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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
一応……本格ミステリーの部類にはいりますか……ねえ。正統派ミステリとも取れるし。タイムループと人格転移というSF要素を組み込んでるところはSFとも……。しかし謎とサスペンスがメインなのは確か、です。
電子書籍
根気もいるが面白い。ネタバレ少し
2020/08/30 10:39
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投稿者:アントニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は…というか中盤くらいまでは何をやっているのかさっぱりわからなかったので半年くらい置いてたけど、状況が飲み込めたら早かった。
殺人事件を目撃して犯人探しの途中なのに殺されて終わっちゃったよ!と思ったら他の人物に転生して、同じ場面かから違った目で見てやり直し。
ゲームに着想を得た映画ではよくある手法だけど、これ文章だと分かりにくい…が、力技でやり切ってしまうのはなかなかすごい。
根気はいるけど(最後もなんだかなー、だけど)退屈はしません。
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たったひとつの名前を除けば、一切の記憶がない状態で覚醒した男。不安な一日が始まり、少しずつ自分が何者か認識するようになっていくが、次に目覚めると全くの別人になっていて、しかも昨日と同じ一日が始まった──。そんな風変わりな設定でスタートする話題のSF本格ミステリは、2段組で400頁超のなかなかのボリューム。
イヴリン嬢が殺害される当日をリピートするという展開で、この一日が始まるたびに語り手が変わり、別人格による別視点での新たな発見が次々に提示されていく。それは読者への手掛かりでもあり挑戦でもある。舞台は古めかしい館だが重くなく、テンポのよいエンタメ要素に加え、主人公が人格を移ることによって、その人物の思考や観察眼を手に入れて探偵役としてスキルアップしていく姿も描かれる。
登場人物が多く時系列も前後し、さらに敵か味方かわからない人物の動きにも振り回され、中盤辺りから中弛みと混乱でわけがわからなくなってしまった。このとっ散らかった状況で、登場人物の謎の言動をコントロールして、点から線に繋いでみせた作者のテクニックには脱帽。
ラストで明かされる館の目的と、シニカルな真犯人が解明されて、それまでの混乱が報われたような気にはなったけど、イメージしてた終わり方とは違ったかな。でもこういう斜め目線の本格は久々なので楽しかった。
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人物一覧、何度見返したか。もう込み入った話はついていけないのか。
49ページのは誤記じゃなかったのかも。
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「この屋敷で起こる殺人事件の謎を解くまでお前はここをでることはできない」…呪われたルールに縛られ、同じ一日を無限に繰り返すブラックヒース館に閉じ込められた語り手は、自分が誰なのか思いだせないまま館に集う人びとに憑依していく。朝が来るたびに宿主を変え、同じ一日を生き直しながら、死ぬ運命にあるイヴリンを救うことはできるのか。そしてこの空間に閉じ込められた理由とは。ゲームオーバーを繰り返して世界の法則を解いていく、タイムループSF×ミステリー小説。
VRゲームのノベライズを読んだらこんな風になるのかなぁという独特の酩酊感。最初はとにかくルールを掴むのが難しい。最後まで読んでもこの刑罰空間で〈従僕〉が果たしてる役割とかよくわからない(笑)。恐怖を植え付ける係ってことなんかな。
宿主が変わるたび、肉体の操作性だけじゃなく推理力も宿主依存で変化するという設定は面白かった。これが犯罪者の矯正プログラムだと思うと最悪だけど(笑)。イヴリン殺しの真相も終盤に二転三転して楽しませてくれるが、それだけに誤植が……!これは気づいたとき関係者全員お辛かったでしょうな…。
アナへの憎悪が好意に変わったのを道徳的に締めて終わるけど、それってストックホルム症候群じゃないの?とか、ブラックヒース館でループ繰り返してるあいだ現実の肉体はどうなってたんだろうとか、看守のほうがよっぽど罰受けてない?とか数々の疑問は浮かぶが、デビュー作らしいアイデアがパンッパンに詰め込まれた楽しい一作だった。
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ブラックヒース館にやってきた主人公は、館の主人の娘イヴリンを殺した犯人を見つける為に8人の人間に寄生し、殺人の起こった1日をタイムループしながら繰り返し繰り返し同じ1日を過ごし犯人を突き止める。同じタイムループしているアナ、ダニエル、従僕や監察官である黒死病医師との遣り取りや、タイムループで時系列が一貫していない流れには、相当な記憶力かメモしながら読み進める等の工夫が無いとこの小説の全体は理解出来ないと思います。
複雑過ぎて楽しめなかったです。
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ものすごく頭が混乱して叫びたくなるけども、結末が気になって気になって…なんとか読了。
タイムループかつ人格転移かつ超絶ミステリ。
主食をこれでもかと詰め込んだ、カロリー過多のディナーといったかんじ。前菜もスープもなくひたすらメインが出てくるこの膨満感よ…笑
カタカナの名前に弱い人にはすすめられません。
誰が誰で、いま、誰の人格なのか把握できないとつらいです。
でも、ラストは希望もあってまんぞくです。
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まるで記憶力テストの連続で、読後に脳みそグッタリ。自分の理解がどこまで正解だったのか確認したい。ドラマ化したら楽しそうだなとか、ゲーム化もいいなとか本を読みながら何度も考えてしまった。とりあえずもう一度読み直すと2度目の面白さが味わえるタイプの作品。ではあるけれど、それにはボリュームがありすぎ。
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いやー読みにくかった。「わたし」が記憶喪失で始まっているから話がチンプンカンプンなのはしょうがないと思いながら読み進めるが、なんか文章が読みにくい。最初の数ページでもう辛いわと思ってしまった。
いやーでもイヴリンが殺されてタイムループ始まれば少しずつ謎が明かされてくだろう、もうちょっと頑張ろう、とするがイヴリン全然死にません。1日目長い。
話が進んでももうチンプンカンプンで余計訳が分からなくなってしまった。
私の頭では理解不能。全部を読み返す気力がなくて、ところどころと最後の解決部分を読み返してみた。なんとなく分かったけど、うーん。やっぱり私には合わなかったな。
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わたしは気づくと記憶を失い、傷だらけで森の中にいた。
女性の悲鳴と銃声。逃げるようにたどりついた森の中に建つ屋敷「ブラックヒース館」。
なんとか体面を保つ、ハードカースル家が開催する仮面舞踏会。
招かれた多くの客が館に滞在し、社交に興じていた。
自分は何者なのか。
アクシデントに出くわし、意識を失ったわたしは、目が覚めると時間が同じ日の朝に巻き戻っていた。違う人物になって。
混乱するわたしの前に、黒死病医師の仮面をかぶった人物が現れる――今夜、令嬢イヴリンが殺される。その謎を解き、事件を解決しないかぎり、おまえはこの日を延々とくりかえすことになる。
タイムループから逃れるには真犯人を見つけること。
クリスティ的なだけに、すぐにイヴリン嬢を殺した犯人に見当がついてしまう。
けど、時間の巻き戻りと「わたし」の視点の変化が絶妙。
臆病な医師、肥満で品が無い富豪な老銀行家、女性にだらしのない名士の息子、社交界の派手な青年、頑固な老弁護士…。
頭の回転は早い人物、不法なことも厭わず動ける青年、ハードカースル家と付き合いの長い経歴、巡査の経験。
記憶ゼロの状態から積み上げていくけれど真相に近づくにつれて、身の危険にも晒されて。
ループの理由には思うところがあるものの、謎の女性アナ、ハードカースル家の秘密にドキドキで最後まで楽しかった。
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カントリーハウスで起こる殺人事件+人格転移+タイムループを盛り込んだSFミステリ。延々繰り返される1日を有効に使って、登場人物を乗り換えしながらイヴリン嬢が殺害される謎を解き事件解決を求められる主人公。このループから抜け出せるのは1名のみ。他にも同じ謎を追う競争相手二人に、導き手〈黒死病医師〉、お互いが嘘と真実を織り交ぜて、ループの度に変わる出来事。
「ゴスフォードパーク」ミーツ「インセプション」って、訳者解説にありましたが、まさにそんな感じ。
いやぁ濃密な一冊でした。冒頭は限りなく0だった事件に対する知識が、話が進むにつれて断片的に明かされて繋がっていく面白さ。主人公の人格転移の動きは読者の理解度と寄り添って進んでくので分かりやすいんだけど、「アン」の動きを整理したくなりますね…。
テレビ映画化の権利を取得してるプロダクションがあるようですが、これを分かりやすく映像で整理するの、脚本家の腕(それと、それを撮る監督のセンス)が試されますね……。
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目覚める度に”宿主”が変わり、それぞれの性格や立場でイヴリン・ハードカースル殺害事件の犯人を追うSFミステリ。
同じ1日を異なる目線で何度も繰り返し、”あのときのあの人物のあの場面は…」みたいなのが何度もあり、混乱する。
ちゃんと楽しむには2回は読まないとなかなか難しいのではと思うが、時空を越えたパズルがはまっていく過程が面白い。
設定が生む読み応えもさることながら、舞台であるブラックヒース館で起きた過去の事件をめぐる謎、そこからイヴリンが殺されることになったそもそもの謎解きもミステリ度十分。
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『私』は記憶喪失で目覚めた。だが、今の私は本来の自分自身ではなく、更には期限までにイブリン嬢殺人事件の真相を解き明かさなければ、元には戻れないという…。何もない私が覚えていたことは、『アナ』だけだった。
緻密…すぎ!これ思いついたのも凄いけれど、書き切ったことが凄すぎる!
人格が入れ替わり、タイムループを繰り返しながら、少しずつ状況がわかってくるまで、いや、分かってきてからはなおさら、タイムチャートでもないと全体把握できないなぁ…と、脳が悲鳴を上げていた。挫けずに最後まで読めば意外な真相にある種の達成感は得られると思う。英国のカントリーサイドの洋館が舞台で、クローズドサークル、ゴシックミステリーとくれば断然好みなので、世界観も楽しめた。
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「面白い!」「素晴らしい!」「オススメ!」
などなどの評判を聞いて読み始めた。
無邪気に面白いと思えたのは最初のみ。
だんだん混乱が激しくなって、
ついには大声で世界に向けて問いたくなった。
「みんなこれを理解できたのか?!」
「私がとてつもなくバカなのか?!」
恐ろしいパズルである。
しかけは装丁から始まっている。
見よ! この美しく古風な装丁を!
学校の図書室に、いつからあるともしれない、ホコリのにおいが鼻をかすめる、手ずれてしんなりした、あの本のようではないか。
『巖窟王』
『あゝ無情』
『若きヱルテルの悩み』
『イヴリン嬢は七回殺される』
舞台は英国、森の中の大邸宅。
時代は、20世紀になるやならずやといったところか。
邸宅の詳しい様子は表紙カバーにも、見返しにも、趣深い地図として描かれている。
なんともゆかしい英国ミステリーの始まりではないか。
ところが、話の様式はといえば、ゲームなのである。
チェスや、ボードゲームではない。
パソコンやゲーム機でプレイするタイプの、アドベンチャーゲームなのだ。
ご存じない方に少し説明しよう。
プレイヤーは主人公の視点で、
ゲーム内の世界(例:街、館、大型客船)を移動して、謎を解いていく。
完了の条件は、事件の解決であったり、そこからの脱出であったりする。
プレイ中には様々な選択肢が表示される。
例えば、右に行くのか、左にいくのか。
当然、右に行けば左に行くことはできず、逆もまたしかりだ。
選択を間違えれば、それで終わりかもしれない。
当たっていれば次に進み、また選択にぶつかるだろう。
選んで、失敗し、試して、失敗し、とっかかりを摑み、あるいは逃し、そんなこんなを繰り返すことによって、プレイヤーは解決=エンディングに向かっていくのである。
中には、1度のプレイでは見つけられないエンディングが用意されたものもある。
何度も繰り返しプレイすることによって、
納得のいくエンディングを見つけていくのだ。
なかなか面白いゲームで、いくつもプレイしたことがある。
しかし、思い出のあのゲーム、楽しかったあのゲームは、こんなに難しかっただろうか?
私がバカになったのだろうか?
いつもならば、「この作家の別の本も読んでみたい」などと書く私だが、今回は違う。
もう一度読む。
あんなゲーム、こんなゲームのように、
繰り返していけば、私にだってきっとこの話が理解できる。
できるかもしれない。
まだ1度しかプレイ、いや読了していない、
この『イヴリン嬢は七回殺される』ではあるが、
読了感はと問われれば、とても良かったとすぐさま答えよう。
400余頁、2段組を「読み切った!」という達成感、
理解が及ばないながらも、「面白かった!」というのが、正直な気持ちなのだ。
では、私は読み返しにかかる。
メモをとるため��スケッチブックを用意しようと思うが、さて、どれほどのサイズが必要だろう?
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おや、西澤保彦?と思って読み始めたが、宿主からの視点が次々変わるし、複雑だった。
時間があるなら、時系列を書き込んでじっくり考察したいが、一気読みでも十分楽しめた。