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- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/07/19
- 出版社: 朝日新聞出版
- サイズ:19cm/445p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-02-251621-3
読割 50
紙の本
バタフライ 17歳のシリア難民少女がリオ五輪で泳ぐまで
著者 ユスラ・マルディニ (著),ジョジー・ルブロンド (著),土屋 京子 (訳)
シリア出身の競泳選手、ユスラ・マルディニ。内戦の続く祖国を逃れ、ヨーロッパへ渡って難民となり、ドイツに受け入れられ、難民アスリートとしてリオデジャネイロ・オリンピックに出...
バタフライ 17歳のシリア難民少女がリオ五輪で泳ぐまで
バタフライ 17歳のシリア難民少女がリオ五輪で泳ぐまで
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商品説明
シリア出身の競泳選手、ユスラ・マルディニ。内戦の続く祖国を逃れ、ヨーロッパへ渡って難民となり、ドイツに受け入れられ、難民アスリートとしてリオデジャネイロ・オリンピックに出場するまでの道のりを綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
2014年、政情が悪化し、爆撃が日常となっていくシリア。水泳選手で17歳の少女ユスラは姉のサラと出国を決意。エーゲ海を渡り、いくつかの国境を越えベルリンに着くまで命がけの3週間、またリオオリンピック出場を果たすまでの、感動の実話。【本の内容】
著者紹介
ユスラ・マルディニ
- 略歴
- 〈ユスラ・マルディニ〉1998年生まれ。シリア出身。競泳選手。2016年リオデジャネイロ・オリンピックの難民選手団の一員として競泳バタフライ100mに出場した。
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紙の本
難民問題に難民の視点から迫るノンフィクションの大作
2021/02/26 17:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年リオデジャネイロ五輪に難民五輪選手団の一員として参加したシリアの競泳選手ユスラ・マルディ二さんが、シリア内戦から逃れるためにトルコ、ギリシャを経てドイツまでたどり着くまでと、リオデジャネイロ五輪に参加するに至る経緯を自らつづったノンフィクション。
今日ではかなり危険な状況のシリアの首都ダマスカスですが、内戦が激化するまでは普通の暮らしが営まれる状況でした。次第にきな臭い情勢となり、ついに生活圏に戦車や軍隊が入り込み、ユスラさんの通うスイミングクラブにも不発弾が落ちる状況に至り、国外へ逃れる決心をします。
ユスラさんが辿ったのは、トルコ、ギリシャ、マケドニア、セルビア、ハンガリー、オーストリア、ドイツと至る「バルカンルート」でした。イスタンブールからギリシャ領レスボス島へはわずか数m足らずのゴムボートでエーゲ海を渡り、途中でボートの船外機の故障のためにボートから海へ降りて泳ぎながらたどり着く程の際どい状況をくぐりぬけ、ギリシャ以降は自らの命運を掛けるには信頼するのも疑わしい密入国を斡旋するブローカーを頼りにドイツを目指します。国境警備の厳しいハンガリーでは留置場に留め置かれる状況まで経験されました。
ドイツでようやく安寧の環境を得、難民五輪選手団の候補となった際には、「参加標準記録をクリアしていない自分が”難民”という理由で五輪に参加する意味があるのか」と苦悩しますが、自らの記録よりも難民への世界の理解を深めるためにも参加を決断し、のちにオバマ大統領との接見も果たされました。
EUに流入する難民のニュースは日本でも目にしますが、その大部分は難民を受け入れる側からの視点が多く、本書のように難民当事者から見た状況はなかなか知ることができません。
「難民のだれもが自ら好んで祖国を逃れたのでもなく、好きで難民になったわけでもない」と本書では何度も書かれています。本書でも触れていますが、ユスラさんは”幸運にも”ドイツまでたどり着けましたが、多くの難民がエーゲ海で遭難したり、ドイツに至る途中でお金が尽きてその地にとどまることを強いられています。
難民と一言で言っても、様々な状況がありますが、少なくともEUにおける難民の状況を知る手掛かりとなる貴重な記録であるからこそ、少しでも多くの人に読んでもらいたいノンフィクションです。400ページを超える大著ですが、次々と展開する状況に引き込まれ、一気に読み通しました。
紙の本
なりたくて難民になった人はいない
2019/11/19 20:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
「17才のシリア難民少女がリオ五輪で泳ぐまで」という副題のとおり、実話である。
アラブの春、内戦、ボートで出国、難民呼ばれドイツを目指し、水泳選手としてオリンピックに出場するまでの、壮絶で過酷な本人の手記なのだが、若さゆえかそれほど悲壮感漂うものでないので、どんどん引き込まれる。もちろん訳者の手腕もあると思う。彼女は英語の読み書きができたので、この手記は英語で書かれた。
自己実現のためでなく、世界各国の「難民」と呼ばれる人々の声を届けるためにオリンピックに出ることを決めた彼女のメッセージが届きますように。