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紙の本
隠された奴隷制 (集英社新書)
著者 植村 邦彦 (著)
「自由」に働く私たちがなぜ「奴隷」なのか? ロック、モンテスキュー、ルソー…。近代350年を辿り、マルクスが遺した「隠された奴隷制」という謎のキーワードで資本主義を読みと...
隠された奴隷制 (集英社新書)
隠された奴隷制
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商品説明
「自由」に働く私たちがなぜ「奴隷」なのか? ロック、モンテスキュー、ルソー…。近代350年を辿り、マルクスが遺した「隠された奴隷制」という謎のキーワードで資本主義を読みとく。シンポジウムでの報告を基に新書化。【「TRC MARC」の商品解説】
◇「自由」に働く私たちは、なぜ「奴隷」にすぎないのか?
マルクスの『資本論』には「隠された奴隷制」というキーワードが登場する。
一般に奴隷制と言えば、新大陸発見後にアフリカから連れて来られた黒人奴隷が想起され、すでに制度としては消滅している。
しかし著者によれば、「自由」に契約を交わす、現代の私たち労働者も同じく「奴隷」であるという。
その奴隷制はいかに「隠された」のか。格差社会はじめ諸矛盾が解決されることなく続く資本主義にオルタナティブはあるのか。
マルクス研究の大家である著者がロックから現在に至る「奴隷の思想史」350年間を辿り、資本主義の正体を明らかにする。
【目次】
第一章 奴隷制と自由──啓蒙思想
1.ロックと植民地経営
2.モンテスキューと黒人奴隷制
3.ルソーのモンテスキュー批判
4.ヴォルテールの奴隷制批判
第二章 奴隷労働の経済学──アダム・スミス
1.奴隷貿易の自由化
2.スミスとヴォルテール
3.奴隷労働の費用対効果
4.「労働貧民」としての「自由な」労働者
第三章 奴隷制と正義──ヘーゲル
1.ヘーゲルとハイチ
2.自己解放の絶対的権利
3.奴隷解放への期待と幻滅
4.労働者階級の貧困と「不正」
第四章 隠された奴隷制──マルクス
1.直接的奴隷制と間接的奴隷制
2.ブレイとマルクス
3.マルクスとアメリカ南北戦争
4.強制労働と「自由な自己決定」
5.「いわゆる本源的蓄積」論の意味
第五章 新しいヴェール──新自由主義
1.新自由主義的反革命
2.「自立」と「自己責任」
3.「人的資本」
4.「自己啓発」
5.「強制された自発性」
第六章 奴隷制から逃れるために
1.資本主義と奴隷制──ポメランツ
2.マルーンとゾミア──スコット
3.負債と奴隷制──グレーバー
4.資本主義の終焉を生きる
終章 私たちには自らを解放する絶対的な権利がある
【本の内容】
著者紹介
植村 邦彦
- 略歴
- 植村 邦彦(うえむら・くにひこ)
1952年愛知県生まれ。一橋大学大学院博士課程修了(社会学博士)。関西大学経済学部教授。専門は社会思想史。
主な著作に『マルクスを読む』『「近代」を支える思想 市民社会・世界史・ナショナリズム』『マルクスのアクチュアリティ マルクスを再読する意味』
『市民社会とは何か』『ローザの子供たち、あるいは資本主義の不可能性 世界システムの思想史』など。
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奴隷
2019/09/17 19:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
奴隷だと思うかどうかは、自分の考え方の問題がある場合もあるけ出れど、制度としてあるのは、可哀そうだなと思いました。
紙の本
興味深く
2020/10/20 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
350年間の奴隷の思想史を辿り、資本主義の正体を解き明かす。人間社会では格差や差別、権力と支配関係などは断ち切ることができないことであり、解決も難しいことなのだろう。興味深く読ませてもらう一冊だった。
紙の本
ヴェールに隠された向こうにあるもの
2019/11/10 19:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wordandheart - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の「隠された奴隷制」というタイトルは、マルクスの『資本論』の「ヨーロッパにおける賃金労働者の隠された奴隷制は、新世界での文句なしの奴隷制を踏み台として必要としたのである」という文章に由来している。「隠された奴隷制」とは、黒人奴隷の「むき出しの奴隷制」に対して賃労働で働く「自由な労働」を指している。マルクスが何故に自由人の賃金労働を「隠された奴隷制」と呼んだのか。著者は啓蒙思想からアダム・スミス、ヘーゲル、マルクスを経て、新自由主義まで、この「隠された奴隷制」という言葉の謎を解くために奴隷制の思想史を丹念に追っている。
アダム・スミスもヘーゲルも資本主義経済が発展する中で、今でいうところのワーキングプアやマイナス成長や経済格差といった問題の多くを知っていた。知っていたにも関わらず、「自由な労働」に基づくものであるからと黙認をしている。これに対してマルクスは「自由な労働」を「隠された奴隷制」として批判した。「自由な労働」が「公正」であること、その”「公正/不正」という判断そのものが「自然的」なものではなく、歴史的・社会的に制約されたもの”であること、これこそがヴェールに隠された秘密なのである。
終章で著者は、ヘーゲル、マルクスに倣って私たちにも自らを解放する絶対的な権利がある。しかしそのためには自らが闘わなければならないと言っている。”私たちが自分の時間の主人公になること、「自由な時間」を手に入れることができるようになること”こそが大切だと締めくくっている。
マルクスの考えていたことは私たちから決して遠くない。確かに一つ一つの論理は難しいところもあるが、マルクスが考えたこと、マルクス後のことを丁寧に書いている。ミステリー・ストーリーのようにも読める本だ。
紙の本
必読の書!(賃金労働者=奴隷)
2023/09/29 22:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:匿名 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新自由主義が徹底的に推し進められてた現代の日本を生きるのであれば、本書は必ず読んでおかなければならない。これを読まずに現代を生きるのは、すなわち、サンダル一つで南極大陸の探索に出向くようなものだ。
大変素晴らしい名著を世に送り出して頂き、ありがとうございます。感謝してもしきれません。
本書で紹介されている「負債論 貨幣と暴力の5000年、ジェームズ・C・スコット (著)」「ゾミア―― 脱国家の世界史、デヴィッド・グレーバー (著)」も読んでみようと思いました!