紙の本
ほぼ半世紀ぶりに再会した父親は遺骨になっていた...。
2020/06/25 22:33
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学2年生の時に母と離婚して音信不通となっていた父に55歳で再会する。ただし、遺骨として...というシチュエーションが印象的。いろいろ葛藤しつつも、父親と再び出会ってゆく軌跡が描かれるのかなぁ...と思ったところで、上巻読了。父親を彷彿させるようなちょっと困った老人の存在とか、生前の父親を知る人々とかの存在も登場し、下巻でどんな風な結末を迎えるのか楽しみです。
紙の本
父子ってなんだろうね
2020/04/29 21:29
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いくら捨てたと言っても親子は親子。矢張り血のつながりというのはおいそれと切れるものではないと言うことがよく分かった。と同時に実でも義理でも親子・家族というものはなんと難しいものなのかということも良く分かった。
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THE、『重松清』。これぞ、『重松清』。親と子を描く天才ですな。どんな親でも親は、親。時を重ねて、子供だった自分も親の年になり、そして、親の年を越していく。血の繋がりがあるからこその、苦しみ、重み。ページの数だけ、どんどん、その『重み』が増していく。心して、下巻も読みたいな。
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内容紹介
世間が万博に沸き返る1970年、洋一郎の父は母と離婚後音信不通に。
48年ぶりに再会した父は、既に骨壺に入っていた。
遺された父の生の断片とともに、洋一郎は初めて自分と父親との関係に向き合おうとする。
朝日新聞好評連載、待望の刊行!
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上巻だけ読んでの感想です。
小さい頃に離婚し、父親は行方知れずになっていました。ふとしたきっかけで、約50年ぶりに再会。しかし、父親は亡くなっていました。亡くなった父親の部屋を見てみると、色んな本が。さらに自分史の発刊の依頼をしていました。
なぜ自分史を作ろうとしていたのか?
小さい時の記憶しかない父親が、どのように過ごしていたのか、部屋の遺されたものや知人の証言から徐々にわかっていく様は、ページをめくるたびにちょっとした満足感がありました。果たして父親はどんな人だったのか、楽しみです。
本作品では、様々な「親子」が登場します。年月が経つにつれて、なかなか親子と対等に話す機会は少なくなっていきます。登場する様々な親子を読んでいると、自分はどうだろうなと思ってしまいました。
本作品では、老人ホームの描写がありますが、老いていても、どんな場所でも人とのコミュニケーションは大事であり、なおかつ慎重しなければいけないなと改めて教訓を得ました。
父親の謎だけでなく、主人公が働く老人ホームのトラブルもどう展開していくのか、下巻が楽しみです。
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小学2年生のの時に家を出て行った父。
自分の孫が生まれる直前にその父の死が伝わってくる。
高齢者住宅の施設長を務める自分、高校の国語教師をしている息子。
全く覚えていない父の姿が、少しずつ見えてくる。
下巻が楽しみです。
帯 裏面
「「ひこばえ」とは木の切り株から若い芽が生えてくること。たとえ幹が倒れても、孫のような芽が生えるように、命は、親から子供を経て、孫の代へと続く。」
メモ
「これが命の色なんだ、と思う。体の内側から湧き出てくる赤なのだ。一生懸命、全身全霊、命懸けで赤くなっているのだ、赤ちゃんは。」
「孫は遠くから見守ることが肝心。」
「孫は来て良し、去んで良し。」
「History(歴史)にはstory(物語)が潜んでいる」
「どんな親だろうと、、、、親は、親だ。」
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主人公が自分と同じくらいの年齢なので、時代背景もよくわかり、物語に浸ることができる。下巻をはやく読みたいと思っている。
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自分の人生を振り返る時、ヒトは「瞬く間」と言う表現を使う。
けれども自分は30歳くらいの時、既に幼い頃の自分と現在の人生が繋がっている実感が持てないで、遥か昔の…?と言うか二つ分の人生を生きている様な気がしたものだった。
自分なりに波乱万丈な…と
・・・
しかし、
小説を読んでいると、
まんま自分と重なるような
「主人公」が幾人も…
「シーン」が何度も…
現れて感情を揺さぶる。
案外、普通やんか…
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『これは終わりから始まった父子の物語。父親は最初から死んでいるけれど、物語の最後にひこばえのような何かが残れば、小説そのものがひこばえになると思う』
ひこばえとは切り株から生えてくる若芽のこと。死んでも自分の血は受け継がれ家系は続き、ひこばえのように生えてくる思いや受け継がれる何かの話。
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久しぶりの著者本。
同世代として、今までの物語とは違う現実感がある。
読みながら自分も歳をとったものだと時間の流れとこれからを憂う。
はじめはあまりに平易な表現で少し物足りない気がしたが、後半からは、感情移入してすっかり身内の一人になっている。
下巻での母や姉の登場が楽しみである。
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初孫の生まれるタイミングで48年前に家を出たほとんど思い出のない父の死を知る。「流星ワゴン」「とんび」の系列に連なる重松清が描く描く父と息子の葛藤。
良い意味で筆者重松清も歳をとったものだと思う。主人公の男性の設定は高齢者向けの社会福祉施設の施設長。行方不明だった父。初孫の誕生。忍び寄る老い。非常に多くのテーマを盛り込んでいる。
幼い頃の家を出たため、ほとんど記憶のない父。48年間の空白。少しづつ明らかになる父の姿。主人公は少しづつ息子になり、また祖父になっていく。
重松清は、男親の家族に対する不安定な立場を強く感ずる能力を持った作家であると思う。子供が生まれた時の、歓びとは別の不安と違和感。家族の幸せの先に待っているであろう哀しみ、別れ。また人々はそれぞれ善良なのに互いに傷つけ合ってしまうパラドックスも。センチメンタルの裏に潜む不安定なものが重松作品に厚みを増しているように思う。
上下巻の上巻。遺骨を通じて役者は揃った。大きく広げられた風呂敷。下巻でどのように伏線を回収していのだろうか。
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【あらすじ】
世間が万博に沸き返る1970年、洋一郎が小学校2年生の時に家を出て行った父親の記憶は淡い。郊外の小さな街で一人暮らしを続けたすえに亡くなった父親は、生前に1冊だけの「自分史」をのこそうとしていた。なぜ?誰に向けて?洋一郎は、父親の人生に向き合うことを決意したのだが…。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
感想は下巻にまとめて記載予定です。
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父の足跡をたどる。空白は48年。「息子」になれて良かったね、というお話。ひとりひとりが丁寧に
描かれていて良かった。
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四十八年前に姿を消した父。
四十八年後に再会した時には、骨壷の中にいた父。
親と子。
その関係性さえも、曖昧になってしまいそうなほど、記憶にない父の姿。
本当の父の姿とは。
どんな親でも、血が繋がっていれば本当の親なのか。
親子の関係性を真摯に見つめた、重松清の真骨頂的作品。
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幼い頃に出ていった父との無言の再会。
良い感情を持っていなかった洋一郎だが、そこで出会った人達によってその思いは変わるのだろうか?
そして、自分が施設長を務める職場の老人ホームのトラブルメーカーなど、年老いた男の人が主役のストーリー。
どう下巻に繋がるのか展開が気になる。