紙の本
上野さんと田房さん
2022/06/19 12:55
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後すぐの生まれの上野さんと、高度成長時代生まれの田房さんですが、世代を越えた会話の流れがいいです。その四章の、男にとって妻は他人、娘は分身という考え方、あるなぁと納得してしまいました
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上野さんと田房さん、異世代で話し合うことで、その間のフェミニズムの継承されなさ(今となってはあたりまえのように享受していることも含めて)が浮き彫りになっているのが面白い。上野さんの語り口が痛快。
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上野先生の話はとても分かりやすくて目から鱗で、聞き手の田房さんという方も、素晴らしい聞き手だと思った。
個人的なことは政治的なこと。
平等に扱われるために、男と同じになる必要はないし、男と同じになることは、既得権益側に立つということだから、私たちは弱いままでいい。
男社会で働き、その中で子どもを育てるということの、目指すべきところが初めて分かった気がする。
自立できるように手に職つけろ、子どもを産んだら終わり、母親のようにはなるな、でも結婚しないのは負け組、男にモテることが正義、声を上げるのは損…有形無形のいろんな圧力でがんじがらめになっていたけど、全てをリセットするいい機会だなと思った。
妥協する必要はない、言わないと変わらない、言い続けないと変わらない、だって言ったって変わらないんだから。
自分の怒りやこれまでの闘いが、決して間違いではなかったと思える。これもフェミニズムなんだという発見がいくつもあり、まさに個人的なものとして受け入れられ、腑に落ちる。
小さな違和感にも声を上げ続けようと思う。
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田房さんの「社会にはA面とB面がある」という表現が分かりやすく、自分が日常かかわる人たちがA面にいるかB面にいるかで見方が変わりました。例えば、職場では、B面の家族を持っているメンバーに対しては、それをA面のメンバーでカバーし、いつかA面に戻ってこれるときまで待とうという雰囲気に持っていくには、A面B面の話はみんなが納得しやすいと思いました。
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日本における運動の歴史を知ることができてよかった。
もっと過去や周りから学んで巨人の肩の上に立ってモノを見たり発信したりできるようになりたい。
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タイトルどおりの一冊。戦後から現代までの女性のあり方の変化やウーマン・リブや大学闘争のことから夫との関係までもやもやとしていたあれこれがクリアになった。
本筋ではないが第2章のエレベーターの件、わかるなあと思った。誰かが必死の思いで戦って勝ち得たものをひょいと横取りしてさも当然という顔をしている人がいる。お前も戦え、と言ってやりたい。
夫婦関係の件もそうなんだよね、言葉を尽くして伝えていかなければいけないんだよね、と思いつつ、でも、特に産後、先生の言葉を借りるなら「生もの」が目の前にいて、24時間体制で生きるか死ぬかの思いで世話をしてる最中に夫に対して全力でぶち当たる体力気力のある女性はかなり少数派なのではないか…と最近では思う。
しかし男は自発的に変わらないよと本書でなんども念押しされると、あ〜また戦わなきゃなあと思った(まだ思っただけ)。
第5章は読んでいて『傷を愛せるか』(宮地尚子 / 大月書店)を連想した。「弱さを抱えたままの強さ」をぜひ併せて読んで欲しい。それから『かわいい夫』(山崎ナオコーラ / 夏葉社)も。
以下覚え書き。
第2章
・The personal is political=個人的なことは政治的なこと(60〜70年代のウーマン・リブの標語)
それまでの「よりよい主婦」、「よりよい母」(=「男性や社会にとってのよりよい女」)を目指した運動とは異なり、「一人の人間」を主張した。
・ほとんどの駅にエレベーターがついているのは障害者の方が運動した結果。それなのに健康な人たちがわが者顔でエレベーターを占領している。かつてそういう人たちを罵倒したかもしれない人が、恩恵を被っている。
第3章
・一人一殺=夫を変化させる
夫に訴える=男社会に訴える
・女の人生の選択肢は増えたが、それに対応するように男の育て方は変えられていない。男には既得権益があり、男ボーナスがあるので男は自発的には変わらない。
・夫に反論したり意見するのをあきらめるのは関係をあきらめること。
・手を抜かない交渉を続けないと夫婦関係は変わらない。
第4章
・強者というのは弱者に対する想像力を持たずにすむ特権を持っている人たちのこと。
・男にとって妻は他人、娘は分身→娘が性被害にあったら…という想像の仕方⇄なぜ単純に自分の身に置き換えない?
・おっさんにとって、「女はどこかの男に属している付属品」→セクハラ研修:「取引先の娘さん、上司の娘さんかもしれませんよ」=男性間の権力関係に配慮しただけで、相手の女性を尊重したことにならない。
第5章
・男にとってフェミニスト=男みたいになりたい女、男社会を乗っ取りたい女=男の敵、男が支配していると自覚してるよね⁈
・フェミニストとは男になりたい女ではなく、ありのままの自分でいたいだけ
・男と一緒に戦争に行くのが男女平等ではない。
(男も男社会が辛いならフェミニストと一緒に戦っていいのに)
・フェミニズムは女が女であることを愛し、受け入れる思想
・右翼女性は弱さ嫌悪=ウィークネスフォビア、女が弱者だということを���悪して、ホモソの社会に同一化した女の人たち。男に過剰同一化して男から承認を得ることを期待する。
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なるほどなるほど。根本的には同意です。
自分に内面化された考え方のクセに気づくきっかけになるかな?
でもまだ自分の言葉でフェミニストの考え方を説明できないや。
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わー、めちゃくちゃ面白かった!最高の入門書!
生きてることが当事者運動、みたいな私にとってはとても勉強になりました。笑 自分自身をフェミと思ってないけど、居心地よく感じるのは「フェミとは多様性。一人一派かそれ以上ある」世界だからだと気づいた。
20代半ばくらいでこの本に出会えていたら(出版されてないけど笑)、あんなに怒ったり悩んだりしなくて済んだだろうなと思った。
かの有名な上野千鶴子さんの東大祝辞、「フェミニズムは弱者が強者になりたいという思想ではありません。弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」これは当事者運動全てが主語にあてはまるものだなあと思った。
またフェミニズムの標語「個人的なことは政治的なこと」もしっくり。人間同士の分断は、もとを正せば政治に原因がある、ほんとその通り!仕事も同じ。忙しい人同士で仕事押し付けあってカリカリしてるけど、そもそもそんな体制で仕事させてる組織の責任は?っていう。
・前回読んだ本に引き続き、性的な部分にはまるで興味がないんだけど、フェミの歴史を語る上では切っても切れない部分なんだということは理解した。
・活動の歴史を知ることはとても大事。フェミニズムにも歴史があるように男性の既得権益にも歴史があることも、マイノリティがかつて世間に叩かれながらも手にした権利を、叩く側のマジョリティーが我が物顔で使っていることも知らないでフェミの活動するとどうしてもうまくいかないことが出てきちゃうと思う。
・私、苦手な男性のタイプ「A面で権力ある・苦労してない」人だ…!笑 私はB面にいるのでA面だけを知って偉そうにしてる人には一言言いたくなっちゃう。私もこれからもドリルで穴開けてやるぜ!
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フェミニストに対する理解度が深まった感覚。ホモソーシャルな社会に所属している自覚って、こんなにも意識の表層には出てこないものんだなと気付かされる。
「一人一殺」の夫婦関係って身に染みる。価値観が断絶してしまっているところがデフォルトなんだから、責めあって罵り合うのが成長には必要なんだな。諦めたふりして逃げてちゃダメだわな。
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勉強になりました!フェミニズムという言葉は聞いたことがあったけれど、どういうことをフェミニズムと呼ぶのかわからなくて、読み終わった後もまだ完全には理解していないけれど。
今、当たり前のように受けている教育とか、働きかたとか、昔は女性に対する差別がひどくて、それらと闘ってきた女性の先輩たちがいたから今があるんだな、と思いました。
今でも平等とは言い難いところはあるし、差別がなくなったわけではないか、嫌なことは嫌だ!と声を大にして言っていかないといけないんだなと思いました。
私は女性だからとかではなく、私は私で生きていきたい。
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読了。日本は先進国でなかったことが、わかった。娘達が成人するまでより良い社会になるように努力しようと私、おっさんであるが思った。
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面白くて一気に読みました!
私の生きづらさは私だけの問題じゃない!
若い時から自分がモヤモヤしていたことは
社会の問題とつながっていたんだと納得。
団塊ジュニアの私
いかにボヤ〜と教育されてきたのか
そりゃ、男と女は平等といわれても
??と感じることが多かった。
自分の納得いかない感を受け入れていいのだとほっとしました。
さて、次の世代にどう伝えるか…
息子を持つシングルの私は悩みます。
社会で違和感に感じることは、まずはためずにはき出していくことをしていきたいです。
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すんばらしい本であるし、
この方が東大の学長になったということは、日本の最高学府もまだまだ捨てたものでない、という気がした。
股を開いて一人一殺!!
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ここ5、6年ほど、母と娘の呪いについて考える機会が多くなった。
その呪いのほとんどは、フェミニズムで説明できるんだということが、この本を読んで改めて実感できた。
そしてこの本を読んで思ったのは、私がこの呪いに全くかかっていないことが如何に幸運であったか、ということ。
まず、私の世代で両親とも大卒、というのは結構レアらしい。
そして、母自身は「男に選ばれてなんぼ」という価値観をほとんど持っていない。
彼女の友人たちは皆ハイスペック男性と結婚し、余裕のある生活をしているが、それを羨ましがる素振りもなく、彼女たちからマウンティングを受けている風もない。
これは多分、日本全国で見ると相当レアな環境なのでは?と思った。
なので、私自身は母からの呪いをほぼ受けていないのだが、だからこそ客観的に見れるのだろうか。
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2021.1.22
すごい本に出会ってしまった。
女の歴史ってこんなんだったのか。
息が苦しくなりながら読んだ。本当にすごい本だった。
もう、上野さんの言葉に共感しまくり。
「一人一殺」すごい言葉だけど、目の前の夫ひとり変えられなくて社会は変えられないは名言。
日本の女は大人しすぎると思うけど、大人しくさせられる扱いと教育しかされてこなかったんだと怒りが湧く。
「個人的は政治的なこと」そのとおり!
これから仕事復帰を控えていて、男社会の職場だから復帰後もいろいろあると思うけれどうるさいおばさんとしてどんどんガミガミ男に噛み付いて、めんどくせーヤツというレッテルを貼られながら次の世代のためにも女、弱者である理不尽と戦っていこうと思った。
中年になってからじゃないと理不尽ににも気づけないし中年じゃないと言えないこともたくさんあるなぁと気付かされた。
男に噛み付いていかないとおっぱいとお尻触られるよって本当にそのとおり。嫌なことは嫌って言わないと社会は変わらない。憂いてる暇があったら自分がやれることをやっていく。