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- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/10/07
- 出版社: 朝日新聞出版
- サイズ:20cm/209p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-02-251642-8
読割 50
紙の本
小箱
著者 小川洋子 (著)
【野間文芸賞(第73回)】小箱の番人、歌でしか会話ができないバリトンさん、息子を失った従姉、遺髪で竪琴の弦をつくる元美容師…。「おくりびと」たちは、孤独のさらに奥深くで冥...
小箱
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商品説明
【野間文芸賞(第73回)】小箱の番人、歌でしか会話ができないバリトンさん、息子を失った従姉、遺髪で竪琴の弦をつくる元美容師…。「おくりびと」たちは、孤独のさらに奥深くで冥福を祈っている…。7年ぶりの書下ろし長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】
『ことり』以来7年ぶりの、書き下ろし長編小説。
死んだ子どもたちの魂は、小箱の中で成長している。死者が運んでくれる幸せ。
世の淵で、冥福を祈る「おくりびと」を静謐に愛おしく描く傑作。
私の住む家は元幼稚園で、何もかもが小ぶりにできている。講堂、給食室、保健室、人々の気持ちを慰める“安寧のための筆記室”もある。
私は郷土史資料館の学芸員であったバリトンさんの恋人から来る小さな文字の手紙を解読している。従姉は息子を亡くしてから自分の人生を縮小した。
講堂にはガラスの小箱があり、亡くなった子どもたちの魂が成長している。大人は自分の
小さな子どもに会いに来て、冥福を祈るのだ。“一人一人のための音楽会”では密やかな音楽が奏でられる。
今日はいよいよあの子の結婚式で、元美容師さん、バリトンさん、クリーニング店の奥さん、虫歯屋さんが招待されている。【本の内容】
著者紹介
小川洋子
- 略歴
- 〈小川洋子〉1962年岡山県生まれ。早稲田大学文学部卒業。「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、「妊娠カレンダー」で芥川賞、「博士の愛した数式」で読売文学賞、本屋大賞受賞。
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紙の本
美しいホラー
2020/03/21 16:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スカイブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼稚園だった家に住み続ける私の住む世界は、産院がどういう場所であったかも忘れてしまうほどの大人社会だ。誕生という概念が欠落している。
そのためか、死んだ我が子の遺品に慰められて生きる生活に、生き甲斐を見出す人々で溢れている。
ガラスケースに収められた子どもの遺品は物の扱いではなく、死を受け入れられない親たちにより、子どもが生き続けているかのように大切に扱われている。
私の住む世界の淡々とした日常に慣れていくせいか、読んでいると、だんだんとその世界の異常さに違和感を感じなくなり、安心感を抱いてしまいそうになる。でも、それが危うい。
人々は、ガラスケースの世界にだけ視野を奪われている。私の元に、管理に訪れる人々は、天の采配なのか、鉢合わせることさえない。遺品が主役の音楽会も【一人一人の音楽会】である。人と人との交流が希薄だ。
小さな頃の私は、残酷物語の少女の奇形を面白半分で眺めていたが、それは、小説内現在にあたる未来での私自身を含めた人々の生活を暗示していたようだ。背筋が凍るようなホラーである。
そのせいだろうか。病院患者の手紙を通してバリトンさんと私との間に育まれていく愛だけが、新しく生み出されていくものであり、とても神聖で尊い感情に思えるのだ。
紙の本
美しい小説なのだが
2020/01/20 08:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい小説だ。著者の透明感溢れる文章は「博士の愛した数式」でも感じた。美しい世界を描いているのだが,読んでいて感じる違和感をぬぐえない。 昔Nevil ShuteのOn the Beachを読んだときにも同じような感覚に襲われた。ひょっとして著者は日本が滅ぶことを期待しているのではないかとも思ってしまった。
紙の本
「一人一人の音楽会」
2019/11/12 21:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小川洋子さんらしい、繊細で密やかでちょっぴり奇妙な、長編小説。小川さんの作品も好きで良く読んでいますが、本作は何故か「のれない」感じでした。あくまで個人的な感覚です。
新作が出たら、またきっと読みます。