紙の本
どう最期を迎えるか
2019/06/21 14:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビでのドキュメントを見た後、書籍が発売されることを知り、発売日に購入しあっという間に読み終わりました。
どのように最期を迎えるかは人それぞれであり、正解はないでしょう。
テレビでは大きな問題もなく安楽死を遂げたようにも感じましたが、実際には様々な問題もあったこと。その中決行できた奇跡に近い導きに驚きもしました。
安楽死という選択をしたことについて、反対の方も多いかもしれません。
読了した今、もし自分がミナさんと同じ状況になった場合、安楽死をしたいか?と問われると、正直分かりません。
ただ、ミナさんがご自身の死を通し、社会に遺していった問題は大きかったと思います。
日本でももう少し議論されていいのではないのか?と思います。
電子書籍
前作同様考えさせられた
2019/06/09 21:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AR - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読んで自分の考えをまとめようとしてもうまくいかない。大きな宿題を与えてくれた本です。
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投稿者:Humpty - この投稿者のレビュー一覧を見る
さまざまな安楽死を希望する人の発言、価値観が多く書かれているので、いろいろな視点から考えるきっかけになった。
安楽死を法制化するかどうかはとても難しい問題だと思う。安楽死を認めるための4条件が満たされているかの判断は医師らの裁量次第で絶対的なものではない。患者が生きる意味から目を背け、安楽死を希望している可能性もある。
私は「死」を生きることから「逃げる」手段にしてほしくない…ネガティブな感情をもとに決めるものであってはいけないと思う。難病患者が抱える苦痛は私の想像をはるかに超えるものだろうと思うので認めたい気持ちはあるが、間違った選択をしてほしくない。
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すごく考えさせられた
2019/09/24 02:26
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投稿者:鼻から牛乳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きるもの全てに訪れる死、ただ死に方は人それぞれで、私は失礼ながらも彼女と同じ病だと私ならどうするだろうと、何度も考えた、でも答えは安易に出せるものではない、というか出せなかった、日々進行する病にここまで、強く生きれるだろうか、いろんなことを考えさせられました。
何より最後まで支えてくれた姉妹の存在はすごく大きい、
NHKスペシャルも何度も観ました。尊厳というものの存在がいかに大切で個人の権利を尊重する、ただ、その個人の尊厳を受け入れる側の法やいろんなことがこれからもっと真剣に国が話さなければいけない時期ではないのかと、思いました。
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安楽死と尊厳死の違いなどはっきりしてなかったことが良くわかると共に考えさせられることも多かった.実際自分だったらどうするだろうと思いながら読み進んだ.日本も法律が変わらない限り選択肢が限られるが,生きる権利が大切なら死ぬ権利も大切なので,この本がもっと読まれて欲しいと思った.
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NHKスペシャルの番組を観て、なぜ彼女が安楽死(自殺幇助)を選んだのか知りたくて手に取った。
不治の病いを患って「もう50年も生きたから、まぁいいか」とのことだったけど、私だったら「まぁいいか」とはまだ思えない。
どう死ぬかを考えることは、どう生きるかを考えること。
自分の生き方について考えさせられた。
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送り主は、神経の難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前に死を遂げたいと切望する。彼女は、筆者が前作『安楽死を遂げた日本人』で取材したスイスの安楽死団体への入会を望んでいた。実際に彼女に面会すると、こう言われた。「死にたくても死ねない私にとって、安楽死は“お守り"のようなものです。
安楽死は私に残された最後の希望の光です」
彼女は家族から愛され、病床にあっても読書やブログ執筆をしながら、充実した一日を過ごしていた。その姿を見聞きし、筆者は思い悩む。〈あの笑顔とユーモア、そして知性があれば、絶望から抜け出せるのではないか〉
日本で安楽死は認められていない。日本人がそれを実現するには、スイスに向かうしかない。それにはお金も時間もかかる。四肢の自由もきかない。ハードルはあまりに高かった。しかし、彼女の強い思いは、海を越え、人々を動かしていった――。
患者、家族、そして筆者の葛藤までをありのままに描き、日本人の死生観を揺さぶる渾身ドキュメント。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」(6月2日放送)も、この女性を特集しました。同番組には、筆者が取材コーディネーターとして関わっています。【目次】
第一章 我が運命の支配者 第二章 孤独と歩む
第三章 幸運を祈ります 第四章 焦りと混乱
第五章 最高の別れ 第六章 家族を取り戻した男
第七章 遺灰
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本を読み始めた時から、死に関するテーマは強い関心を持っていた。自分の本棚には「法医学」「ホスピス」「エンジェルフライト」「救命医療」「災害死」といったテーマの本が並んでいる。
今回の本については、「NHKスペシャル 彼女は安楽死を選んだ」を見て衝撃を受け、もっと知りたいと思い手に取ったものである。
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20190602
本書にある丹念な取材と率直な描写により、テレビでは見えなかった当事者の葛藤、死生観、動機などを知ることができた。自分のなかでより深く考えることができるようになったのは間違いない。
末期がんに侵された場合、自分は安楽死ではなく尊厳死、もしくはセデーションを選ぶだろうな、と思う。苦痛を和らげ寿命に身を任すのは、自分、家族、関係者ともに納得感が一番高い逝き方だろうと考えるからだ。
自分は最後をどのように迎えるか? 選択するうえで欠かせない。本読みを趣味としてよかったと再確認できる一冊。
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読み進めながら、この本に出てくる小島ミナさんのこと、知っているような気がしていた。NHKの番組を観たことがあるんだと思う。
たまたまついていたのを、引きこまれて観た記憶がある。
安楽死、尊厳死、セデーション、私はどれもちゃんとわかっていなかった。そして筆者が書くように、本の中で色々な人が言うように、日本では「死」について議論があまりなされていない。
自分が同じような状況になったときに同じ選択をするかはわからない。
けど、選択肢があることでそれが光になる人もいるし、簡単には決められない問題なのだろうなぁ。
とここまで感想を書いたものの、モヤモヤまとまらないので追記。
幡野さんの言うように、患者の気持ち優先という気持ちもわからなくはない。でも筆者の言うように、残された家族側の気持ちも完全に無視していいものだとは思わない。
自分が患者の立場だったら……自分が家族の立場だったら……といろいろ考えたけど、結局こう言うことを自分だけで考えて終えてしまうからダメなのかな。会話にしにくいけど、私はこうしてほしいと伝えておくのも大事だし、家族がどうされたいのか聞いておくのも大事だなぁ。あと、自分の希望を伝えた後、それについてどう思うか聞くのも大事なのかもしれない。こういうことを含めて、日本は話し合う機会が少ないんだと思う(海外事情は知らないけども)
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前作でスイスの自殺幇助団体ライフサークルを舞台に安楽死の現場を徹底的に取材した著者は、身体の機能が次第に喪失するという難病を抱えた一人の日本人女性から連絡をもらう。本書は彼女が様々な障壁を乗り越えて、遠いスイスの地でライフサークルによる安楽死を遂げるまでを取材した続編である。
難病を抱えて姉と妹に介助され、数度の自殺未遂を経て彼女が行き着いたのは遠い異国の地の自殺補助団体、ライフサークルである。治る見込みのない難病などから安楽死を希望する患者は、ライフサークルのような団体による安楽死の計画が決まることでかえって心身の安定を得ることがあるという。本書で描かれる女性もそうであり、”いつでも安心して死ねる”という選択肢を持つということが、あたかも金融におけるリアル・オプションのように、患者の不安を軽減するというのは、このような話を聞くまで、全く知り得ない世界であった。
件の女性は介助してくれた姉たちに看取られ、静かにスイスにて息を引き取る。本書に収められた写真からも、その安らかさが痛切なまでに伝わってくる。
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前著から、さらに深みを増した取材。労作である。このやうな著作にはなかなか出会えるものではない。
日本人の例をいくつか取り上げながら、色々考えさせられたし、小島さんの例は心をかき乱された。 nhk スペシャルを見ていたことも大きいが。たしかにもっと死について、死にかたについて、話しておく必要がある。
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読み始めてから本書は実は二作目で、前著があることを知ったけど、読んでなくても違和感なく読める。安楽死を望み、実際に遂げた人と遂げなかった人のそれぞれの人生に迫るノンフィクションだけど、実際に誰が遂げたのかは読み進めたらわかるようにしてある構成が良い。「安らかで楽な死」は安楽死だけではなく緩和ケアでも実践できる、という意外と知られていない事実はもっと知れ渡ってほしい。全体的に大変面白いが、人の死の現場にまで立ち入りながら自分の手を絶対汚したがらない印象を受ける、取材の姿勢については何となく微妙な引っ掛かりが
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日本ではあまり議論されていない死の選択について、とても丁寧に取材されたノンフィクション。
欧米各国では安楽死を認める法律が制定されている国も多い。この本では、日本人が持つ死生観と欧米のそれとの違いを扱いつつ、日本における死のあり方をもっと議論するべきだと主張しているように感じた。
実際に、安楽死を選び実現した日本人の方がどのようにそこにたどり着いたかと同時に、たどり着けなかった、最終的に選ばなかった方が何を思ったかも描かれている。
死の選択は個人に委ねられている部分は多分にあるものの、関わる家族や医療関係者とも、意思を分かちあう必要がある。
近しい人が、自分が、近い将来命が終わることを知った時、一体どうすることが一番幸せなのか、自分の願いではなくその人の意思を尊重できるのか。その瞬間になるとおそらく冷静な頭では考えられない。多分本当は日頃から自分はどう生きたいのか、死ぬ時にどうありたいのかを考える機会が、もっと頻繁にあると良いのだろうなと思う。
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前作の日本人の実例。
本人の意志、周りの理解つまりそれだけの信頼と理由がないとわざわざ外国まで行って行うのは難しい。
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宮下氏の安楽死に関しての第2作。今回は新潟に住んでいた多系統萎縮症の女性を軸に話が進む。40代になって多系統萎縮症という次第に全身が動かなくなる神経難病に侵された小島さん。彼女は外国人の自殺幇助を受け入れるスイスに行き、前回の宮下の著作で紹介されたフライシック医師のもとに安楽死(スイスの法律的には自殺幇助)を求めに行く。彼女には2人の姉と1人の妹がおり、当然彼女たちは最初は反対する。が、本人が2回の自殺企図をした後、次第に本人の希望を受け入れていく。その葛藤を丹念に書いたこの著作を通じて日本でも安楽死論がきちんとできると良いと感じる。相変わらず著者は日本人には向かないというスタンスで、その点で私は非常に落胆する部分はあるのだが。
尚、小島さんの死はNHKが取材しており、本書を読むなら番組もオンデマンドで診るべきと思う。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009051076_00000