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- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/10/23
- 出版社: 小学館
- サイズ:20cm/381p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-09-388702-1
読割 50
紙の本
逆説の世界史 3 ギリシア神話と多神教文明の衝突
著者 井沢元彦 (著)
「強い一神教」に撲滅されたオリュンポスの神々と、負けなかった仏教やヒンドゥー教は何が違うのか。現地取材をもとに、「強い多神教」の根源にあるものを読み解く。『BOOK PE...
逆説の世界史 3 ギリシア神話と多神教文明の衝突
逆説の世界史3 ギリシア神話と多神教文明の衝突
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商品説明
「強い一神教」に撲滅されたオリュンポスの神々と、負けなかった仏教やヒンドゥー教は何が違うのか。現地取材をもとに、「強い多神教」の根源にあるものを読み解く。『BOOK PEOPLE』掲載を再構成し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
「ヘラクレス」はなぜキリスト教に負けたか
『逆説の世界史』は、550万部突破のベスト&ロングセラー『逆説の日本史』の著者による新たなライフワーク。構想15年の本シリーズは、民族・宗教・イデオロギーによる偏見や差別を極力排し、世界史を「地球人の視点」で読み解く文明論です。
待望の第3弾は「多神教文明の興亡」がテーマ。ギリシア神話の神々がキリスト教に撲滅されたように、多神教文明は「強い一神教」に駆逐されるのが世界史の大原則。ところが、日本とインドには、一神教に負けない「強い多神教」がある。その強さの根源にあるものとは!?
古代ギリシアにおけるオリュンポスの神々と神話から、古代インドで「完全なる死」を求めて誕生したヒンドゥー教と仏教まで、著者が聖地を訪れながら、その謎に迫ります。
日本人ほど宗教に疎い民族は世界でも珍しい。自分は「無宗教」だと思い込んでいる多くの日本人が知っておくべき多神教世界のルーツ、さらに欧米・中東の一神教世界との違いがよく分かる必読書です。
『逆説の世界史』の新章「ローマ編」は、9月頃から小学館のウェブサイト「P+D MAGAZINE」(https://pdmagazine.jp/)にて連載予定。
【商品解説】
目次
- 序 章 多神教社会に生きる日本人
- ──無宗教ではなく、「日本教」を信じる民族
- 「無宗教」の日本人は世界の非常識/芥川龍之介が見抜いた独特な宗教社会の「造り変える力」
- 第一章 インダス文明の滅亡とヒンドゥー教の誕生
- ──古代インド思想における「輪廻転生」と「永遠の死」
- 「世界最古の看板」に刻まれた「インダス文字」の謎/ヒンドゥー原理主義的な歴史解釈の弊害/創造、破壊、維持の役割を分担するヒンドゥー教の三神/古代インド人が願っていた「輪廻転生」のサイクルからの脱出
著者紹介
井沢元彦
- 略歴
- 〈井沢元彦〉1954年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局社会部記者を経て、作家。「猿丸幻視行」で江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に「逆説の日本史」シリーズ、「日本史真髄」など。
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電子書籍
どこか予見的
2020/02/11 14:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はどこか予見的である。
第三章第四話「ギリシア・ヘレニズム文明の賢者たち」にあるソクラテスのくだりが面白い。以下は抜粋である。
「政治家のアルキビアデスやクリティアスという「弟子たち」がアテネを不幸に陥れたのは歴史的事実だが(中略)根源の責任は、そもそもソフィストとして彼らを教育したソクラテスにあると、多くの市民が考えるようになった」
「五百一名いたと考えられる市民(陪審員)の多くは、ソクラテスの論理に共感するよりも、その態度に反感を抱いた」
「ソクラテスはわざわざ自分を国法の立場において、その立場から見て、自分が死刑を逃れるために今さら逃亡することは、国法を尊重する人間なら絶対に実行すべきではないと、旧友クリトンに説いた」
まるで、どこかの自動車メーカーの元経営トップとどこかの国の世論の関係を見ているようだ。経営トップはソクラテスと違って逃亡し海外で生きているが、本書はこの逃亡前に刊行された。ソクラテスが生きた古代ギリシア都市アテネが衆愚政治に陥り衰退していく様も分かりやすく書かれており、どこかの国の未来のようにも読める。
本書は、人前で話す雑学ネタの宝庫でもある。
「結婚したまえ。もし妻が良妻ならば幸せになれるし、悪妻ならば哲学者になれる」と言ったソクラテスの話もいい。「イスカンダル」(日本人には宇宙戦艦ヤマトで馴染みの深い固有名詞)はマケドニア大王アレクサンドロスのイスラム世界での呼称というのも勉強になった。「日本の寿司屋では白米のことを「シャリ」と呼ぶが、これもその形状が細かく分割された仏舎利(ブッダの遺骨)と似ているからである」という文を読んで、寿司を前にもうシャリとは言うまいと思った。苦行から帰ってきたブッダに乳粥を差し出したのは「スジャータ」という名の少女である。これも、どこかの企業がブランド名に使っている。
「三蔵法師」と「玄奘」が別々の人間として存在していたことも知った。西遊記のモデルは玄奘の方である。「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の関係も分かった。超越存在に対して、いくつもある並行世界のうち、この世界では釈迦如来、別の世界では阿弥陀如来がいるのだ、という理屈だけでも教えられていたら、高校日本史の仏像名の暗記はもっと楽だった。
まさに自分が知らないことを教えてくれる本であった。ソクラテスの「無知の知」をもたらしてくれる本である。