミの知るところとなり、予防薬の投与の優先順位をめぐって丁々発止の議論がなされていく。
あらすじを書いていて設定は本当に面白かったと思うが…この作家さんの常で竜頭蛇尾感をおぼえざるを得ない。
国民皆保険制度の持つ大きな矛盾、そして危機という問題提起はわかるのだが、解決が難しい問題だけにこの作品自体の理解が消化不良で最後テーマがぼやけてしまった。
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新型インフルエンザによるパンデミックがテーマかと思いきや、治療薬投与の優先順位を切り口にした皆国民健康保険がテーマだった。外国人労働者家族にも保証される制度の穴はともかく長寿による崩壊等問題が山積…。政治、マスコミ、そして国民、目をそらさずに向き合わないと我が子の世代が塗炭の苦しみを味わうことに…
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新型インフルエンザのパンデミックの恐怖を描いた社会派サスペンス。こんな事態がいつ起こらないとも限らない、と思えば、これはどんなホラーよりも恐ろしいのかもしれません。
一応医療関係者なので「優先順位」については知っていたのですが。案外と知られていないのかなあ。ただし私は高齢者が後回しなのは「パンデミックの際に感染の機会が少ない」と思っていたのだけれど(出歩く機会が少ないから)。真相はもしやこれなのか……何とも言えないなあ。そりゃあ背に腹は代えられないことではありますけれど。
しかしこれ読むと、オリンピックとか何やってんだ、って気がしなくもありません。たしかに無駄と言えば無駄……。政治家って金の使い方下手すぎるんじゃ。健康保険問題とかは由々しき問題だけれど。もっと他に無駄遣いしているところが多すぎますよね。
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新型インフルエンザのパンデミック小説であるが、健康保険行政のあり方を考えさせられる。
健保組合の運営にも携わってきたので、日本の健康保険制度の充実は素晴らしいと思うが、それだけにどこの健保も運営は綱渡りだ。さらにこの小説にも書かれているように、高額医療を受ける目的で起業し健保に加入すると、本人はもちろん外国の扶養家族も現地で医療を受けられるらしい。外国は米国でも中国でも医療費は高額になるから、最近特に増加している超高額医療を受けられるなら、日本に会社を作っても(昔と違い会社設立も容易だ)十分ペイできる。まして受刑者も医療を受けられるとすれば、癌の発症が確認できたら、日本で犯罪を起こし、実刑となり、そこでの検診で要治療となれば無料で直してくれるらしい。
何時医療難民が押し寄せてきてもおかしくない状況なのでは?
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パンデミック、長寿と医療保険制度、はては外国人労働者や箱物行政…新型インフルエンザによるテロから派生して表面化していく問題の数々。実は良く効く特効薬で無事封じ込めにも成功し、大きな問題提起からの医療費自己負担というわりと普通の解決策…
本当の解決策を社会全体で考えていかねばと思った。子どもたちの為に!
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サスペンスにもっとふったほうが面白かったかもしれない。日本の保健医療制度、ひいては、人口減少に対する問題提起の部分が、逆に、物語の進行を妨げているような気もする。
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単なるパンデミック物で終わらず本質的な社会問題にまで切り込むのは流石。前半は緊張感があったが、後半は社会問題のレクチャー感が強くなりすぎて小説としてはやや盛り上がりに欠けた感は否めない。
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いつの間にか話が医療制度の問題に変わってしまった感じがする。
前半と後半では別の小説かな。
面白い事は面白いけど中途半端ですね。
もったいないです。