紙の本
謎解き要素よりも...
2019/11/17 12:51
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:氷狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
又次おじちゃんと亡くなった奥さんとの愛を通して、様々な愛の形が紡がれる。
倒れ、手術することになった又次おじちゃん。 気弱になったおじちゃんは美星さんに昔、奥さんが家出した理由を探すことを依頼するが...
謎解き要素と言うよりも、依頼の解決を通して主にアオヤマくんと美星さんの愛について、今一度語られるといった感じでしょうか。
最後の結び方がそれを示している様な。
これで終わりか続くのか微妙なところ。
もう少し謎解き要素があれば良かったかな。 その点では今一つだった。
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狭心症を発症し、突然倒れてしまった珈琲店“タレーラン”のオーナー・藻川又次。すっかり弱気になった彼は、バリスタである又姪の切間美星にとある依頼をする。四年前に亡くなった愛する妻・千恵が、生前一週間も家出するほど激怒した理由を突き止めてほしいと。美星は常連客のアオヤマとともに、大叔父の願いを聞き届けるべく調査を開始したが…。千恵の行動を追い、舞台は天橋立に!
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いつも割と狭い範囲が舞台となり、タレーラン自体も裏路地の奥にひっそりとたたずむ店なのだが、今作は、まるでトラベルミステリのように、天橋立と浜松とを行ったり来たりすることになる。藻川氏」は狭心症で手術を待つ見だし、途中美星さん自身も何者かに襲われて軽いとはいえ怪我をする。その前には、ひとりこっそり姿を消し、ほんの一時行方知れずになりもする。ただならぬ展開ではある。しかも、久しぶりに会う藻川さんの孫の小原ちゃんと行動を共にすることにもなり、あれこれ番狂わせが起こる。美星さんの頑固で強い一面も垣間見られ、ラストには、思い切った展開もあって、次がまた楽しみである。相変わらずおいしいコーヒーが飲みたくなるシリーズである。
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今回はなかなかの大移動でしたね。展開は途中から読めてしまったけど、今回は恋愛模様の進展もある感じで良かったと思う。先代のことは藻川からの依頼があったにせよ、結果、死者の秘密を暴くことになって、モヤモヤした。
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少しとろりとしたコクの奥にフルーティなほのかな酸味と甘味のある、そんな珈琲の香りが漂ってくる(残念ながら幻嗅です)シリーズ。
又次さんが倒れたというショッキングなオープニング。
手術を受ける前に、亡くなられて奥様に聞けなかった謎の解明を美星さんに依頼する。
ーーー
今回は、美味しい珈琲が飲みたくなっただけでなく、
ウナギも食べたくなるので要注意。
浜松は馴染みのある場所なのでなんか嬉しい。
又次さん、まだまだ活躍して欲しい。
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シリーズ第6作。
今回もほのぼのしているのに、謎は謎として面白く楽しめた。
主人公の一人であるバリスタの美星のおじの亡くなった奥さんの過去を探る物語。
奥さんに何があったのかを突き止めるのが本題だが、それとは別に驚く仕掛けがありビックリさせられた。
このシリーズのもう1つの楽しみが、主人公2人の恋の行方なんだが、男性主人公のアオヤマが美星のカフェに就職することになりそうな感じで終わる。
ネタバレの部分だが、一緒に奥さんの過去を探していた美星の親戚である小原が本人ではなく、本人になりすました小原の友人であったのがホントビックリ!
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・今回は完全にひとつの話。
・藻川又次老人が入院。死をイメージしてしまった老人が気になっていること、奥さんが生前コーヒーカップを又次老人が割ったことで激高し一週間行方不明になったことがあり理由とかどこに行ってたとか不明でもやもやしたままなこと。美星とアオヤマが調べることになったが。
・タレーランのコーヒーの味の原点がわかる。
▼タレーランに関する簡単なメモ(いくらか累積)
【アオヤマ】理想のコーヒーをタレーランに見た青年。後に美星と互いに憎からず思うようになる? ブルマンにちなむ? ただし本名はいまだ不明。
【江角蘭/えすみ・らん】影井城の妹で兄の死後も影井城の家で暮らしている。足が少し不自由で息子の大(だい)の世話を受けているが、動けないというほどではない。
【鴛鴦茶】コーヒーと紅茶を混ぜ、無糖練乳(エバミルク)と砂糖を加えたもの。香港で飲まれているらしい。眞子がそれを出すイーグルコーヒーという店を教えてくれた。
【奥さん】→藻川千恵
【廻旋橋】天橋立にある水平に回転し船が通れるようにする橋。むかし回転するときわざわざこの上に残って陸と切り離されたことあり。なんとなく楽しかった。
【影井城/かげい・しゃとー】生涯のほとんどを浜松で過ごした画家。美星いわく青木繁を彷彿とさせる画風。藻川千恵となんらかの関わりがあったらしい。本名は「かげい・じょう」らしい。
【切間美空】切間美星の妹。
【切間美星/きりま・みほし】タレーランのバリスタ。バリスタと名乗りたいのでエスプレッソマシンを導入した。アオヤマの理想のコーヒーを淹れてくれる。見た目は高校生だが初登場時点で23歳。謎解きするときコーヒー豆をひく。キリマンジャロにちなむ?
【健斗】10歳くらいの小学生。父親がアメリカ人で、見た目は外国人だが中身は純日本人。
【小須田リカ】アオヤマの母がたの親戚らしい。コスタリカ。
【コーヒー豆の種類】この本とか諸々の本によるとによると、種類としてはアラビカ、ロブスタ、リベリカの3種類。今はアラビカ種が一般的らしい。銘柄としてはイルガチェフェ(エチオピア)、キューバ、キリマンジャロ(タンザニア)、グァテマラ、ケニア、コスタリカ、コナ(ハワイ)、コロンビア、サントス(ブラジル)、ジャワコーヒー(インドネシア)、トラジャ(インドネシア)、パプアニューギニア、ブラジル、ブルーマウンテン(ジャマイカ)、ベネズエラ、マンデリン(インドネシア)、メキシコ、モカイスマイリ、モカシダモ(エチオピア)、モカハラー(エチオピア)、モカハラーズ(イエメン)、モカマタリ(イエメン)。など、調べたのを並べただけですが。個人的にはモカ系はちょっと苦手で、苦味が強い系が好みかなあ。
【小島眞子/こじま・まこ】→眞子
【胡内波和】美星のことをよく知っているみたいなエリートっぽい眼鏡の青年。コナコーヒーにちなむ?
【佐野】京都国際医療福祉学院の男性講師。伊達涼子の担任。
【島善郎/しま・よしろう】京都国際医療福祉学院の講師。ふっくらとして人がよさそう。
【シャルル】タレーランにいる猫。
【瀬古秀平】京都国際医療福祉学院の講師。伊達涼子の実技の練習に付き合わさせられることになった。
【高野鷹】イーグルコーヒー店主。世界のコーヒーを出す。世界中のコーヒーを味わうために一緒に旅をした女性に急に婚約解消を切り出され了承した過去を持つ。
【伊達章三】伊達涼子の関係者。デイト薬品の伊達章三といえば財界で名を知らぬ者はないというくらいの人物。離婚している。
【伊達涼子/りょうこ】理学療法士をめざしている。
【タレーラン】舞台となる珈琲店の名前だが元々はフランスの政治家の名前らしい。《良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。》という名言を残したらしい。
【デカケッター】SNSの一種のようだ。まあ、だいたいTwitter相当かと。
【土居塔子】とある女子高生。名前まではわからなくてもこの娘がある巻の最初に出てくる少女であり、ある人物に化けているというのは謎でもなんでもなく即座にわかることでしょう。問題はどこで明らかにするかってとこ。いや、それもさほど重要ではないか。
【戸部奈美子】虎谷真実の友人。
【虎谷真実】アオヤマが2年ほど付き合った元カノ。通称マミー。柔道愛好会に入ってる。極端な性格でこの作品のギャグ担当? 続編あるなら今後の登場も期待。トラジャコーヒーにちなむ?
【根津焙煎所】主は根津選一。タレーランのコーヒーを焙煎しているロースター。タレーランを開く前から千恵さんと付き合いがあるらしい。
【眞子】とある少年が昔の河原で知り合った年上の女性。彼女をきっかけに理想のコーヒーを探しはじめることになった。旧姓は小島、今の姓は神崎。自分の思い描く物語で自分や他者をコントロールしようとするところがある。
【満田凜】美大生。切間美空の軽音楽サークルの後輩。最近スランプぎみ。マンデリンにちなむ?
【水山晶子】美星の友人。大学生。クリスタルマウンテンにちなむ?
【ミスリード】この話はミスリードをさそうような書き方を頻繁に使うので常に注意が必要。いや、騙された方が楽しいので注意する必要もないか。
【皆川紀香】イーグルコーヒーのバイト従業員。
【ミナト】ダーツプレイヤー。
【村治透】美大生。油絵学科。満田凜の元恋人。
【藻川小原/もかわ・おはら】又次老人の孫。息子の娘。今度高校二年生になる。名前の由来はスカーレット・オハラらしい。浜松在住。
【藻川千恵】藻川又次の亡くなった妻。タレーランを実質的に切り盛りしていた人。美星の恩人とも言える。
【藻川又次】タレーランのオーナー兼調理担当。アップルパイは絶品。ナポリタンもおすすめ。しゃべらなければ渋い。老人だがナンパが生きがい。モカマタリにちなむ?
【康士】伊達涼子のとこに飯を食いに来る青年。兄弟とか血縁関係? あるいは幼馴染み? とはっきりしないところでネタが割れたり。サッカーをしていたがケガをしリハビリを受け理学療法士になりたいと考えた。
【りりちゃん】コーヒー好きのビスクドール。
【ロックオン・カフェ】アオヤマがよくいる喫茶店。同志社大学の近くと思われるがモデルが��るのかどうかは不明。ロックオンやから鹿苑寺(金閣寺)近くで立命館大学かと最初は思ったのだけど。まあ、同大も遠くはなさそうやしどっちかやろうけど、京都在住ではないのでその辺の感覚はよくはわからない。
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珈琲店タレーランのオーナーであり、切間美星(きりまみほし)の大叔父である、藻川又次(もかわまたじ)が狭心症で突然倒れてしまった。
手術を前に、藻川氏は、確認しておきたいことがある、と美星に頼み事をする。
先に亡くなった妻・千恵が、激怒して一週間も家出したことがあった。
自分は怖くてその理由が聞けなかった。
それが心残りである、と。
常連客であり語り手のアオヤマも協力することになる。
そこに、藻川氏の孫で女子高生の小原(おはら)が飛び込み参加して…
シリーズ6作目。
前回からだいぶ間が空いたように思う。
以前から、美星さんのキャラクターがよくわからないと思っていたが、この本では、アオヤマも美星も随分と大人で安定したキャラクターに成長したと感じられた。
前作までを読んでいなくても、楽しめると思う。
藻川氏から受けた依頼からの謎解きは、失われた一週間の謎、そして失われた一枚の絵の謎へと発展する。
旅のミステリ要素もあり、同行する女子高生の、なぜか美星に反発するような発言も気になる。
古い愛にはとてもロマンを感じる。
それとともに、亡き人が墓の中に持っていった秘密を暴いても良いのかと悩む美星の気持ちも分かる。
美星もアオヤマも、今は亡き人たちの、確かに存在した様々な愛の形を知り、普段はおちゃらけている藻川氏の、うちに秘めた愛も知ることができたのだ。
そして、もう一つ。
知らないところでも一つ。
もう、コーヒーカップからあふれてしまう!
幸せな読後でした。
ご祝儀★5つ!
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3年ぶりのシリーズ新刊。
ビブリア古書堂と併せて、一時期ゆるふわ推理モノのツートップだと思ってたら、かなり間が空いてしまった。
久しぶりの新刊に、完結しなかったっけ?と思った次第(ビブリアは完結と見せかけて子ども出てきたからな)。
今回はタレーランのオーナー・藻川のおっさんが狭心症で入院するところから話が始まる。
既に亡くなった妻の千恵が、コーヒーカップを割ってしまった藻川に対し激怒して一週間戻ってこなかったことがあった。
その時に、何が起きたのかを調べてほしいと藻川氏に頼まれた美星と青山。
そこに、今回現れたのが藻川の孫、美星の姪、高校生の藻川小原だった。
小原も、この謎を聞きつけて調査したいと手を挙げる。
空白の一週間を追っていくと、かつて千恵の恋人だった男といたことが分かってくる。
その一週間に何があったのか、調べていくのだが。
今回の終わり方だと、まだ完結しそうにない。
美星と青山の関係も次巻に続く。
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タレーランシリーズ第6弾。
今回は亡くなった千恵さんに関するお話。
きっかけは又次の病気を機に、今まで理由が分からなかった千恵の激怒の真相に迫るかたちで。
過去の恋人影井の存在。そして最後の願い。登場人物ほぼ全てに愛があふれた話でした。
コーヒーカップにあふれるほどのいっぱいの愛。儚くも温かい話でしたね。
アオヤマくんと美星さんもとうとう…。次作も楽しみですね
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未熟だったころの
とても純粋な想い。
拙くてもまっすぐな想い。
いいあんばいになってきたかな。
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おじいさんの奥さんが亡くなる前の7日間行方不明になった謎を追う話し。
結末としてはちょっと物足りなさを感じたが、伏線として叔父の娘の謎はインパクトがあって面白かった。
謎解き、絵が好きな方におすすめ?
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前作で完結したと思ったら、第6作目が出てた。しかも美星バリスタとアオヤマ君の仲は進展してない。
軽めのミステリーとして楽しめたけど、美星嬢の聡明な推理で誰も気付かなないような凄い謎解き、という感じでもなかった。大命題の謎の周りに細かく謎を入れてくるのは、上手いなあと思うけど、あんまりスッキリしないなあ。
ネタバレになるから、詳しくは書かないけど、色んな状況を考慮しても金はあるんだから、二部屋取ればいいじゃんと思うよ。この点は話の作りが不自然だよ。
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3年振りに読んだシリーズ第6作。これも前作と同じく珈琲店タレーランにはほとんど関係ない話の長編で、こんどこそシリーズが終わりそうな感じ。結局、タレーランを舞台の謎解きは最初の3作だけだったなあ・・・ 今回は観光案内としては天橋立。浜松の天竜浜名湖鉄道も出てくる
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心待ちにしていた新作。前作までを読んでから時間が経っていたので、今までの事件について忘れてしまっていたりしたが、コーヒーの香りを想像しながら読み終えた。
おじちゃんの奥さんにまつわる話。最後まで切なかった。幸せなこともたくさんあるのに、切ない。おじいちゃんは幸せな気持ちで人生を終えられたのかとか、奥さんは後悔と幸せな気持ちとのあいだで揺れていて苦しくなかったのかとか、考えさせられる。そのときどきでベストを尽くしながら生きる人たちで、美星さんも、青山さんも、高校生の少女も、考えて考えて生きている感じが、私の心に響いた。
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珈琲喫茶タレーランの成り立ちを紐解く、亡き奥様と画家で元恋人との切なく胸に染みる純愛のお話でした。ジーンときました。40年越しの純愛。その裏にあるそれぞれの思いが伝わる描写に感動しました。また、今後の美星さんとアオヤマさんの恋の行方は気になるところです。早く次が読みたい。。。
最後のエピローグは、”いとをかし“でした。