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二項対立を超えて
2019/10/12 19:23
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投稿者:あひる - この投稿者のレビュー一覧を見る
途上国と先進国、都市と農村・・・こうした二軸で語られやすい事柄に対して、二者択一でなくいいとこどりを目指す筆者の考え方が語られています。
1.社会性とビジネス
2.デザインと経営
3.個人と組織
4.大量生産と手仕事
5.グローバルとローカル
これらのいいとこどり=Third Wayの実現には何が必要か、5つのトピックのどこかに自分を惹きつけてくれる箇所がきっとあると思います。
私は3「個人と組織」で、理想の働き方ってなんだろう・・・と思いながら読み進めました。企業や個人がタスクをアウトソーシングして誰かが受注するような今どきの「企業に依存しない働き方」の効率性は確かですが、筆者も語っているように少し寂しく感じるが私の感想です。
「なんで自分の働く会社に対してみんなこんなに愛着がないんだろう」と入社当初感じていたのですが、解決の糸口が本書に記されていると感じました。
筆者の実体験を知りながら、自己の経験、考え方に投影して読み進めると楽しめると思います。
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二律背反の状況から、どういうサードウェイを見つけていくか
2021/05/02 16:15
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
山口絵理子さん、僕の人生において、かなりのインパクトを与えた方。 個人的には最近はビジネス本ばかりだったり、そこから変化してブレイディみかこさんの本だったり、ふらっと変更して瀬尾まいこさんの本だったりしていたが、改めまして山口さんの本を読んでみた。
10年以上前、震災より前の時に、「裸でも生きる」と出会って、社会起業家(という言い方は好まれないのかもしれないが)本当にすごい、と当時ものすごく感動した記憶がある。
山口さん、今回のサードウェイの本で、確かにおっしゃる通り二律背反の状況から、どういうサードウェイを見つけていくか、文中にもあるがらせんの発想は、なかなかな印象をもった。「相反する二軸をかけ合わせて新しい道を創造する。二極化する世界を生き抜くこれからの思考法。」と帯にある。ここ二三年「両利きの経営」のようなビジネス書を読んだりしていることもあり、代表取締役 兼 チーフデザイナーという両利きの、新たな知見を味合わせていただける感謝の本です。
サードウェイ、という軸を持って、いくつもの状況に照らし合わせて解釈・意味づけをしていく、考えさせていただける本です。
抜粋フレーズ、僕の感想なんかよりも、山口さんのアツいメッセージを受け取ってほしくて。
==========
P70 一等地で挑むからこそ、商品の競争力を増す必要性、接客レベル向上の必要性、外部環境を読む力を磨く必要性などさまざまな課題に直面し、「総合力」を鍛えられる。
P119 人間が理由なく「感じる」ストレスや違和感は非常に大事だ。 その感覚を無視しない。 しっかりと受け止めて、「なぜそう思うか?」を考えてみる。
P179 しかし、ものづくりの力、「クリエーション」がその空気を打開した。
「あなたの技術とあなたの技術、かけ合わせてみよう」
いがみあっていた職人たちも、自分にできないことができるライバルはリスペクトをする。自分たちが一人ではできなかったことを明かし合い、お互いの足りない技術を補完しあう。そうやって新しい技術や道具とであう。アイディアが生まれ、今まで自分一人ではできなかったものができていく。
P185 小学生のときからつけている日記。「日記」というと「今日何をした」という内容になりがちだが、そういうことは一切書かない。アクションの記述のない日記。
その代わり、「今日どう思ったか」という感情を書くようにしている。そうすると「なんでそう思ったか?」という、もう一段深く、自分の心を掘る習慣がつくれるからだ。
これを長年やってきて思うことがある。
自分の本音に従ったことは、必ず後悔しないし、成功する場合が多い。 逆に体裁や、他人の言葉に重きをおいたアクションは、一時的にはうまくいっても、やがて崩れさったり、長持ちしたりしないことが多い。
P282 「こうかもしれないな」と思った時点で、一度覚悟を決めたらいいのだ。
もう迷うのをやめて、「とりあえず」そこに向かって頭と体を動かして、夢中になってみること。
夢中になる人の目にはいろんなことがクリアに見えるはず。出会いも降ってくるはず。
そんなプロセスの中で、「あ、これ違うかも?」と思ったら笑顔で軌道修正したらいいじゃないか。(中略)
「もっとこうしたいな」「これができればいいな」と毎年のように軌道修正している。本気でやってみたけれど、実はあんまり好きになれなかったな、なんて山ほどある。
だけど、大事なことは軌道修正前提でも覚悟を決めて動くことなんだ。
動いた結果、全部が「今」につながっている。
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第3の道
2020/03/30 23:33
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう風な考え方もあるのかと勉強になります。第3の道を探すことで、ある意味隙間産業を目指す感じかなあ。
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社会性とビジネス、組織と個人、デザインと経営など、二項対立になりがちなテーマについて、山口さんがどう考え、どう乗り越えてきたか、その哲学が語られています。
足して2で割るのでもなく、白黒つけてどちらかに寄せてしまうのでもなく、両者の良いところを取って新しいものを作る。それを「サードウエイ」と言っています。アウフヘーベン(止揚)のイメージに近いかなと思います。
いままでの山口さんの歩みを知っていると「なるほど、あのときはそう考えていたのか」とわかることがたくさんあります。山口さんは「想いと行動力(突破力)の人」と思われがちですが、動きながらも内省し、深く考えてからまた動く、を繰り返してきたんだと思いました。起業して13年、経験と思考を通して変わったことは多々あると思います。だからこれからも変わることもあるでしょう。ただ、「サードウエイを求める」姿勢はきっと変わらないと思います。
あいかわらず日本の組織の多くは足して2で割る(あるいは両論併記)意思決定をしています。一方、ネットを中心に「自分の考えと違うやつは全部バカ」という乱暴な議論が横行しています。こんな世の中だからこそ、山口さんが言う「サードウエイ」を考える人が増えるといいと思います。自分自身もそうありたいです。
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かっこよすぎ。しびれた。山口さんの本、全部読んできてどれも好きだけど。これが一番好きだ。
●自分自身をデザインする
→
自分をデザインできることは、自分を最大限うまく活かすための方法を知っているということ。ベストコンディションで動けるデザインをする。
●自分の本音に従ったことは、必ず後悔しないし、成功する場合が多い。
→
その選択は、私のビジョンに沿った選択か?心が違和感を感じていないか?を自分に問う。微妙な違和感やストレスを、無視しない。重要なヒントが隠れてる。
●コンセプト共感ではなく、モノ共感で勝負する。コンセプト共感のステージで達成できるのは、売上1億円程度。
→
①コンセプト共感→②モノ共感の順番でブランドを進めるのが良さそう。①はファンに熱狂が生まれやすく、コミュニティができると考えるから。②モノ共感のステージでいきなり戦うのはハードルが高い。(ちなみに現状うちのブランドはどっぷりコンセプト共感ステージ……)
●最終的にお金と引き換えにお客様が求めるのは「自分にとってのメリット」
→
こちらのこだわりや技術を押し付けても買ってもらえない。相手のメリットを訴求する。
●新しいものづくりのために、あえて「お客様の声を聞かない」挑戦
→
自分の内発的な感性から生まれたシリーズを作る。
この本を読みながらメモしたページ数が異常。ビジョンってなんだっけ、ってとことん考え直せた。大きなビジョンを持つこと。
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利益を取るか、社会性を取るか。
個人のキャリアアップと組織内での評価、どちらを優先させるか。
安価な大量生産か、高価な伝統工芸品か。
世の中は二項対立の構図に溢れていて、自分も知らず知らずのうちに「AかBか」の二者択一を迫られているように感じることがある。
でも、どちらかを選ぶためにもう一方を諦める、妥協する方法ではなく、どちらも得られる第三の道を見つけることができれば、それがベストアンサーなはず。本書では、その「サードウェイ」の見つけ方、考え方が、マザーハウスの実例と共に語られている。
それが一番大変で難しいことなんだけど、それをすることで成長していける、相反する価値観が引き合う中で螺旋階段を登っていくようなイメージ、という表現がすごく素敵だなと思った。
これまでの山口さんの本はどちらかというと「起業家の体験記、エッセイ」に近かったと思うのだけど、この本はいわゆる経営書。
自分自身の仕事の中でも
品質か利益か、
個人か組織か、
そんな二項対立に悩むことがあるけれど、そのときにどちらかを選ぶのではなく、どちらも実現できるような方法を探っていきたい。
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Third Way 第3の道のつくり方。山口絵理子先生の著書。慶応義塾大学総合政策学部をご卒業後、株式会社マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナーとしてご活躍中の山口絵理子先生。山口絵理子先生のような知性と品格、発想力と行動力を兼ね備えた女性こそが世界を変えていく存在なのだと実感しました。
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「途上国から世界に通用するブランドをつくる」
バングラデシュのジュートで作ったカバンを販売してから13年、無我夢中に取り組む中で、著者が掴んだ理念
相反する二つのものを組み合わせて、もう一段高い次元での解決策を生み出すための、沢山の智慧が詰まっています。
任天堂の宮本氏の言葉「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」とはまさにこのことかも知れないと思いました。
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#サードウェイ
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」をビジョンに、
25歳で起業した山口絵理子さんの著書。
僕が人生で一番最初に衝撃を受けた方でもあり、発売してすぐに購入して読みました。
今回の著書は“サードウェイ”
対立するものに対して、その両者の良さを掛け合わせて新たなものを生み出す考えについての本です。
途上国⇄先進国
グローバル⇄ローカル
男⇄女
このようなものに対して、
よく0か100、もしくはバランスをとるといった妥協点で物事を決めていくことが多いですが、
著者はそうではなく、
常に両者の良いところを最大限引き出せる新たな考え(サードウェイ)を導き出すことを仕事を通じて実践されてました。
山口さんのリアルな体験、どう新たな価値をつくってきたかを学べる本で、
読みながら僕は家族⇄仕事のサードウェイを考えました(笑)
印象的な内容や思ったことは以下の通り。
家族⇄仕事に関しては、Noteにまとめていこう。
★
対立する概念を身につけていくために、捉え方は0か100ではなく、2つを掛け合わせて考えることを徹底している。
ついどちらかを選びがちになるが、この2つを掛け合わせる思考を持って行こう!
★
山口さんはものすごく考えて行動する思慮深く熟考するかだと思ってたが、毎日日記で、「今日どう思ったか?」を描いてると聞き、日々考える時間を確保する習慣によるものと知り、努力次第だと思い知った。
自分と対話する機会を毎日もつ!
★
「みんなの気持ちがコトに向かったときに、いろいろ部署を超えて同じ夢を見られるようになる」
→まさに、ヒトを見ていると人間関係を考えてしまうが新たな挑戦をする際はコトにみんなが注目するとパワーが発揮される!!
★
大きなビジョンと小さなゴール
今の自分、今のライフスタイル、今の心の余裕、それらをきちんと自己査定しなから、理想をブレイクダウンしてみる。そうすることで、自分のビジョンがとてもよく見えるようになる。
最終ゴール=ビジョンは、堅くてどっしりと揺るぎなく。
小分けしたゴールは柔らかく、ぐねぐねしている。
状況にあわせてしなやかに、形を変えられる。
★
大事なのは、これが自分にとって大切なんだという価値観を体現しているような手触り感があるモノを心の中で持ち続けていること。そして、迷ったときにはいつでもそのモノに立ち返ればいい。
★
経営者が代わっても、デザイナーが代わっても、時代が代わっても、ゆるがないものは、ビジョンしかない。もっともたくましい企業の財産だ。
ビジョンに心から共鳴する仲間たちには、オーナーシップ(主体性)を根っこから持っている。
★
仲間作りは、
出会うまで出会いを求め、探し続ける。
★
現実と向き合い、競争にさらされる。
打ちのめされる。
負けを認める。
そこから自分の強みを知り、結果的に理想を追求できる。
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【無無我夢中】
著者の『裸でも生きる』を読んだとき、男子柔道部員に一人だけ女の子がいる学校がテレビで映されたのを思い出しましたが、今回本書を読んでまたそれを思い出しました。
経営者として、13年も続けられていることはすごいことです。経営者目線の言葉もたくさん出てきます。
ただ、なんか寂しいです。
本人も当然成長してりっぱになられているのですが、あの高校生の時、そしてその後のあのがむしゃら感が消えつつあるのが寂しく思います。いつまでも昔のようにできないのはわかります。人は成長して変わっていくのもわかります。ただ、個人的にさみしいだけです、、、
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誰がどのようにものを作っているか、ものづくりの向こう側を正直に伝える方が透明性のある健全な会社(ビジネス)になる。
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山口絵理子さんの著作はいつも読んでいて
読むたびに前に進んでいる山口さんを
すごいなぁと思います。
対立する2つの中間点じゃなく
さらに2つの相乗効果になるような
第3の道という考え方は
とても素敵だと思いました^ ^
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妥協でも断念でもない第三の道。それどれの良いところを掛け合わせて螺旋状に上昇する。自分に置き換えれば経営者と法律実務家との両局の間にどんな道を切り拓けるか。
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発展途上国でブランドをつくるという取り組みを通した学びの話。
仕事に一番大切ではないのはヒトではないと言えるのが経営者としてすばらしいと思う。
対立する二つを対立させるのではなく、第三の道を見つけるというのは、困難を解決する新たなイノベーションの探し方と同じだと思った。
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感想、考えは以下に記載。
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