紙の本
好きだから
2019/11/15 22:51
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
研究とは何か、研究者とは何かを考えさせられた。山本貴光・吉川浩満両氏による研究者の整理はなるほどと感心したし、「研究者とは生き方のひとつだとよく思う」という、熊澤辰徳氏の言葉はとても印象的だった。執筆者のみなさんは、好きだから研究を続けられるのだろう。
紙の本
誰だって研究者になれるのだ。
2020/07/18 08:45
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学の偉い肩書がついた先生だけが、研究者ではないのですね。
一般的に王道と言われる方法だけではないのです。自分なりの経歴を積み重ねたい。
進路を考える本としても読みごたえがありました。
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人文系の研究では優れた書物や論文をたくさん読み、自分で学術的な文章を書くことで練習する以外に、正しい研究方法論を身に着ける道はない。そのための最も確実な方法は大学院で学ぶこと。
研究者というのは一回なればずっと研究者というわけではなく、長くアウトプットを出さなくなったら、そのときは研究者とは呼び難い。成果を出す。
ジャーナリスト、ノンフィクションライターなどの活動で、見失われた資料の発掘、埋もれていた歴史的事実に光をあてる。専門的な知識を非専門家にも理解できるように創意工夫する。
在野での研究を後押しするのは好きという感情それによって、どんなに苦しく険しい道も楽しく乗り越えていける。たとえ誰の役に立たないとしても、自分の気持ちを満たすことができる。
研究者の自尊心を失ってはならない。自分の研究のオリジナリティとプライオリティを失わないこと。在野で活動するからこそ、知らなかったは禁句である。
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本書では、大学に所属をもたない「在野研究者」15人が、研究生活の実践と方法をおのおのの体験の中で論じている。
本書を読み、在野研究を続けていくには研究費の問題や文献の入手などいろいろと困難があるなということも感じつつ、好きな分野について、別の仕事を持ちながらでも在野研究に心血を注ぐことの魅力を大いに感じた。
本書の中では、公務員として政治学史を研究する酒井大輔氏の「職業としない学問」、趣味としての研究を楽しんでいる工藤郁子氏の「趣味の研究」、サラリーマンをしながら週末に研究に勤しむ伊藤未明氏の「四〇歳から「週末学者」になる」、ハエとの出会いで人生が変わってしまった熊澤辰徳氏の「エメラルド色のハエを追って」、公務員をしながら怪異・妖怪の世界にどっぷりはまる朝里樹氏の「好きなものに取り憑かれて」、地域おこし協力隊として西周の研究を通した地域活性化に取り組んだ石井雅巳氏の「地域おこしと人文学研究」が特に興味深く、自分にとって示唆的だった。
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様々な立場にある在野の研究者たちの研究スタイルや仕事や家事などの生活とバランスの取り方などが各章で紹介されている。また研究したくなった。
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「研究者」というと、大学や研究機関に所属し、自分の研究分野に関連する学会や学術雑誌で研究成果を発表する人というイメージだろうか。
もちろん、そうした研究者は多いが、本書で扱うのは、いわゆる「在野」の研究者である。つまり、「職業」としての研究ではない、どこにも「所属」しない研究である。
編著者を含めて、さまざまな分野で、己の興味の対象を探求する総勢18名。
さて彼らがどのように今の研究スタイルにたどり着き、どのように研究を推し進め、どのように発表の場を持っているのか、研究者自身の執筆により、または対談形式でその姿に迫る。
大学などの「在朝」研究者に比較して、「在野」の研究者のハンディとなるのは、研究に充てる時間また費用であろう。しかし一方で、カリキュラムやしがらみに捕らわれることなく、己の興味の向くままに、突き詰めて1つのことに取り組みことができるのが利点である。
「在野」の性質上、大掛かりな研究設備や機械が必要な分野には関与しにくい。したがって、本書で取り上げられる研究者は多くは人文系であるのは無理のないところだろう(例外は博物学的な生物研究者。この分野は古くから在野研究者の多いところでもある)。
現代ではインターネットの発展で、在野でも多くの資料に触れることが可能となってきている。非常に恵まれているともいえるが、それだけにどこに目を付け、どのように展開していくのか、「切り口」が大切になってくるともいえよう。
政治学、AI、視覚文化、活字史、妖怪、哲学。さまざまな研究者の姿から見えてくるのは、在野といえども閉じこもるのではなく、他の研究者とつながり、視野を広げていくことの大切さである。
在野としての自由度をどのように最大限に使っていくのか、キーはそのあたりにあるのかもしれない。
個人的には、青空文庫に関与し、また翻訳研究者でもある大久保ゆう氏の話をとてもおもしろく読んだ。
「研究」というと堅苦しいが、趣味の延長のように始まる「研究」があってもよいのではないか。もちろん、それを追究し、何らかのレベルに到達するのは難しいことなのではあるが。
多くの「在野」研究者の姿から、興味を惹かれる研究分野、あるいは研究スタイルが見つかりそうな、刺激に満ちた1冊である。
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学ぶことがただただ好きで、仕事をしつつも毎日学術書を読み続けることを辞められずに過ごしてきたが、そういう事が好きならばこのような生き方もあるのだなと励まされるような本だった。
学ぶ意欲を解放して様々な成果を上げている著者陣のライフヒストリーから学ぶことは非常に多い。
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大学に所属せず研究を続けることについての実録。それぞれが思いのままに書いていて、そのベクトルが様々なので少し読みづらい。その多様性の中に求めるものを見出す読者もいるとは思う。
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大学や研究機関に属さない色々な分野の研究者の方々が、自身の研究の動機・内容・スタイルなどを綴った本です。
研究とは何か広く考えるきっかけにもなるし、様々な分野の研究の特徴を知ることができるし(在野の研究者の方ゆえの事情が加味されてはいると思うけど)、職業としてでなくても研究を続けている方々だからこそなのか研究対象への熱意があふれてるし、いろんな意味で面白かった。
在野の研究者の方の困難の1つとして文献へのアクセスが挙げられていたが、オープンアクセスにより少しそれが緩和されたとも複数の方が書かれていた。
みなさん、苦労されてるのは、仕事との両立(物理的にも精神的にも)というかんじはしたが、適度なところで意識的に折り合いをつけつつ楽しんで研究されてるように思った。
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前作の『これからのエリック・ホッファーのために―在野研究者の生と心得―』と同様に、本書も純粋に学問に取り組みたい在野研究者にとっての福音書なるだろう。本書は在野研究の事例集であり、終始わくわくしながらページをめくった。分野や専門領域は異なるが、そうした事例を組み合わせることにより、読者の研究に対する姿勢や研究環境を整える手段を知る一助となるはずである。
例えば、政治学の分野と同じように、高等教育研究の分野もセミプロ(プロとアマの中間)が多いイメージがある。研究対象としての大学に身を置いて、研究者以外の職にある事務職員等の立場で研究するケースが、自分も含めて少なくない。また大学事務職員そのものを研究も多い。これは本書の内容と実際の例との類似点の一例だが、この他にも応用可能なケースが収められている。
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仕事と家庭研究を両立させてる人がたくさん出てくるのでメンタルいわしてる時に読んだら辛さがあるかもなと思った。
資金繰りの話もしてるし(いうてそんなに補助の話題がたくさんでたわけてはなかった気がする)手法?と話もしてるしあとアカデミズムを離れた研究についての話もあっておもしろかった。山本哲士さんて方がとばしてて読んでて楽しかった。
巻末にそれぞれの推薦本。アイデア大全が出てきてておっ、と思った。
002
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大学に属してなければ研究活動できない、というのは思い込みだった。この本に掲載されている方々は、個性的な研究を自由に行なっていて、逆に在野の方が伸び伸びしている様子が感じられた。ネット社会の今こそ、在野の研究者がもっと増えると思った。
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本当によくこれだけ集めましたね。
研究と飯の種を分けること「も」できるでしょうけど、実際には難しいのでしょう。
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「在野研究」…ざっくり言って大学や研究機関に所属せず、研究活動(狭義には論文執筆や学会報告など)をしている人達によるエッセイ。
いや世の中ホントに色んな人がいるもんだなあと感嘆した。勇気づけられるし、自分も何かしらノウハウを高めながら取り組んでみたいと勇気づけられる。
イベントにも行ったけど実は皆執筆には後ろ向きだった様で(笑)在野研究という概念自体に疑問や問題点を指摘する声も多々あり。別にアタシら在野とか在朝とか意識してないんすけどみたいな感じだったか…忘れたけど。
それでも「研究は研究(機関所属)者だけのものじゃない」と多様な実例を持ってブチ上げた事に読者は勇気づけられたのだと思うし、それは「在野研究」というキーワードの引力抜きにはあり得なかっただろうと思う。
在野に「研究」―論文執筆や学会活動等の実績やネットワーキング、ひいては序列化を持ち込まんでほしいなんて声もあったなあ…。まあそこは皆やりたいように好き勝手に知的生産すりゃいいんじゃないんすかね。というのが当面の理解。
とにかくまあ在野といえど色々あるみたいで、だからああいう驚く程反体制的アジりまくりのインタビュー記事も載せてるんだと思う。政治は免れんよと、ちょっと押さえてはおこうね、的な。
あと『これからのエリック・ホッファーのために』の方がマニュアル的に整理されているという話もあったけど、実際その通りなのでコチラもお薦め。
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会社員などとして働きながら、余暇の時間を自分のやりたい研究に充てる在野研究家の皆さんが、日々の工夫や苦労、考えについて綴ったオムニバス形式のエッセイ。
世の中には忙しい中でもこんなに学問している人がいるのか、と刺激的で面白かった。