紙の本
言葉と時が輝く
2023/01/07 17:44
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投稿者:令和4年・寅年 - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩人と歌人2人が連詩を作った記録。最初に連詩、次に感想戦、そして再び連詩を掲載する。感想戦を読んだ後に改めて連詩を読むと言葉の輝き、そして言葉が紡ぎ出された時が輝く。
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詩人・谷川俊太郎さんによる詩と
歌人・岡野大嗣さん、木下龍也さんの短歌による連詩
岡野大嗣さんの短歌から始まり
谷川俊太郎さんの詩
木下龍也さんの短歌
谷川俊太郎さんの詩
岡野大嗣さんとくりかえされる
ベランダに見える範囲の春になら心をゆるしても大丈夫
という春の日の光景から始まる短歌が
最初は恐る恐るつながっていったのが
段々と飛躍し、広がっていくのが面白かった。
ベテラン谷川さんの詩が間に入ることで
「これもありなんだ?」「あれもいいんだ?」と
なっていくのが目からうろこ
そして感想戦
これがあるのが一番素晴らしい
正直、詩も短歌もほとんど読んだことがなく、詠んだことも勿論ないので
味わい方が分からなくって、初読はさらさらと読み流してしまった
感想戦を読むことで、この詩の、この短歌のこのフレーズにはこういう思いがあったんだなとか、この言葉を拾って、次の歌に繋がっていったんだなとか分かり
やっと色々と理解が出来た
初心者向けの一冊だなぁと思う
全ての詩や短歌に感想戦が付いていたらいいのに~~
ちなみにタイトルが秀逸
今日は誰にも愛されたかった
岡野さんの短歌の一部だが、絶妙な引っかかり方をして印象に残る
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詩人ひとりと
ふたりの歌人による連詩が紹介されています。
18編の詩と18首の短歌からなる連詩は、
約4カ月をかけてLineを使って紡がれたそうです。
また本書では作者3名による対談という形式で、
それぞれの作品に関する思いが語られています。
言葉を操ることを生業とする方々の、
思考や技法を垣間見ることができました。
タイトルの〝誰にも愛されなかった〟ではなく、
〝誰にも愛されたかった〟も良いですネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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『あなたのための短歌集』で木下さんを好きになったのと、この試みが面白そうだったのと、装丁とページの色違いとかが綺麗で買った。とても良かった!『短歌ください』を読んでも思ったけど、解説というかなんというか、書いた本人だけでないコメント的なものがついている歌集や詩集とても楽しい。与えられたもので書く、というのももともと好きだからそれも楽しかったです。
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忙しない毎日を過ごしている人たちに詩を読むことを勧めたい。詩を味わっている時間だけは昨日のポカ、今日の雑念、明日の不安、全てを休止させることができる。
この本は谷川俊太郎と歌人二人の競演、連詩の創作過程(コトバとのいちゃつき)を思う存分楽しませてくれた。
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「今日は誰にも愛されたかった」この言葉が気になり、よんだ。短歌と詩の連詩。3人の連詩の座談会。なんだかふわふわしながら、読み終えた。市川!
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短歌と詩の連詩歌。
書いてあることから読み取ってつなげることの難しさと楽しさ。感想戦で自分の読み取りとの答え合わせや解釈の違いがわかる。
こういうの、久しくやってないなあ……。
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短歌も詩も、何か裏の意味があるはずで解釈しなくてはいけないと読むのではなく、書きたくて書いたので意味なんてないし、書き手自身に起きた体験と思って推察することも無用ということが分かりました。容易に展開を想像させないようなつながりでした。個人の物語として読み進めることができないように突然、市川(誰?)が出てきたり!そこはエッセイと違う点だと思いました。
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詩人・谷川俊太郎と歌人・岡野大嗣、木下龍也の3名による詩と短歌の「連詩」が収録されている。連詩というジャンル自体ほとんど味わったことがなく、まして詩と短歌という異なるジャンルで織りなされる連詩をどう読めばいいのか――最初は気負って読み始めたものの、あまり頭でっかちにならずに触れるのが正解な気がした。
谷川→木下→谷川→岡野……という36作の詩と短歌の応酬によってつくられた連詩は、どこか不思議で楽しい詩情のやりとりだ。度々登場する謎の人物「市川」に代表されるように、随所に遊び心が散りばめられていて、この3人だからこそ生まれた作品なのだなと思う。
創作中の振り返りである「感想戦」は、また読み応えがあっておもしろい。岡野による第一詩の生みの苦労や、大御所である谷川からどんな詩が繰り出されるのだろうという歌人たちのドキドキ、若手を翻弄する老獪な悪戯心の種明かし、なぜこの言葉を選んだかの解説とそこへのツッコミ、タイトルがつけられるまでのやりとり……と、連詩が生まれていく過程の実況中継には、ここでしか知り得ない貴重な知見が散りばめられている。進行者が連詩のお作法について尋ね、谷川が大岡信の言葉を咀嚼しながら詩作への考え方を開陳するといったやりとりも、とても勉強になった。
連詩のなかで特にいいなと思ったものを引く。
「まぶしさに視線を折られぼくたちは夕日の右のビルを見つめた」(木下)
「四季が死期にきこえて音が昔にみえて今日は誰にも愛されたかった」(岡野)
「火で終わるのも水で終わるのも災害の一語ではくくれない 戻らない人々を祝福するために俗に背いて詩骨をしなやかに保つ」(谷川)
特に結詩の「詩骨をしなやかに保つ」という感性は大切にしたいなと思う。「詩骨」という強く意味深い造語でまとめてしまう谷川の技量には、真剣で向かってくる若者を木刀で鮮やかにいなす老師範との乱取りを見ているような気持ちになった。
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谷川俊太郎、岡野大嗣、木下龍也 の三名が詩と短歌を連ねていく作品集。感想戦(本書より)とエッセイを含む。
初めて連詩というものを読んだ。
それぞれの詩も良いが、感想戦を読み進めていくと、どこをどう連想して書いているのかがわかって、より面白かった。
詩は自由なんだな、連想という制約があっても自由に世界を広げられるんだな、と感じられた。
詩に苦手意識のある人でも、コンパクトなボリューム感で読みやすいと思う。
装丁も美しくて良い。
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詩や短歌、書いている人がどういう意図で書いているのかや、他の人の作品をどう解釈しているのか、それらを才能あふれる3人が赤裸々に談義していて、とても面白かった。
谷川さんは超越しすぎてるけど、岡野さんの木下さんは世代が近いから読みやすかったかなぁ。谷川さんとは親子もしくはそれ以上に世代が違うのに、やりあっていて、このふたりすごいなぁ。
好きな作品がいくつかあったけど、またいつか読み返したらまた違うのが好きになるのかな、もっと理解できるかな、違うものが見えてくるのかなと思った。
また何年後化に読み直してみたい。
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谷川俊太郎✖️岡野大嗣(おかのたいじ)✖️木下龍也
の3人でつくった連詩とその感想戦。エッセイをまとめたもの。
"もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい"
大好きな↑の短歌を書かれた岡野さんの歌を読みたくて買った。
どうやって詩を続けるのか、どう考えて言葉にするのか、を本人の言葉で読めるのは楽しい。
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夏目漱石も言うように、人が生きていく上で欠かせない詩と歌の本。
(記憶で書くので曖昧な引用です。全然違うかも)
生きにくさが高じるとやすいところへ越したくなる。どこへ越しても同じだとわかると、そこに詩が生まれ、歌が生まれる。
ひとつまえの小説が強烈だったので、エッセイか古典か洋書か、ゆっくり読めるもの、とおもったのですが歌集はいいですね。胃もたれを防ぐのにぴったり。短歌集はストックしておこうかな。
木下龍也さんの本は最高に面白い。歌人を名乗って短歌を作りたくなる。歌に救ってもらえるんじゃないかと錯覚させられる。
記憶をもとに書いてるのは草枕の冒頭のことです。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかく人の世は生きにくい。
生きにくさが高じると、ってやつ。
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とても楽しい企画本。
世界的詩人の谷川俊太郎さんと、人気新鋭歌人のお二方、岡野大嗣さん、木下龍也さんの異種格闘連詩。
連詩とは、読んで字の如く、詩をふたり以上で次々繋げていくこと。連想ゲームの詩バージョンみたいなものかな、と、私は理解した。
岡野→谷川→木下→谷川……と繋げていく。
ベランダに見える範囲の春になら心をゆるしても大丈夫 岡野大嗣
から始まる、三人でしか作り上げられなかった世界に魅了されました。
その後は三人プラス担当さんで、自分の詩や短歌が作られたときの背景や、互いの作品に関する感想を語り合う“感想戦”
“戦”という漢字がつくけれど、めっちゃ楽しそう。若いおふたりは谷川さんに対する深いリスペクトを感じ、谷川さんの茶目っ気と気遣いが緊張感をフッと緩ませてくれる。
ラストのそれぞれのあとがきも“作品”で、谷川さんに至ってはこの方、口から詩が生まれて来たんじゃなくて、詩から谷川さんが生まれて来たんじゃないか、と思えるほど(←上手いこといったつもり)
岡野さんと木下さん、エッセイ出されてないのかな。
長い文章も素敵なので何か面白い企画のエッセイ、待ってます。
意外だったのは、作品と作者は別に考えてほしい、と、おっしゃられていたこと。短歌はフィクションも多いということ。歌人って、なんて恋愛体験豊富なんだろうと思っていた。
最後に一首。←短歌っぽいものができたので嬉しい。
「好きとしか 書けず指先 さまよって 。に想いを 込めてみるのだ」5552
ブクログに感想を書くときのノンフィクションです…。
「好き」以外の言葉を使って文章を書きたいのに、「好き」以外言葉が出てこなくて、仕方なく「。」に想いを込めることで何とか気分を落ち着かせる様子を現しています。
好き。な一冊となりました。
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タイトルが魅力的だった
感想戦がとても面白かった
解釈や思考の過程がみえて。
それを受けて読むとああなるほどなと思うのでした。