電子書籍
久々に読み応えあり
2020/05/06 11:50
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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大沢作品は数多く読んでいて、少し飽きが来ていたが久々の新宿鮫はやはり読み応えがある。前作で課長の桃井を失った鮫島に新しい課長と仲間が。前作とのつながりが結構あるが前作はあまり覚えていない。読み直しが必要。
また、次作への流れもあり楽しみ。
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期待裏切らぬド定番
2019/11/26 02:44
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大風呂毛布 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい文体だ。
本シリーズは、ハズレ無しのストーリーと美文で、毎度惚れ惚れする。
冒頭は、夏目漱石の『草枕』を思わせる詩的な名調子。うーん、読ませるねぇ。
さらには、国籍不詳の登場人物たちが偽名を巧みに操るせいで、同じ人物の通り名が場面ごと/セリフの主ごとに度々変わるという、それはもうロシア文学の『カラマーゾフの兄弟』を岩波文庫版で読んだかのような頭の体操を強いられる。それが心地よい。
シリーズに共通する東アジア的エキゾチックさも健在で、山手線エリアの街の描写にマッチしている。
それと、些細なことだが、<防弾ベスト>というワープロで変換がたやすい文言を安易に使わず、<抗弾ベスト>という何やら銃器マニア臭のする呼称を使うのも作者の技術かな、とも思った。
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新宿鮫10
シャブの仕分け場所のタレコミ、民泊の部屋の管理会社は新宿区に届けなし。持主は
鮫島が監察官の藪にカメラ設置を依頼。新任課長の顔合わせ。単独張込みを告げる。
鮫島の同期の東大卒キャリアの香田は東亜通商研究会にいる。タミフルを北朝鮮におくり、拉致情報を得ようとした。
北朝鮮のスパイ、死神が日本で殺し屋。仲間に嘘の情報を国に流され妻が公開処刑
北朝鮮への恨み。タミフルを北朝鮮に送りたくないので輸出担当を射殺。
元公安で北朝鮮担当だった古本屋が北朝鮮、公安と情報交換している。
タミフルの保管場所が不明。民泊の管理をする元ヤクザの権現が浚われる。
鮫島とヤクザが協力して救出。
死神にヤクザの金庫番殺しを依頼した女が北朝鮮との商売に興味
殺されたのは陸(鮫島殺しを依頼して失敗)の知人
陸が女にプロの殺し屋を依頼。死神が犯人だとわかる
権現を救出しタミフルの場所判明。鮫島と藪で確認中、陸、女、死神が権現から場所を聞き出しやってきた。撃ちあいになり女と死神が倒れる。陸が逃走。香田が逃がす
タミフルは公安が証拠品として持っていく
女は仲間(中国残留孤児の2世3世グループ金石)とヤクザの金庫番をおとす。
海外送金のパスワードがわかると死神に依頼。自分は失踪。
死神は改造サイレンサーを使用するので藪が見つけた。
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内容(「BOOK」データベースより)
信頼する上司・桃井が死に、恋人・晶と別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、孤独の中、捜査に没入していた。北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に新上司・阿坂景子は、単独捜査をやめ、新人刑事・矢崎と組むことを命じる。一方、国際的犯罪者・陸永昌は、友人の死を知って来日する。友人とは、ヤミ民泊で殺された男だった―。冒頭から一気に読者を引き込む展開、脇役まで魅力的なキャラクター造形、痺れるセリフ、感動的なエピソードを注ぎ込んだ、八年ぶりのシリーズ最新作は、著者のミステリー&エンターテインメント作家としての最高到達点となった!
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10年近くぶりの新宿鮫。
桃井さんもいなくなり、恋人だった晶も今回は出てこない。
でも、だからこその新鮮な新宿鮫になってるのかもしれない。
たぶん、これが初めて読む新宿鮫でも違和感なく楽しめるんじゃないかなと思うぐらい。
オススメです。
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8年ぶりの新宿鮫。しかも700頁を超える力作。思えば、新宿鮫シリーズは、どれを取っても力作であった。ぼくは熱心な大沢ファンではないけれど、この鮫島刑事と探偵佐久間公、狩人シリーズの佐江刑事の足跡は辿ろうと心がけている。シリーズとしてぼくがあまり好きになれなかったのがこの新宿鮫だったと言うと驚かれるかもしれない。
29年前にノベルスとして登場した新宿鮫は、ノベルズならではの面白さと雑さを備えた軽娯楽小説であるように思えたものだ。もちろん圧倒的な面白さと評価され、大沢在昌をワンランク上の書き手にのし上げたのはこのシリーズであることに間違いない。しかしそのサービス過剰ぶりがぼくには鼻についた。刑事の恋人が女性ロック歌手という設定がその最たるものだったろう。今のように許容力のない三十代前半の読者の眼には、ちゃらい設定と映ったのである。
しかしストーリーテリングには、目を見張るものがあった。1990年代に続けざまに書かれた『天使の牙』『撃つ薔薇』等、少しコミックを思わせる設定の逸脱の中であれ、エンターテインメントとしての技術の高さを伺わせるところは新宿鮫シリーズとの共通項とも言えた。ハードボイルド作家の中でも若手と呼ばれる書き手の実験的試みは、少しばかり長過ぎた感のある助走の末、徐々に彼の実力を世に知らしめて行く。
新宿鮫はノベルスからハードカバーとなり、またノベルスに戻っては、ついにはハードカバーの比較的ページ数の多い大作となってゆく。それと共に鮫島の世界の厚みや深さも増してゆく。作者とともに年齢を重ねた本シリーズは、今ではすっかり大人の熟成した物語として完成度を増すばかりとなったのである。
そうした安心感のもとに手に取る本書の語り口は、エキセントリックなレトリックなど一切なし。むしろ素っ気ないくらいに飾らぬ語り口で、鮫島の置かれた国際都市新宿を軸にスケールの大きな諜報戦を交え、何層もの構造を持つ物語を紡いでゆく。
本書では、犯罪の温床であった密入国者たちのチャイニーズ・ストリート歌舞伎町から、より合法的でイメージアップした池袋の新中華街が物語の舞台の一部として紹介される。池袋西口のその新中華街をぼくは先月状況の折に歩いたばかりだが、今そう呼ばれていることは全然知らなかった。なるほど、とその夜のアジアンな雰囲気の池袋駅北西部の三角州のようなエリアを想い出しつつ、本書をよりリアルなものとして味わうことができた。
かつて鮫島を取り囲んでいたロック歌手の晶も去り、桃井も前作で殉職して、新たな女性課長や新人のパートナーまで登場し心機一転したシリーズである。これまでシリーズに手を付けなかった方すら引き寄せる魅力に満ちたアジアン・ノワールの魅力濃厚のどろりとした夜の世界をご賞味いただきたい。今では新宿鮫ファンとなってぼくのように、多くの新たな読者がこのシリーズ世界に足を踏み入れて頂けることを今ではぼくは願ってやまない。
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Ⅰからのファンだが、毎回出版される時代に合わせた(というより先を読んだ)犯罪や社会を描かれており、本当にリアルに感じる。その中で変わらない鮫島のキャラクターが活躍するのが面白い。
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ある悪女のインパクトが強烈で、それ以外の「死神」とか、ちょっと霞んでしまいます。
「わたしが好きなのは、お金や宝石やおいしいワインよ。そのために人を殺すのはしかたがないけれど、自分がつかまったり死ぬのは絶対に嫌。わかる?」って、、、わかります。いや、わからんけど。
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北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に、上司は新人刑事の矢崎と組むことを命じる。一方、男の死を知り、友人である国際的犯罪者・陸永昌が来日し…。8年ぶりのシリーズ最新作。
久しぶりの新宿鮫シリーズ、第1作からは30年経った。さすがに以前のような疾走感、緊迫感は感じられなかった。登場人物が多く、本名と偽名を使い分ける者が数人いて誰だかわからなくなることも度々。それまでの経過をまとめてくれるような部分が時々あって助けにはなったけれど。石田衣良のIWGPシリーズと同じように、長く続くと作者も年齢を重ねてそれが作品に投影してしまうのだろうか。
(Ⅽ)
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テンポが良く一気読みしました。ただし、ちょっと分量が多すぎるなと思いました。
(内容を問わず)個人的には400ページ前後がしっくりきます。
鮫島の相棒が新人なのにあまりにも頭が切れ、ずっと違和感があったので、正体が判明して腑に落ちました。
桃井課長は殉死したので再登場は叶わないが、元恋人の昌に早く再会したいです!
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新宿鮫シリーズは大好きなのだが、最近の大沢作品の傾向に見られる、よく分からない相関関係に今回も悩まされた。
単行本で700ページ超。もっと圧縮して、もっと密度の濃い物語に出来たはす。
期待が大きかった分、失望も大きい。
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鮫島側と陸側で同じ事実を抜きつ抜かれつするストーリー展開を追うのは疲れる読書だった。とはいえ、大部700pを実質3日で読み切るほどの面白さであった。大沢版「相棒」番外編といったところか。
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出だしはテンポ良くストーリーに引き込まれたが、中だるみというのかテンポダウンしてしまった。もう少し新本ほのかにかき回して欲しかった。
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長いけど、途中ダレずに一気読みです。さすが新宿鮫。ストーリーは盛り盛りだけど、そんなに混乱もせずに、読み通せます。
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久しぶりに新宿鮫読めて嬉しい。前作でメインキャラが死んだり別れたりでもうお終いだと思ってたのでとっても嬉しい。鮫島vs永昌の戦いが続きそうなので忘れないうちに次作を読ませて欲しい