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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読字脳。初めて知る用語だ。2つの脳半球、4つの葉、5つの層に関係づけて回路が形成される事によって読字脳が発達する。遺伝子を超越した人類の知性の功績だ。キャサリン・ストゥドリーによる読字脳を表現した脳の機能図(P95)に感心する。ところが、人類の知性が造り出したデジタル環境により人間の読字脳に問題を起こしつつある。
読字脳に関する話はおもしろい。デジタル環境が今後どのように読字脳に影響していくのか。これも興味深いところだ。
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知忍耐力に基づく深い読みは記憶を喚起し、内容を分析し、新しい考えを生成するという本による読字と言語スキルの発達の必要性を訴えると共に、社会的環境や倫理観の変化に伴って、デジタル学習による思考習慣の必要性も欠かせないという現代教育事情も加味した書。
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【読書の意味を改めて考えさせられる】
◇著者の主張自体は新しくないです。
・紙の本が「深い読み」を促す
・デジタル媒体によって、認知的持久力が失われている(「使わなければダメになる!」)
といったところでしょうか。
内容的には、『ネット・バカ』を、ブックカバーを変えて読んでるだけの気分に、しばしばなりました~。
◇では、本書オリジナルなところはどこでしょう。
「深い読み」の文化が失われていることを、嘆く著者自身が
知らぬ間に思考が狭まっており、
読み・考える能力が低下していることに気付かされ
愕然としているところではないでしょうか。
その著者に共感。
私自身も、じっくり読むことができなくなってきている自分に危機感を覚えました、、
(いや、元々できていなかったかも・・・)
◇失われた時間は戻りませんが、
改めて、本書で説明されるような、「深い読み」を実践していきたいとの思いを新たにしました。
特に、深い読みには「背景知識」が必要というところが共感。
そんな読み方ができるようになっていきたいです!
ステイホームの今がチャンスですね(^^)
「本を読むにはある種の静けさ、が必要だ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
◇ということで、この本を読んでみたい、と思ってくれた方に向けて、本書の取扱注意事項?ですw
・本書、Amazon他の評価が低いですねー
これは、1章、2章が、とってもわかりにくいからだと思います。
私も、なかなか頭に入ってきませんでした。
『プルーストとイカ』の著者だから、ということ一つで耐えました。
3章から読んでもらえればよいと思います。
・デジタル媒体の利点については、結局、とってつけたぐらいしか登場しませんでした。
いや、登場してないかも・・・
しかし、私は、本書で自分の読書体験上、初めて、デジタルを活用した読み方をしました!
すなわち、本文中で引用されている人物や書物で気になったものを検索した、ということです。
さも一般常識のように登場するにもかかわらず、わからない。自分の無知、背景知識のなさを思い知らされました。。。(まあ、私は文学部ではありませんのでやむなしということで)
読みたい本は増えましたが、まあ、一生のうちに読むことは難しいでしょうね~
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違和感ありありの日本語
流し読みをした後
読みづらかったので 要約サイト使いました
要するに 私には
調べ物やざっと情報を集めるような時は デジタルで じっくり考え 理解したい時は紙ですかね
今から 文字を読むことを始める子どもたちはまた違うのでしょう
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紙に比べると、電子のほうが斜め読みで深く考えることがしにくく、ディスレクシアなど学習障害の場合では、電子が適しているとのこと。
紙での理解度が高い人は、電子での効果は低く、電子での理解度の高い人は逆という記述は興味深かった。
家に本がなく、使い古した携帯だけが学習の接点であるという家庭では、深い読解をしはじめる時期でも適用できない例が多いとのこと。
読み聞かせは効果が高いようだ。
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☆電子書籍が子供に良い影響か悪影響か知りたい!脳の働きの説明の記述難解・短時間読了&ブクログ
第1~第9の手紙 ☆筆者・アメリカの研究者(背景不明でイメージしずらい) 若者でtl;dr too long didn’t read 長すぎたから読まなかった
脳の可塑性(☆可塑=外部に対応して変化する事) 使用する用語が難解 英語スペルを見た時の脳の解説 ☆漢字見た時の記述なし
☆例示が英語圏 For sale: Baby shoes, never worn. 未使用の靴だから悲しいバックグラウンドを意識する→☆英語ネイティブでなければ分かりずらい例・日本語版ようにうまい例示にすべき
読書で疑似体験可能 背景知識がなければ根柢の意味は不明になる
小説を印刷物とキンドルで実験→紙を読んだ学生の方が時系列、細部を正しく再現できた
理解力への影響は研究中☆出版社の利益とも関係する
フェイクニュースに操られやすい人の増加
デジタル時代の子育て バッタの心(次から次に注意が飛び回ってしまう)
子どもの脳は持続的な努力と注意に対する報酬をまだ学んでいない
本と画面からの情報の違い・仮説段階→画面では無意識に構えてしまう
グーグル、アップル、ファイスブックの設計者→中毒にすることを考えている
アメリカの子供・読み書きできない子が多く当局が危機感☆移民・英語のせい・当局が国の成長に危機感を持つハズなし・アメリカは世界の頭脳が集まることは自明
P215 英語の発音・フォニクスの解説が1ページ☆例を紹介しなければ日本人にイメージできない フォニックスの例なら分かりやすく解説可能 google→gugl 本当に英語の本を訳しただけの本…
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小説を読むことで、実際に脳がその感情、行動をとったときと同じ反応が示されるとは驚きだ。「共感」を育む、読書の可能性を見くびってはいけない。
記述的には冗長な部分が多いが、ときどきハッとさせられる部分もあり、注意しながら読んだ。著者は自分とは違う知的バックグラウンドをもっていることを前著以上に感じた。
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引用。
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人類は誕生時から字が読めたわけではない。
字を読むと言うのは自然な行為でも天から授かった能力でもなく、人為的・文化的な発明であり、生まれてから6000年ほどしかたってないのです。
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識字は人間に遺伝的に備わっている基本機能ではない(!)
脳の設計によって、後天的に備えている機能である。
そのため、対象の媒体(紙か画面か等)も回路の形成に影響を与える。
人が文字を読む時、脳はそれぞれの機能を同時に複雑に作用させ、理解に導いている。
文字を図形として取り込み、文字だと判別し、記憶の中の文字と照合し、連続した文字を単語として認識する…
現代の生活は、目まぐるしいタスクチェンジ、刺激により退屈を感じるのが早くなり
注意過多が発生している。
→人々の多動傾向が上がってると解釈
平均の米国人は小説一遍と同量の単語を毎日読んでいるが、その不連続性のため、理解の「深さ」が得られない。
現代、我々が消費を強要される情報量が多過ぎるため
それぞれに深くアクセスする権利を剥奪されている。
画面で読む本では、斜め読みが増え理解度が下がる研究結果が出ている
前半白眉だったけど後半様子がおかしく
「デジタルを否定しない」といってたのに
子供には紙の本で読み聞かせするべきだ!
集中力の醸成を妨げるテレビはウチの子には10歳まで禁止した!
等、使い古された懐古主義的論調になり始める。
あと全体的に文章が冗長。
同じ意見の研究結果の引用を、毎回10例7pくらい使って最後陶酔的な比喩で締めなくても伝わるから…
研究者として有能ながら、思想が極端または視野狭窄になりがちな人なのかな。
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著者はディスレクシア(失読症)の研究をしてきた脳科学者。
人は読む能力をどう獲得してきたか、人がものを読むとき、脳はどう働くかといった領域の研究をしてきた人らしい。
序盤に、読むときに脳内で何が起こるかを述べたあたりまでは、何か読みにくかった。
イメージ豊かに、(実際、シルクドソレイユのたとえを使う)伝えているのだけれど、どういうわけか難しい。
それから、音声言語を獲得するのは人間にとって「遺伝子的に」プログラムされているけれど、文字を読むことはそうではない、というのだが、行動が「遺伝子的に」プログラムされるって、どういうことなんだろう?
いや、こういう言い回しはこの本以外でもよく聞くけれど、改めてそれがどういうことなのか、実はきちんと説明をされたことないなあ、と思う。
さて関心の中心は、やはりデジタル媒体での読書と、紙の本での読書とでは何が違うのかだ。
デジタル媒体では、深く読むことが難しいという。
自分の実体験でも、そんな気がしないこともない。
ただ、それはもしかすると、現状の端末の環境では、ということなのかもしれないとも思わないでもない。
自分では考えられないことについて書かれているので、読む価値はあったと思う。
ただ、科学者が一般の人向けに、という配慮のせいなのか、著者の持つ文学的背景を共有していないからか、とにかく読みにくかった。
なんで読者への書簡形式なんだろう?
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読書方法:フライヤー
デジタル機器の普及により文字を読む機会は格段に増えているが、
深い読み(高次の読み)は減少している。
深い読みのプロセスに移入がある
他人の視点に立つという他者視点獲得のプロセスが大切
筆者の伝えたいことを、正しく理解する背景知識が必要。
今の若者とは、長い文章を読むことができなくなっている。
今のベストセラーの本は、あえて、行間を広げて文字数を減らしている。
子供の言語学習にとって、読み聞かせが非常に有効
読み聞かせは、共同注意を実現できるから。
子供の学びにとって、
物性と回帰性が必要
→電子書籍は子供の学習に向いていない
知識を広げていくのにデジタルは欠かせない。
ただ、その前提能力として、長い文章を紙媒体で読む訓練が必要
そのことで、デジタルの情報に触れても深い読みができるようになる。
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タイトルと原題が異なる。読者よ、戻ってこい。デジタル世界の読書脳。である。
どのようにデジタルでの読書と活字での読書が異なるかについての実験の説明があった。オーヘンリーの弱者の贈り物という小説で、デジタルで読むと筋が混乱して何のことかわからないという読者がいる、という話は驚きだった。
日本でもそうかもしれない。
デジタルのソフトウェアのことを書いたのは職業柄仕方がないのかもしれないが、無駄なような気がしあ。
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タイトル通りの本ですが、後半は、幼児期、児童期における読書のあり方に重点が置かれて書かれています。
デジタルはダメ、紙はいい、という単純な話ではなく、少なくとも幼児期(5歳以下)は、紙の本でしっかりと読み聞かせをして、読むことの基礎を身に付け、徐々に、デジタルものの割合を増やしつつ、デジタルものも読めるようにしていくのがよい、とのこと。
ある意味、まっとうな主張をしている本ではありますが、章によって読みやすさが随分異なる気がしました。
著者の問題なのか、翻訳者の問題なのか、読者である自分の問題なのかはよくわかりませんが、今までにあまり経験したことのないパターンでした。
他の人も同じような印象を受けたのか、そこが気になっています。
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興味あるテーマで、非常に考えさせられた。しかし、何だかスッキリはしない。根拠とする研究論文の正しさが不明だからだ。
デジタルと紙の本では、読書により活性化する脳の領域が違う。デジタルでは、斜め読み、飛ばし読みなどをする傾向にあり、認知忍耐力が養われない。乱暴に要約するなら、読む速度が違う、という事を言っている。読む速度の早いデジタルでは、深い読みで強化、形成される脳回路が育たない。事実、スタンフォード大学の研究によれば過去20年間で若者たちの共感が40%低下していることが明らかにされたという。
日本の話。文部科学省の調査では、小学生の読書離れという事実は無い。教育カリキュラムで、読書を積極的に推奨しているからだ。日本での共感を図る年次推移は不明だが、カリフォルニア州と日本で若者の共感性は異なるのだろうか。
デジタルコンテンツの方が、速読しがちなのは分かる気がする。カリフォルニア大学の世界情報産業センターによると、平均的に機器合計で約34 GB、1日10万語、つまり、現代人は、1日に1冊の本を読む以上の情報量をデジタルから得ている。次々と現れる情報の洪水に、読む速度は上がるはず。だが、紙面一枚をPDF化しKindleで読む場合と、その紙面を手元で読む場合と、何か異なるだろうか。本の重み、匂い、ページ感覚といった物性が齎す差異はあるだろう。しかし、やはり腑に落ちない。
寧ろ、若者の共感性に今と昔で差が生じているならば、読書率に因果関係はなく、生活における、欲望を満たす速度と頻度の違いが関係しそうだ。雑誌やテレビの習慣、連続するエンタメコンテンツを想像しながら待つ事は減り、サブスクで音楽も動画も即時入手。固定電話の先の相手を想像し、対策を練る必要もない。即席ポルノ、即時注文配達、移動不要なリモート対面。集まって互いの表情を見ずに行われる対戦ゲーム。斯様に、デジタルの影響を読書だけで語るのは、暴論だ。逆に、デジタルは読字習慣に寄与していると言える。リアルな交流を減らす事の弊害を考えるべきであって、読書とデジタルは、共にリアルに対し、逆相関にあるのではないか。
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新井紀子さんの”読解力の危機”というのは、けっこうこの本で触れられている「デジタル読み」(デジタル媒体で習慣化されてしまう斜め読み・飛ばし読み・キーワード拾い読みかつ行ったり来たり読みによる因果関係把握の弱さ・気を散らされることの多さによる注意不足、など)によるものが多いのでは、という気がした。
原文によるものか翻訳に由来するものかわからないけど、ちょっと読みにくかった。