紙の本
ヒトラーの入門書
2021/01/16 07:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトラーはナチス迫害が有名だが、源泉徴収も聖火リレーもヒトラーが実用化したとは知らなかった。
ワイマール憲法の下でなぜ独裁者が生まれたのか
世界が分断化されちる時代だからこそ、見直すべき問題だと思う。
今回は入門編だが、まだ資料はたっぷりあるそうなので次を期待したい
電子書籍
舛添さんが言う?
2019/12/05 19:44
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムータ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトラーの正体というよりはナチスの概要が中心。
簡潔にまとめられていてその点では読みやすい。しかし、ナチスを批判する中で官僚達が私服を肥やしていたことを挙げていたが気になる。何せ、著者が都知事だった頃のスキャンダルやその言い訳はよく覚えていますからね。
投稿元:
レビューを見る
ミュンヘンで下宿屋の親父さんが、ナチス政権時代の写真を見せながら、私に「ヒトラー時代が一番良かった」と語った
ワイマール共和国の2大州は、ベルリンがある北のプロイセンとミュン(プロテスタント)へのある南のバイエルン(カトリック)
1933 全議席の1/3しか得ていないナチスが、大統領の任命により合法的に政権に就いた
ワイマール憲法の問題点
第48条 州が、国の憲法もしくは国の法律によって負っている義務を果たさないときには、大統領は武力を用いてその州にそれを果たすよう促すことができる
1933/1/30 ヒトラー内閣成立
2/27 ベルリンの国会議事堂炎上 犯人として現場にいたオランダ人共産主義者が逮捕される ヒトラーはこれを共産主義者による国家転覆の企みとして弾劾
ヒャルマル・シャハトを中央銀行総裁に呼び戻した
ヒトラーが政権について
失業者を減らした アウトバーン建設 できるだけ機械を使わずに、人力とした
企業には減税を行い景気を刺激
女性は家庭を守るものとして家庭外の仕事から追放 これも失業率を減らす 労働奉仕団 6ヶ月の無償奉仕
公共事業で直接雇用を創出、減税などで企業活動を活性化し新たな雇用を生み出す、女性や若者を労働市場から締め出すという3つのやり方で失業者を減らした
財形貯蓄 旅行衝立 源泉徴収
21世紀の今もナチスが原型の源泉徴収が完全な形で残っているのは日本だけ
1938 帝国水晶の夜 ユダヤ系の商店、事業所、企業が襲撃され、放火、破壊された
われわれは、われわれの罪を背負ってくれる人よりも、われわれの責任の肩代わりをしてくれる人を、もっと救世主と考える。もし、決断するかわりに、ただ服従し、義務をするだけでいいのなら、それを一種の救いと感じるであろう
言葉がすべてである時代は、危険な時代である
投稿元:
レビューを見る
毎日新聞2019年今年の1冊に掲載されていた1冊。
以前に読んだものを補完する形で読み進めたが、内容はそれほど深くはなかったというのが正直な感想である。
まあでも、ヒトラーに関して読む最初の1冊としては適しているのではないかなと。
投稿元:
レビューを見る
結構面白かった!
あくまでも民主的で合法的に独裁体制を築いたヒトラー
そこには、大衆へのプロパガンダも、それから自国を優先する英仏の都合もものすごく影響してたんだな..
後半の「大衆の心理」についてもっと深く知りたい
投稿元:
レビューを見る
ヒトラーについてまとめて述べた本を読んだのは初めて。
当時のドイツを取り巻く情勢、ヒトラーの手腕。
有能な政治家であった一面も描かれ、もちろん新書という薄い入門書にまとめてあるからもあろうが、読みやすくて興味深かった。
なんでこの時期にと思ったんだが、米大統領の一国主義、世界を席巻するポピュリズムなどが当時の状況に似てると主張する。
だが、当時といろんなことが違うだろうし、難民問題も質や量が違う。特定外国人への批判を、安易にヘイトと言い切ってしまう、それも、そういう主張があまり効果的でなく挿入されてるのが興ざめ。
政治家だしな。
投稿元:
レビューを見る
ナチズムの総統として君臨したヒトラーについて、政治学者の立場から考察されている一冊。
一般に広く伝えたいという著者の意志が読みやすさから感じられました。
客観的且つ冷静にヒトラーを見据えることで、感情論で隠されている本質が見えるようになります。
ヒトラーは扇動家と言われていますが、その所以は彼が大衆感情がどんなものかを観察により究めた結果なのだと思います。
簡潔な表現で纏められた新書ですが、深く考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
色々と問題を起こした著者なので、毛嫌いしている人にとってはちょっと手が出しにくいかもしれないが、一般大衆向けにヒトラーやナチズムについてわかりやすく説明されている新書らしい一冊で入門書としては最適。単なる歴史事象としてだけではなく、昨今の反グローバリズムを理解する上でも有益であると思う。
投稿元:
レビューを見る
ちらほらと、ナチ台頭の頃と現在のポピュリズムとの類似性を指摘し、ポピュリズムの代表としてトランプを挙げて警句的なことを書いているのが鬱陶しいが、内容的にはこのコンパクトな中でヒトラーとナチスドイツについて分かりやすく(読みやすく)よくまとめられていると思う。
投稿元:
レビューを見る
ヒトラーとは異端ではなく、時代を象徴し国民によって政党に選ばれたリーダーだったのです。その政治手法は小泉元首相・トランプ大統領によく似ているような気がしました。そういった意味では、一見平和に見える現代にも一抹の危うさがあるのかもしれません。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2020/11/blog-post_25.html
Amazon↓
https://amzn.to/371LDnq
投稿元:
レビューを見る
よくまとまっている。
ヒトラーがなぜ大衆の心をつかみ、独裁的な力を持つように至ったがよく説明されている。
現在、世界で拡大しているポピュリズムと独裁者の危険性を改めて痛感したし、トランプとヒトラーの言っていることがほとんど同じと言うことも確かにその通りだと思った。
投稿元:
レビューを見る
ヒトラーについてまとまったものを初めて読んだ。
ヒトラーがとりたてて特殊な環境から生まれたものではなく、ナチスが民主的な手続きで政権を握ったことを知った。オーストリアの合併が歓迎されていたというのも驚きだ。特定の人たちを排除しようとする点で現代に通じる部分があるのは、その通りだと思う。
投稿元:
レビューを見る
舛添さんは都知事以前に学者だったが、ヒトラーをテーマにヨーロッパ留学をしていたとは知らなかった。さんざん書かれてきたテーマなので、他の本でも書かれていることのほか、今のポピュリズムや選挙制度、連立政権など分析していて読みやすい。タイトルも今さら「ヒトラーの正体」ではなく現代に繋がるキャッチーなものにすればよかったのに。とにかく一読の価値がある。
20世紀、当時世界で最も民主的と言われた憲法をもっていたドイツ(ワイマール共和国)でなぜヒトラーが生まれたか?ヒトラーは民主的な選挙で躍進し、憲法に則って首相に任命された。ポピュリズムが跋扈する今、ヒトラーを研究することは今日的な課題であると著者は言う。
舛添さんは大学で政治学、ヨーロッパ外交史を学んだあとフランス、スイス、ドイツに留学。ヒトラーを研究。1977年にはルール大学、マールブルク大学に招かれて研究成果の講義も行う。1980年にはアメリカ議会に招かれてミュンヘンに数か月滞在し、研究していたらしい。
ヒトラーはオーストリア・ハンガリー帝国の国籍だったが、大ドイツ主義(ドイツ民族は国境を越えて団結すべき)の信念を持っていてドイツ人であることを誇りにしていた。ドイツがオーストリアを併合した時、オーストリア国民は歓喜の大歓迎。舛添氏の留学中にも、「ヒトラー時代が一番よかった」という老人はいた。ヒトラーがドイツ国籍を得たのは、首相になる1年前の1932年。それまではドイツ国籍がないまま党首として活躍していた。ヒトラーはもともと当時王国だったバイエルンで軍隊に志願し1914年に第一次世界大戦に出征。その後革命が起き、バイエルン王国はなくなる。雑務をしたり、逮捕されたりしながら、教育将校となり、民衆を教育する役割を担う。政党の調査の任務で極右反ユダヤのドイツ労働者党という小党を担当し、その思想に感銘を受け、党員になり、やがて党を牛耳る。1920年2月24日、ミュンヘンのホーフブロイハウスで2,000人の聴衆を前に「25カ条の綱領」を発表。ヴェルサイユ条約によって削られた領土の回復、大ドイツの復活(ドイツ人の血をひくものがドイツ人と定義し、ユダヤ人から公民権をはく奪する内容)、財閥の国有化、小企業の保護、貧困家庭の教育費国庫負担、幼年労働の禁止など中間層に訴える内容もあるが、徴兵制や再軍備なども盛り込まれる。
ナチスとは敵陣営が侮蔑して呼んだもので「ナチオナールゾチアリスティッシュ Nationalsozialistiche 国家社会主義)を短縮して「Nazis」
当時は街頭活動などで思想的に対立する政治集団と暴力沙汰になることが多く、ガードマンとして武装集団を作り、ヒトラーユーゲントも組織された。
当時、ワイマール共和国は完全な普通選挙(男女とも)、比例代表制。しかし、小党分裂による政治の不安定化がヒトラーを招いたという反省から現在は5%条項(得票率が5%未満の政党には議席を与えない)がある。ワイマール憲法ではドイツ語以外のことばを話す少数派の権利も守られ、貴族の称号や勲章の授与は禁止、全てのドイツ人が法の前に平等。
【戦後フラストレーションの利用】第一次大戦中に革命がおこり、社会主義者が帝国を倒して発足したのがワイマール共和国。ヒンデン���ルクは勝てるはずの戦争に革命などしているから負けたと主張。革命の指導者はユダヤ人だったため、ユダヤ人のせいで戦争に負けたとヒトラーは考えるようになる。
火事や外交官殺人など暴力は必ず揚げ足取りの格好の材料になる。
第一次世界大戦の賠償金はドイツが払いやすいよう、8億金マルクの借款を与えて経済振興を図り、次第に返却額を増やす方法をとった。インフレが起こったが1924年には終息し、いったん社会は小康状態となりナチの議席が伸び悩むようになったが、1929年10月24日に世界大恐慌を迎える。アメリカ資本が撤退し、失業者が増える状況下で、大衆の不満に火をつけるデマゴーグが得意なヒトラーが勢いづく。
【ワイマール憲法の問題点】
①第48条 大統領の緊急命令
緊急時には公共の安定と秩序のために、個人の自由や住居の不可侵、通信の秘密などは全部もしくは一部分失効する。
②政党が政府をつくらない。諸政党は選挙結果に基づいて政府をつくらなければならないが、連立政権をつくるより、独自色を出すことを優先し、第一政党でありながら政権に加わらず、大統領内閣となってしまう。
日本は1931年9月18日に柳条湖事件(満州事変)を起こし、国際連盟から侵略と認定され、1933年3月に国際連盟を脱退する。日本は常任理事国だった。この時ヒトラーも国際連盟脱退のチャンスを狙っていた。
日本の政治家中野正剛はヒトラーに心酔。自身も「木戸銭を払っても演説を聞きたい」と言われるほど演説がうまかった。
今日の「権利を享受しながら義務を果たさない」「特権を持っている」などと難民や特定の民族に対してつかわれるヘイトクレイムはヒトラーの主張によく似ている。
【わが闘争下巻第6章】
「演説は書物より影響が大きい。全ての力強い世界的革新の出来事は書かれたものによってでなく、語られた言葉によって招来されるものだ。」「同じ講演、同じ演説者、同じ演題でも午前10時と午後、晩ではその効果はまったく異なる。朝や午後では全く盛り上がらなかった演説も晩だと大衆は容易に興奮する。朝や昼間は自分と違う意見をはねつけるエネルギーがあるが、夜はそれがなえる。一日の疲れもあり、注意力も散漫となり、プロパガンダに屈しやすくなる。「宣伝は全て大衆的であるべきであり、その知的水準は宣伝が目指すべきものの中で最低級のものが分かる程度に調整するべき。数が多くなるほど知的高度はますます低くする。」「大衆の需要能力は非常に限定的で理解力は小さく忘却力は大きい。重点をスローガンのように、思い浮かべられるように繰り返す」「真理の追求ではなく自己に役立つものでなければならない」
自由旅行は不安、孤独があり、盗難や命の危険、貧乏宿などに遭う。グループツアーは快適で安心、食事もバスも予約済み。しかも個人旅行より安い。ヒトラーはグループツアーの頼れるガイドに例えられる。不安や無力感を伴う自由を捨てて指示に従えば快適。1923年のドイツのインフレや1929年のアメリカの強硬派不安の感情を増大し、自分の努力で前進する希望や成功の無限の可能性を信じる伝統的な信念を粉みじんにした。奮起して努力し、次の目標に進むことができず、自由を捨て、隷属する道を選ぶ。
エリック・ホッファーは、大衆運動が誕生する時にはほとんどいつも適齢期を過ぎた未婚婦人や中年の婦人が参加するが、その理由は倦怠である。(オイ!と思うが、憎悪に並び、「倦怠」が大衆を動かす原動力になる例)
投稿元:
レビューを見る
極端な主張が人気を博すのはなぜか?
がわかる本です。
前半
第一章「少年ヒトラー」から
第四章「第二次世界大戦」までが
ヒトラーとドイツの経済、政治史です。
後半
第五章「反ユダヤ主義とは何か」から
第七章「ヒトラーに従った大衆」までが、
その後の研究者の成果と著者の解説です。
前半では
よく言われる「ヒトラーは合法的に独裁者になった。」が、どういうことか、具体的に解りました。
昨年、wikipediaの「全権委任法」(1933/3/23成立)を読みました。
そのときの理解は
「国会での議決で反対票を投じそうな議員をあらかじめ逮捕しているのだから、合法的とは言えないのでは?」
でした。
つまり「合法的に独裁者になった」と言うことが納得できませんでした。
本書では、このからくりがわかりやすく解説されていています。
納得(独裁者の誕生に)納得はできませんでしたが、何がまずかったのかを自分でも考えられる程度には、理解が至ったように思います。
三権の分立の大切さが肌身に感じられました。
本書とは直接関係ありませんが、イギリスのEU離脱問題で言えば、
ニュースだけ見ていると強引な首相が登場した時点で、合意なき離脱をするかと思っていました。
現在(2019/9/16)首相の強引さに議会が「待った」をかけたところです。
強引な首相(行政)に対し、議会(立法)が待ったを掛けられるのがイギリスの強さなのではないか、と思いました。
後半は、このドイツの歴史から何を学び、今どう生かすことができるのか、自分なりに考えを巡らせる助けになりました。
本書で著者は、主に移民や外国籍の人を排斥する人たちと、当時ナチを支持したドイツ国民との類似点を指摘しています。
僕は、それに加えて、いわゆる(放射能でなく)「放射脳」と揶揄される人たちや、複雑な消費税の軽減税率を歓迎する人たちの不可解が理解出来たように思います。
わざわざ放射線検査までしてから出荷している食品を、それでも「危険に決まっている。」「本当は食べない方が良い」などとフェイク・ニュースを流したり、
実際には金持ちのほうが税金を多く支払うのに「食品は税額を軽減するべきだ」と言う主張に納得してしまう人たちです。
いくら理屈で説明しても、聞く耳を持たない人たち。
技術立国日本において、ほとんどの人が高校以上の学歴を持っているにも関わらず、なんでこんなに阿呆なの?と思っていたのですが、本書のヒトラーの研究成果に触れて、「そういうものなのだ。」と思った次第です。
この本は、だから、
・ ネトウヨやヘイトスピーチがイケナイと思い、どうにかしなければ、と思う人たちや、
・ 放射線や公害の風評被害が収まらないことをなんとかしなければ、と思う人たち。
つまり、一生懸命「そんなコトをしていたら、僕たちみんな不幸になってしまうよ。」と訴えたい人たちに役に立つと思いました。
僕たちは一所懸命データを示し、エビデンスを明らかにし、そのヘイトスピーチが、風評被害が、間違ったものだと言うのですが、僕たちが��う相手には、データも、エビデンスも、有効打ではなく、逆に「義務を果たさないのに、権利ばかり主張する。」とか「ベクれてるに決まっている」と根拠無しに、わかりやすい主張をするほうに乗りやすい「あの人が、そう言っているのだから、そうなのだろう」と支持されることを理解し、表現の方法を考えるべきだ、と思いました。
後半で紹介されているヒトラー研究の出典を見ると、戦後直ぐから、熱心に沢山に人が成果を発表していることが解ります。しかし、それらを読むのは、たぶん無理。
と言うわけで、新書一冊にまとめた、著者=舛添要一の仕事がグッド・ジョブである、と読み終えてつくづくと思ったモノです。
投稿元:
レビューを見る
200620ヒトラーの正体 舛添要一SSS
1.第一次世界大戦の講和ベルサイユ条約がドイツに過酷
極右・極左のナチス党と共産党を拡大 最終的に、ナチス党が共産党を追い落とし、独裁体制を作った
ヒトラーは真っ当な政治家 勉強し、合法のステップで国家権力を手に入れた
1929年世界恐慌までは米国資本が投入された→撤退
1930年失業者350万人32年550万人ピーク40年ゼロ
1933年ヒトラー内閣 国会議事堂放火事件
ゲッペルス 大学で焚書 ユダヤ人の著作
2.「政策」も中々の充実振り 誰が作り上げたのか?
①公共事業 失業の解消 1935年再軍備86万人雇用
アウトバーン4,000km・国民車
②財政の拡張政策
③社会保障制度の拡充
→国民は自由よりパンを 失業・不況対策を優先
これをポピュリズムというか
3.「財源」? 戦争による資産収奪
①財投 シャハト中央銀行総裁 インフレを起こさず
②所得税の源泉徴収制度
経済の帳尻がどう合わせられたのかは不明
国債・財投債は戦争の勝利品で埋め合わせられた
敗戦ですべてはチャラに?
この辺りのリアリティが全く不明