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紙の本
支配の構造 国家とメディア−世論はいかに操られるか (SB新書)
著者 堤 未果 (著),中島 岳志 (著),大澤 真幸 (著),高橋 源一郎 (著)
高橋源一郎、大澤真幸、中島岳志、堤未果が出演し、大きな反響を呼んだNHK Eテレ「100分deメディア論」から1年。再結集した4人が「名著」を通して、現代メディアと日本の...
支配の構造 国家とメディア−世論はいかに操られるか (SB新書)
支配の構造
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商品説明
高橋源一郎、大澤真幸、中島岳志、堤未果が出演し、大きな反響を呼んだNHK Eテレ「100分deメディア論」から1年。再結集した4人が「名著」を通して、現代メディアと日本の危機を徹底討論する。【「TRC MARC」の商品解説】
人気番組「100分deメディア論」気鋭の論客が「閉塞感の正体」を解き明かす!【本の内容】
目次
- ■目次
- 第1章 政治権力とメディア(堤未果)
- 名著:『メディアの権力』ハルバースタム
- 第2章 ポピュリズムと対峙する(中島岳志)
- 名著:『アメリカのデモクラシー』トクヴィル
- 第3章 ナショナリズムの取り扱い方(大澤真幸)
- 名著:『定本 想像の共同体』ベネディクト・アンダーソン
収録作品一覧
政治権力とメディア | 堤未果 著 | 17−66 |
---|---|---|
民意の暴走は止められるか | 中島岳志 著 | 67−118 |
ナショナリズムの取り扱い方 | 大澤真幸 著 | 119−178 |
著者紹介
堤 未果
- 略歴
- 〈堤未果〉東京都生まれ。国際ジャーナリスト。「ルポ・貧困大国アメリカ」で新書大賞受賞。
〈中島岳志〉1975年大阪生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。「中村屋のボース」で大佛次郎論壇賞受賞。
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紙の本
もはやマスコミは当てにならないという前提で、批判的(かつ生産的)視点と圧倒的知識・経験を自ら蓄積して事に処すべき
2022/09/10 15:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変有益な一冊でした。失われた30年を無為無策できた政府の怠慢に加えて、もはや毒が回って骨抜きにされ腑抜けと化した(大手)マスコミの惨状、こりゃ日本ももうあかんでしょう。30年のハンデは大きいですよ。それはさておき、本書で一番シャープだったのはやはり堤未果氏かなと思いました。マスコミのいわば最前線にいるだけあって、具体的でなるほどと思わせる問題意識と提言の数々でした。
「異なる意見の人たち対話できるプラットフォームを差し出すというのは、メディアが社会に対してできる最大の貢献の一つです。・・・ 大事なことは、メディア自身が中立になることよりも、様々な視点を排除せず、議論のテーブルに載せる「場」を提供することなのです。」(105~107頁(同旨167~168頁)、堤氏発言、なお「社会」の語は本文では「会社」となっているが、これは明らかな誤記だと思うので、勝手ながら訂正しました。)
「文化的な共同体としてのネーションは、しかし、それだけに満足せず、政治的な主権をももとうとする。主権国家の主権が及ぶ範囲とネーションとが合致しているとき、「ネーション・ステート(国民国家)」と呼ばれます。「民族自決」などというのも、ネーションのこうした特徴から出てくる政治目標です。だから、ナショナリズムは、文化的なアイデンティティと政治的主権が及ぶ範囲とを合致させようとする運動である、と定義することもできるくらいです。」(133頁、大澤氏解説)
「国学は儒教精神を否定した「一君万民」を掲げました。そして、天皇以外はみな平等なはずなのに、江戸幕府のような「特別」な存在があるのはおかしいという理屈で、江戸幕府の正統性(レジティマシー)を奪っていく。それが明治維新に至り、「日本」というネーションの成立へとつながっていくんですね。」(170頁)、中島氏発言)
「では、映画やテレビは、いかに大衆の心をつかんでいったのかというと、「単純化」です。大衆はみんな単純なものを好むから、何もかもが圧縮され、どんどん短くなり、ダイジェスト化する。」(187~188頁(同旨221頁)、高橋氏解説、単純化されたものを好むということは、逆に受け手そのものの情報や判断がそれだけデータ化や操作がしやすく、システムに取り込み(取り込まれ)やすいということでもあろう。そう、われわれはそれに抗するには「複雑で多面性のある」人間にならなければならない。そして、そのための手段の一つが古典への親炙ということに他ならない。)
「安倍さんはもちろん、「圧力なんてかけていない」と言っています。のちに当時の放送総局長が朝日新聞の取材に応えて明らかにしたところによれば、安倍さんが言ったのは「勘ぐれ、おまえ」という言葉だった。」(226頁、中島氏発言、これって圧力そのものでしょう。)
なお、93~94頁で、アメリカにおける結社や中間集団の淵源を「救済されるべく選ばれた者(エリート)たち」の間での「連帯」に求めているようですが、そういう綺麗事的な側面もあるとは思いつつも、メインはやはりF. J. Turnerがその論文「The Significance of the Frontier in American History」(1893年)で触れたような事情、すなわち個々に団結していかなければ生き延びることのできない移住者たちの過酷な生の状況にあったのではないかと愚考しているところです。
紙の本
客観的に現代を見渡すためには必要な1冊
2022/03/09 22:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「世の中」という不確かで不透明なものを見渡すためのめがねのような本でした。構造的な問題があるのは、世論だけではないので、ご自分の世界にも適用できることがあるのではないかと思います。
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バラエティに富んだ四人の論客
2020/09/11 16:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
四人の論客が「ナショナリズムとメディア」について、各一冊の参考になる書物い挙げ、それについて論じています。たた、各々の論文の後に四人の座談があります。とても勉強になりました。専門分野が違うので、バラエティに富んでいます。最後のまとめの章がもっとあってもいいのではないかと思いました。ちょっと尻切れとんぼのような。