紙の本
「読書会」は面白い
2019/11/21 17:02
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本が読まれなくなったと言われて久しいですが、世の中には有名無名、多人数少数精鋭、さまざまな「読書会」があります。
その中でも日本最大規模である読書会コミュニティ「猫町倶楽部」を主宰しているのが、この本の著者山本多津也さんです。
その規模といえば、年200回ほど開催され、参加人数はのべ約9000人というのですからすごいもの。
山本さんは現在もそうですが住宅リフォームの会社を経営されています。
山本さんが「読書会」を立ち上げたのが2006年、ちょうどビジネス本が若い人たちに大いに読まれていた頃で、学びを実行しそれを継続する仕掛けとして「読書会」を始めたといいます。
最初の課題本がカーネギーの『人を動かす』というのですから、ビジネススキルを高めるためというのがよくわかります。
山本さんの「読書会」は課題本を参加者が必ず読んでいることが参加条件ですが、「読書会」のやり方として参加者がそれぞれの本を紹介する形式のものもあります。
山本さんはこの本では自身の会のやり方を推奨していますが、これから「読書会」への参加を考えている人は自身に合った会を選ぶといいと思います。
山本さんは「読書会」で私たちがまだ自身で見つけられない自分を見つけるきっかけを引き出してくれると書いていますが、確かにそれはあって、他者の意見を聞くことで自分が知らなかった自分の好みなどがわかったりすることもあるのも事実です。
山本さんの「読書会」が人気なのは本から派生してさまざまなことを実行しているからだと思います。
そういう行動力企画力が本の魅力を最大限にしているような気がします。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書会を始めた人が、読書会とはどういうもので、どういう良いところがあるのかを詳しく説明してくれている。読書が好きなものどうしが集まって話をするというのは楽しい気もしました。
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p.151
読書の目的の一つは、読書を通じて自分自身の可能性に気付くことです。一度居心地の良い場所を見つけたのであれば、今度はぜひ外に目を向けてほしいんです。書を持って、もっともっと広い世界を目指してほしいんです。
→ それぞれの居場所となる読書会。そこでは参加者の人達の自信がすくすくと育つ。自信を弾みにみんな次のステージに旅立ち、キラキラと輝くことを願います。
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猫町倶楽部 代表 山本多津也さんによる読書会の指南本。山本さんの選書そのものも魅力的だし、ゲスト(著者)への声掛け、ファシリテーターが付くなど運営方法に工夫はたくさんある。でも、一番は、読書で「遊ぶ」ことに舵を切ったのが盛り上がりの秘訣なんじゃないかな、と感じさせられました。
http://www.nekomachi-club.com/
(発足は2006年!)
<抜書き>
・こと読書や学問といった分野では、なぜかやたらとストイックであることが良しとされる風潮があります。そういう人たちには大変申し上げにくいことですが、読書会は、とにかくとても楽しいものなんです。(p.8)
#とても共感!
・ビジネス書を扱う「アウトプット勉強会」とは別に「文学サロン月曜会」という新たな分科会を立ち上げました。どうせ文学を扱うなら、今度はとことん楽しみたい、文学で”遊べる”場にしたい。そんな思いで私は、あるときから読書会にドレスコードを設けることにしました。(p.23)
#副代表 朴さんの意見から。
・私達の会はたしかに、ビジネス書の読書会として始まりました。けれどもすでにその頃には当初の目的とは異なり、多様な人たちの集まる、一つの大きなコミュニティとして育っていました。学びと遊びの両輪で毎日を豊かにする、そんな目的を持った人達が集まる単なる勉強会を超えた組織になっていました。
そこで私は同年、組織全体に「猫町倶楽部」という新たな名前を付けました。(p.28)
#2009年 東京進出した年に命名。
・読書会を通じ、私が常々重要だと感じるのは、白や黒をはっきりさせることではなく、むしろその中間。グレーに自分を留め置くということなのです。
#読書でグレーに留まる力を養う。多数決で白黒つけて忘れるのではなく、対話でグレーのままモヤモヤと煮え切らなさ・曖昧さを持ち続ける!
・猫町倶楽部らしい課題本を選ぶ際の条件の一つに、汗をかく読書になるかどうか、とお話しました。普段簡単には手が伸びないような本を読むきっかけを作りたい、と。(p.96)
・猫町倶楽部の運営を通して私は常々、コミュニティというのは生き物であると感じています。同じルール、同じポリシーで運営していても、そのとき中心となっているメンバーの個性や、開催規模、会場など、さまざまな条件によって、雰囲気は大きく異なります。(p.112)
★合議制にはしない
猫町倶楽部を運営する上で、一つ絶対に譲れないことがあります。それは、何をやるにもあくまで ”私がやりたいことをやる”、そして ”私がやりたくないことはやらない” ということです(p.113)
#生活の6割を猫町倶楽部運営に費やす山本さんだからこそ。
・課題本を選ぶのが私一人である
・サポーターの任期は1年と決めている
★私が理想とするコミュニティは、この順序が逆なんです。まずはここにいたいと思う人を全員受け入れる。その上で、そこがなぜ居心地の良いコミュニティなのか、その環境を維持するために、中にいる人達にはどういう振る舞いや配慮が必要なのか。自分たちの居場所を守るためにどうすべきか。コ��ュニティのメンバー自身が自分の頭で考えて、矯正されたからではなく自主的に、コミュニティの環境を守る人であってほしいと思うんです。(p.123-124)
#ここ、とてもよくわかる。Quoraもそんな感じかも。
・そもそも私達がなぜ本を読むのかといえば、自分では生きられない人生を生き、視野を広げるためです。私達がなぜ読書会に参加するのかといえば、一冊の本の感想を複数の人と持ち寄り、より多面的な視座を得るためです。
では、これら一連の学びは何のためにあるのでしょうか。それはもとを正せば、生きるためにほかなりません。生活の中で実践してこそ、学びはようやく血の通ったものとなるのです。(p.150)
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https://www.read4action.com/report/detail/?id=1659
https://www.read4action.com/report/detail/?id=1654
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読書会ーー憧れる〜!!猫町倶楽部が近所で行われていたら行くだろうな…。
読書会への憧れを募らせる本。この本を読んで、(猫町ではないけれど)他の読書会への参加を検討するまでは、一歩前進しました。
精神的に潔癖?な自分には著者のタツヤさんが、その昔六本木でブイブイ言わせていたことや、猫町UGなるものの存在がちょっと受け入れ難いのですが、こういう人たちの集まりや試みには魅力を感じました。
巻末には、これまでの猫町倶楽部の課題本が載せられているので、参加できなくとも参加したつもりで、そのリストを追って、読むこともできそうです。
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大学の先輩がご活躍をされて何よりです‼️
楽しく読ませて頂きました。朴さんが、癌とは知りませんでした。連絡取ってみます。
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「猫町倶楽部」という有名読書会の主宰者による、読書会運営の実践書。2006年に始まった「猫町倶楽部」は、名古屋を中心にするものの東京も含めて各地で開催され、年200回程度の頻度、のべ参加人数約9,000人という巨大読書会コミュニティである。そんなコミュニティがあることとはまったく知らず、この本を手に取ってはじめてその存在を知ることになった。著者は、読書会の主宰者として、自身の約6割の時間をこのために割いているという。その運営手法には確固としたポリシーがあり、なかなかそこは生半可な人にマネできそうなことではないが、参加するハードルは高くなさそう。
参加の基本ルールは「指定された課題図書を必ず読んでくること」、のみ。
巻末にその読書会の課題図書のリストが載っているが、チェックしたところ150回中で65回は読んだことのあるものだった。趣味が合うというか、なかなかの確率だと思う。「浅田彰や中沢新一、柄谷行人らに代表される”ニューアカ”ブームの真っ只中」に読書と思想の世界に足を踏み入れた、というので同時代人ということなのだと合点した。
「正しいことを理路整然と主張するのって案外簡単です。間違っていると思うことを理路整然と否定するのも、やっぱり案外簡単です。難しいのは、この側面から言えばこういう良さもあるけれど、この側面からみればこういう難点もある、というように、一つの物事の判断を中間地点に保つことなんです」
という著者は、
「煮え切らない状態を抱え続ける力。安易に白か黒かをはっきりさせず、グレーに留まり続ける力。私はこれこそ「知性」ではないかと思います」
という。
そう、テクストの解釈を他者と共有する読書の歓びは、このグレーに留まる力に依存する。
「自分の発する言葉に一番影響を受けるのはほかならぬ自分自身だろう」ー 他で参加している哲学系の読書会でも、いつもそう思う。
早速2020年早々のデビューを目指したい。楽しみ。
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2020年1月19日『[新版]競争戦略論I』の回に初参加。色んな人の色んな意見があって楽しかった。引き続き参加予定。
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読書会の基本的なポリシーみたいなところは、読んでいると、そうだそうだ、と読めますし、そこで言われている大事なことにあまり目新しさは無いのだけれど、大切なことなんだよなあ、と思える点は、きっとその論理を含んだ考え方全部が、時代の進みによってここ何年かでコモディティ化してきたものであったからではないか。それだけ、無理なく、既視感すら感じながら読めました。でも、そこで述べられたことは、至極まっとうな考えだと思いました。どうやら、読書会とは楽しむものであって、肩の凝らない集まりとして、少なくとも本書の著者が主催している読書会・『猫町倶楽部』は存在しているようです。本書は、そんな『猫町倶楽部』の誕生きっかけ、運営方針、などを紹介し、読書会でいろいろな人たちと語り合うことが多角的な読書になることを示し、加えて、読書会は居心地の良いコミュニティとしての面があることも示してくれます。いいですよね、そういう「居場所」って。
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名古屋を拠点に全国5都市で開催されている猫町倶楽部の読書会主催者が語る。開催の経緯、人生との関わり、読書会とはどんなものでどんな効果や可能性があるか、運営の方法などについて。
町内会や公民館といった従来型コミュニティと、ネットベースのコミュニティ。どの程度の距離感なんでしょう。
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話題の読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の主催者・山本多津也氏の「猫町倶楽部」に関する紹介本である。「読書会入門」という一般的なタイトルとなっているが、内容は「猫町倶楽部」ガイドという感じだ。
本書は、著者の初の出版本のようではあるが、この「猫町倶楽部」はすでに様々なメディアで、取り上げられている話題のコミュニティである。
最初にスタートした名古屋拠点から、東京、大阪、金沢、福岡と開催拠点を拡大し、現在ではのべ9000人が参加しているという。
課題本を決めて、予定した日に、メンバーが集まり、その本についての意見を交換しあうというスタイルは、これまでもあったようなオーソドックスな読書会と思える。「猫町倶楽部」も、著者を中心とした仲間同士のそういう集まりからスタートし、そして発足から14年たった現在でもその基本スタイルは変わっていない。
ただ、「文学」「哲学」などテーマごとにいつくかのユニークな分科会が拡張されてきていることや、懇親会的にイベントを計画して、さらに参加者どうしの親密度を増す仕掛け作りをしていたり、作家など著名人をゲストとして会場に呼ぶなどのオリジナリティある工夫や、読書をトリガーとした楽しめる場を作り出すというコンセプトが
斬新である。
注目を集めている理由は、上記の斬新さの部分の要素は大きいが、やはり基本路線を崩すことなく、主催者の信念ともいえる運営ポリシーがある意味新しいからだと思う。
主催者は「読書」を通じて、「人と人との」リアルなコミュニケーションの場を提供すること、また自分自身が楽しむことをポリシーとしているようだ。
これだけネット社会が一般化した現在において、こういうリアルなコミュニケーションの場が基本となっているコミュニティは、古いようで、逆に独特で新しささえ感じられる。
簡単な参加条件(課題本を読んでくることだけが条件)、上下のないフラットな集まり、お互いに意見を否定しないという平等でかつ互いを尊重しあうシンプルなルールがよい。
課題図書は、主催者の山本氏が毎回決定しているとのこと。これまで選定された課題図書が、巻末に掲載されているが、山本氏は「汗をかく読書になるか」を条件としているようで、それがまたこの読書会の魅力でもあるのだと感じる。
山本氏曰く。「汗をかく読書、汗をかく音楽鑑賞、汗をかく勉強。何だっていいんです。最初の一歩を踏み出す好奇心と、理解を深めるためのほんの少しの辛抱。この二つがあれば、長い人生を決して飽きることなく、充実して過ごすことができるだろうと、私は思うのです。」
本書を読んで二つの願望が生まれた。一つは。掲載された課題図書の中にある多数の未読本を読みたい。二つ目は一度でもリアルに参加してみたい。
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猫町倶楽部の読書会でも、一つだけルールを設けています。それは“他人の意見を決して否定しないこと”。せっかく勇気を持って発言したことを「それは違う」と頭ごなしに否定されるような場であれば、誰も次の発言ができなくなってしまいます。(p.38)
時代を超えて読み継がれる古典文学には、それだけの理由があります。普遍的なメッセージが込められているばかりでなく、のちに登場するさまざまな作品に影響を与えています。(中略)古典文学というのは、過去の人と現代の人を繋ぐ、言うなれば共通語のようなものであり、今、私達の触れる文化の背骨としてあるものなのです。(p.44)
“貴女が、日常に、毎日の暮らしの繰り返しにはまり込んでいるのならばいい。しかしもしもそこから溢れでるものを持っているのならば、貴女は書物をしか友にできない、書物の中にしか自分の姿を見出せない、いくつかの夜をもつだろう”(福田和也『成熟への名作案内』p.61)
体や、体を通して得る、言葉にできない感覚。私達はこういったものからも常に情報を受け取っています。そして言語による情報と非言語の情報は右と左のタイヤのようなもの。自分をまっすぐに前進させるためには、両輪を同じように回転させなければならないと私は思います。(p.84)
“書を持って街へ出よう”
私はよくこういう言葉を使います。日常の延長線上には決して発生し得なかったであろう偶然の出会いを求めて、書を持って街へ出ましょう。家の中で一人で本を読むのでなく、家の外で、みんなで読んでみましょう。知らない誰かに指定された課題本を読み、それについて知らない人と話してみる。その場には日頃あなたが読まないような本を読む人がいて、日頃接することのないような分野で働いている人がいる、日頃訪れることのないような場所で開催されている……そんな会に身を置いている瞬間のあなたは少なくとも、日頃あなたを包んでいるフィルターバブルの、一歩外側に出ているだろうと思うのです。(p.96)
“同じ事実を違ったように見ていることをお互い知ること自体が、コミュニケーションである。”(ドラッガー『マネジメント』)
とても難しいことですが、私達はこういった意味でのコミュニケーションを決して諦めてはいけないと思うのです。(p.143)
読書の目的の一つは、読書を通じて自分自身の可能性に気付くことです。一度居心地の良い場所を見つけたのであれば、今度はぜひ外に目を向けてほしいんです。書を持って、もっともっと広い世界を目指してほしいんです。自分の可能性を狭めているのは、自分自身なのですから。(p.151)
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著者の考え方や生き方にとても感銘を受けた。
何にせよ『私の』と思いがちな私に、共存共栄を説いて下さったかのようだ。
今年は一つ踏み出して見ようかと思う。読書会に。
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日本最大規模の読書会主催者である著者が読書会への参加の仕方、会の開き方から運営の方法や読書会というコミュニティがもたらす効果について書いており、特に読書会の開き方や運営に関しては読書会のみならず他のコミュニティにも活用できると思いました。
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読書会にはいつか参加してみたいと思っている。ただ本書の巻末で紹介されている課題本はハードル高めが多い印象。読書や読書会に関してだけでなく、組織の運営に関しても書かれており、悩ましいシチュエーションの対処事例として興味深い。