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商品説明
1960年代初頭、SFは未知のジャンルだった−。小松左京、星新一、筒井康隆ら、不可思議な現象と科学に好奇心を燃やし、SFを広めようと苦闘した第一世代のSF作家たちの物語。【「TRC MARC」の商品解説】
日本SFが、かつての空想科学小説というジャンルからアウフヘーベンして、あらたに確立したのは、1960年代の初頭からである。当時、日本の出版界では、ひとつのジンクスが語られていた。西部小説とSF小説を出版すると、その出版社は倒産するというものである。SF小説は、いわば未知の文学ジャンルだった。
多くの同志とともに、日本にSFを広めていく過程は、いわば一種の文学運動だった。これは、ひとつの文学ジャンルを確立するまでの、SF作家たちの苦闘と、哀愁と、歓喜の交友の物語である。
今、日本SFが根を下ろすまでの事情を、いわば遺言として書き残すことが、馬齢を重ねた同志としての使命かもしれないと考え、あえて語ることとした。もともと書誌学のようなものには疎いほうだから、年譜的な記録を残すつもりはない。いわばSF作家交遊録と言った体裁になるが、これまで書かれていない破天荒なエピソードなども紹介しながら、筆を進めていきたいと思う。筆を進めると、書いてしまった。今ならキーボードを叩くと書くべきだろうが、あれから半世紀以上、科学の進歩は、われわれSF作家の想像を超えるテンポで進行した。【商品解説】
目次
- はじめに
- 第一章 人類の夢、近代SFへの道
- 第二章 SFマガジン創刊
- 第三章 日本SFコンテスト
- 第四章 同人誌『宇宙塵』と『Null(ヌル)』
- 第五章 SF作家クラブ始動
- 第六章 SFの普及と発展
- 第七章 日本SF作家と映像の関わり―アニメ(人形アニメも含む)、特撮など
- 第八章 SF作家 交友録
- 第九章 SFの浸透と拡散
著者紹介
豊田 有恒
- 略歴
- 〈豊田有恒〉1938年前橋市生まれ。「鉄腕アトム」など黎明期のアニメ界にシナリオライターとして参加、以後SF翻訳家を経てSF作家として独立。島根県立大学名誉教授。著書に「火星で最後の…」など。
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すごい人たちの記録
2022/04/01 14:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小松左京、星新一、矢野徹、筒井康隆、眉村卓、半村良、光瀬龍、平井和正、手塚治虫、大伴昌司、もちろん著者の豊田有恒氏、名前を並べるだけでSF好きの私は入力する手が震えてくる。黎明期のこの人たちの記録はとてつもなく貴重だ