- カテゴリ:一般
- 発売日:2019/10/25
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/485p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-771680-1
紙の本
十三の海鳴り 蝦夷太平記
著者 安部 龍太郎 (著)
幕府に従うか、朝廷につくか。鎌倉末期の奥州、蝦夷。身の丈六尺三寸の青年・安藤新九郎がアイヌと力を合わせ切り拓く、真に進むべき道とは…。『小説すばる』掲載を加筆・修正し単行...
十三の海鳴り 蝦夷太平記
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商品説明
幕府に従うか、朝廷につくか。鎌倉末期の奥州、蝦夷。身の丈六尺三寸の青年・安藤新九郎がアイヌと力を合わせ切り拓く、真に進むべき道とは…。『小説すばる』掲載を加筆・修正し単行本化。安部版「太平記」シリーズ。【「TRC MARC」の商品解説】
ときは南北朝時代。
蝦夷管領、安藤又太郎季長の三男として生を受けた新九郎は、出羽の叛乱を鎮圧せよと命じられた。出陣を前に、叛乱について調査をした新九郎は、ことの首謀者が叔父の安藤五郎季久であることを突き止める。
天皇方と手を組み討幕を目論む父・季長。あくまで幕府方を標榜する叔父・季久。二人の間で揺れる新九郎だったが、やがて大きな時代の流れは押し寄せ、北朝と南朝に分かれて争いを続ける都と連動する形で、東北にも大規模な戦の影が迫る。
アイヌとの行き来、交易などにも着目し、当時の東北のひとびとがどのように考え、動いていたのかを新たな目線で読み解く。
鎌倉時代から南北朝時代にかけて、日本列島全体でどのような騒乱が起きていたのか、これまでの歴史解釈に大きな一石を投じる本格歴史小説。
【商品解説】
著者紹介
安部 龍太郎
- 略歴
- 一九五五年福岡県黒木町(現八女市)生まれ。久留米高専卒。東京都大田区役所で図書館司書を務めながら小説家を志し、九〇年『血の日本史』でデビュー。二〇〇五年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞、一三年『等伯』で第一四八回直木賞を、一六年第五回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。
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紙の本
最高!
2019/12/29 11:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやー久しぶりに面白い本が手にできた。読み始めは人物関係が
ややこしく思えたが、メモしながら読み進めるちに、引き込まれていきました。
東北の男の戦い、女の闘い、家族の思い、政変、そして冒険、格闘、
などなど、盛り沢山で、ぜひともお勧めしたい。
紙の本
物足りない十三湊安藤氏
2020/02/11 21:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
安部龍太郎が著わす太平記三部作の最新作である。前の二冊が佐々木道誉、楠木正成、前作が新田義貞を主人公としたものであった。三部作の最後の本書では、太平記ということで、鎌倉後期の津軽十三湊を舞台としている。とはいえ、当時のこの地に盤踞していた安藤一族に関わる物語である。
津軽では鎌倉幕府から蝦夷管領職がこの地方を仕切っていた。津軽、出羽の北部、北海道の南部である。この管領職に安藤氏が就いており、周辺の集落の長をその息子、弟、アイヌなどに任されていた。陸奥の国々が朝廷との戦いに疲弊し、最後は源頼朝に奥州藤原氏が滅ぼされてしまった時代である。
安藤氏は大陸、都との交易で豊かな暮らしぶりであったが、幕府の収奪などに苦しみ、朝廷、この場合は護良親王、北畠親房などの大物が登場し、討幕共闘を誘ってくる。管領職の安藤氏もそれに乗るのだが、親王や親房はなかなか動かない。主人公は安藤氏管領の息子であるが、主人公の描き方にやや難がある。新田義貞、佐々木道誉、楠木正成などの太平記でお馴染みの武将達とは異なり、線が細く、強力なリーダーシップで軍や民を率いるという描き方をしていない。
加えて、都の親王や公家もとうとう動かず、この津軽、出羽の領民をどうすべきかがよく分からないままであった。陸奥については安倍貞任、宗任などの安倍氏、あるいは清原氏などは朝廷との戦いで苦杯を舐め、黄金楽土は夢となってしまった。しかし、そのさらに北に住む蝦夷等の活動はあまり知られていない。蝦夷の活動が知られていないだけでなく、幕府の統制がどの程度及んでいたかもよく分からない。
時期的には執権北条高時の時代なので、幕府崩壊も近かったはずで、親王や公家が動かなかったというのも納得できない。力量のある主人公がいなかったのか、やや期待が外れてしまった。太平記にこだわり過ぎて、管領職安藤氏の挙動自体が疎かになってしまったような気がするのだが。