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商品説明
臨床現場で遭遇するであろう、さまざまな援助希求能力の乏しい人々や、それゆえに支援者を悩ませ、苛立たせる人々をとりあげ、その理解や対応のヒントを示す。『こころの科学』202号掲載を増補し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
依存症、自傷・自殺等、多様な当事者の心理をどう理解し関わるか。大好評を博した『こころの科学』特別企画に新稿を加え書籍化。【商品解説】
目次
- 1 助けを求められない心理
- 2 子どもとかかわる現場から
- 3 医療の現場から
著者紹介
松本俊彦
- 略歴
- 〈松本俊彦〉佐賀医科大学卒業。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長、同病院薬物依存症センターセンター長。著書に「薬物依存の理解と援助」「自傷行為の理解と援助」など。
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紙の本
本書に出てきた人たちに、誰かの「助けて」を受け止めるにはどうすればいいのか、聞いてみたい
2021/09/14 14:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gami - この投稿者のレビュー一覧を見る
私自身が「助けて」が言えなくて難儀しているので、何かの力になればと思い購読。内容的には対人支援職の方向けだが、本職の方々に求められる対応は、実は本来は一般社会に必要だと感じられること、新書のような文体であることから、興味がある人は挑戦してほしい。
個別の事例を読み進めるにつれ、「助けて」を言えなくさせる理由の多くは、制度の問題だけでなく、確実に日常生活で相互行為を行う私たち社会側の態度や余裕のなさの問題でもあり、それらが複雑に絡みあっているからだと思えた。
と、ここまで書いて、じゃあ一般社会で「助けて」を受け止められるようにするにはどうすればいいんだろうか。
助ける側と助けられる側は常に対等な関係性ではいられず、多くの人々は、様々な偏見や無知・無力さから「助けて」と言う人の手を振り払ってしまう。だから助ける側も、相手の困難を受け止められる余裕(能力・経済力)が持てたり、より力のある制度や組織を知って繋げらるようになったり、非審判的な態度や「ただ聴く」態度や正しい知識等の教育を理解したり、あるいは相性を見極めらたりして初めて助けられるようになるができるが、今の社会でそれをどこまで求められるだろうか。
私たちがつい「自己責任」と言ってしまいたくなるのも、社会と制度にも力がなく、現状できる一番の最善策と考えうるものであり、かつ自分たちもそれをやってきたから今日まで生きてこれた、と考えうるからである。しかし本書を読むにつれ、私は日常から公助が機能しているから共助や自助が可能になる、と思えてならない。以前、菅総理大臣(2021年現在)は「まずは自分でやってみる。そして、地域や家族がお互いに助け合う。そのうえで政府がセーフティーネットでお守りします」と政治理念を打ち出したが、本当は違うと思う。そして以前から一国の在り方がこの状態なので、本当に解決しようとしたら政治レベルで考えなければならない
このように公助が機能せず、共助も力が及ばない中で「助けて」を言われても、他者の困りごとや能力は出血のように目に見えないし、そのようになってしまった背景や関係性も実感しにくい。だから「鶏が先か、卵が先か(誰かに自分を助けてもらうか、自分で自分を助けるか)」の、誰かを追い詰める論議が始まってしまうのだ。
本書のレビューとは大きくかけ離れてしまったが、こんなことを書いたのも、本書に出てきた人たちに、私たちが日常生活において、誰かの「助けて」を受け止められるようにはどうすればいいのかを聞いてみたくなったからだ。そういうことを期待してしまうくらい、この本は現実的な視点と理念で語りながら、「助けて」を言えない人たちと、彼らを受け止めようとする人たちに対する視点が、どこか血の通った温かな調子を感じさせた。
紙の本
依存症の本かと思いました。
2020/12/30 11:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さたはけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著書のアルコール依存症関係の本を読んでいたので、依存症中心の本かと思いました。
しかし、いじめ、虐待、認知症、性被害などの様々な立場の方でSOSが出せない方の支援方法など、医師だけでなく様々な立場の方がコメントされていたので、依存症だけでない支援についても参考となりました。