あなたのゼイ肉、落とします （双葉文庫）

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胸がいっぱいになる本
体のダイエットではなく心のダイエット。
自分も何か頑張りたい！夢中になりたい！という気持ちが溢れてくる。

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本当にダイエット本だと間違えて買ってしまいました。苦笑

騙された！金返せ！！
、、、とは全くならず、なるほど！と唸ることもしはしば。

家族と向き合い、自分と向き合うこと。
本当に大切なことはダイエットをすることなの？と本質的な問いを頂きました。

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『あなたの片づけ手伝います』を書いた大庭十萬里（とまり）の妹で『あなたのゼイ肉、落とします』を書いた大庭小萬里（こまり）がダイエットの個別指導をするお話。
ケース１園田乃梨子４９歳。
ケース２錦小路小菊１８歳。
ケース３吉田知也３２歳。
ケース４前田悠太１０歳。の４話です。
『あなたの人生片づけます』はとても怖かったけど、こちらは冷静にストーリーを楽しく読めました。
小萬里はみんなに、どんなスタイルのよい人かと想像されるのですが、実は５０代のぽっちゃりしたおばさんなんです。

私は、十代、二十代の頃は結構食べていましたが、代謝がよかったせいか痩せていて、そんなに太りませんでした。
小萬里のチェックシート（４つ以上イエスがある人は小萬里に相談）にイエスこそありませんでしたが、今は完全にオバサン体型です。
だから、一番、ケース１の乃梨子の気持ちがよくわかりました。
小萬里の「心のゼイ肉、落とします」がよかったです。
乃梨子の場合は、もう若くないんだから無理なダイエットはしなくていい。太っていることを受け入れなさいということです。よくわかります。
ただ、老後に体が動かないと、自分で自分のことができないのは困るし、ぽっくり死にたいなら運動はしなさい。ということです。
乃梨子は時間がなくて、運動できないと言っていましたが、家族に自立してもらい自分の時間を手に入れます。
私も、数年前、糖質制限と運動で、半年で７キロ痩せたことがありますが、もう、毎日おとうふとこんにゃくとキャベツばかり食べるなんて、やりたくないです。すごい御馳走や、甘いものをたくさん食べたいとは思わないけれど、普通の食事がしたいです。でも、運動はしないといけないと痛感しました。

他にも３つのケースがありますが、まずは、それぞれの抱えているストレスをなくして「心のゼイ肉」を落としていくことから、始まります。

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ケース１　園田乃梨子49歳
夫婦共働きで正社員として働く乃梨子は、色々なダイエットに手を出してもいよいよ痩せなくなってきた。『あなたのゼイ肉、落とします』著者・小萬里のアドバイス「ブスとして生き直す」「家事を手放せ」に向き合い、自分の健康や気持ちを優先する大切さに気付く。

ケース２　錦小路小菊18歳
パティシエになりたい夢を訴えて、父と衝突して以来太り始めてしまった小菊。小萬里のアドバイスを元に自作のかぼちゃのパイを考案し、友人のツテで販売を始め、自活の道を見つけ出す。

ケース３　吉田知也32歳
交通事故を起こし、昏睡状態から目覚めた知也だが直近１年半の記憶がない。久しぶりに見た自分の姿はデブ、ストイックだった自分がどうして。横暴だった父は大人しく、父に怯えていた母は毅然とした態度を貫くように。父を毛嫌いしていた姉も今は家族に馴染んでいる。会社に復帰したものの、周囲からは浮いている自分。一体、記憶が失われた間に何をしていたのか？

ケース４　前田悠太10歳
母子家庭で育つ悠太は、母親の帰りも遅く栄養不足な食生活を送っているため太っている。学校ではコロ助と呼ばれ、いじめられていた。アパートの隣人中学生・加奈が資源ごみに出した小萬里の本をきっかけに、自炊や犬の散歩のバイトを始めて環境が変わっていく。


垣谷さんの作品はとても読みやすく、前向きになれていい。十萬里姉さんの片づけ本も読んでみようっと。

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『あなたに人生、片づけます』の主人公・十萬里の妹・小萬里が、本書の主人公。肥満や肥満気味に悩む4人の悩みを解決していく。４人のケースが、短編として所収。相談者4人の生活や悩む心の原因を解きほぐしていく。

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自分はデブなのだと思うと投げやりな気持ちになる。
そんなに食べてないのに、の気持ちから逃げ出せずにいる。そんな人達に小萬里さんがやってきて、心のゼイ肉から落とそうとする。
働く主婦、大学生、サラリーマン、子供の4話はそれぞれに面白い。

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心の贅肉落としますってことで、太るのは直接的には食べ過ぎや運動不足なんでしょうが、その背景がありますよねって話で、人それぞれ色んな事情があって面白かった。
しかし、デブってのは想像以上に惨めな気持ちになるものなんですね。最近だいぶやばいので気をつける。
中編集なので読みやすいです。

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4本の短編があり、各話で異なる主人公の視点で描かれています。それぞれ味わい深い話なので、もっと続きを読みたいと思うのですが、途中で終わってしまうのが非常に残念でした。
依頼者の体重を落とすためには、単純に食生活や運動不足を改善するだけでは足りない。寧ろ、本人の根本的な意識や周りの環境から改善する必要があるのだと教えられました。

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園田さんの話が年齢的にこれからありそうな感じで、家事を手放していく必要性を感じました。
知らないうちに怖いおばさんにならないようにしたい。

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4人分の人生、考え方(またその変化)に入り込むことができてたくさん考えさせられた。
個人的に言うと、自分をダメだと思い込んで暗い雰囲気を出してしまう悪循環に陥っている女性、自立を考えることのなかった少年、学歴や社会的地位に拘りすぎるあまり、生きにくい人生を歩み、心にも体にもぜい肉をつけてしまう親達。
自分と重ねて考える場面が多々ある。

周りの目を気にしない生き方、社会的地位を優先しない生き方、自立する生き方。
また、自分のしたいことに本気になる生き方。

とても深く入り込みやすくたくさん考えさせられる内容だった