電子書籍
市井のヒーロー達
2020/03/22 22:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tatsuaki1972 - この投稿者のレビュー一覧を見る
スリリングかつテンポの良い展開でドキドキしながら読みました。
危機的状況の描写も現在の状況ともオーバーラップしてより一層リアルに感じました。
いつの日か(オリンピックが無事開催された後にでも)映像化していただきたいなと思います。
新型コロナウィルスのパンデミックにより予定されたスケジュールでの開催が危ぶまれているまさにこの時期に読むことができて良かったです。
東日本大震災の際に物流が滞る危機的な状況の中活躍する人々を見聞きするにつけて感じたあの業種の方々に対する尊敬の念をこのような形で小説に取り上げられていて嬉しく思いますし、とても爽快な読後感でした。
紙の本
トラック業界には大うけの作品だが
2020/07/22 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイディアとしては良いと思う。物流が滞ればどうなるかということを普段まったく気が付いていない人たちにとっては警鐘的な物語ではある。
しかし、動機がまたこれかよという感じでなんだかがっかりした。要するに自分の命がもう幾ばくもないから世間に対しての復讐をたくらんだというのはちょっともう飽きた。
それにそもそも陸上輸送の重要性はわかるけどいざとなつたら空からの大量輸送もあるのではないかというのが私の率直な感想である。
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今年はあれこれ配達に頼ることが多い。今までも使っていたけれど、さらにという感じ。
ものが届かないという、この内容、今の時代に読んだらさらにぞぞーっとするわ。
当たり前に届けてもらってるけど、ありがたいことじゃ。
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作者との出会いは「東京ブラックアウト」
まだ東日本大震災も起きる前で、その前にあった荒川の伝送線が切断され、東京が大停電に陥る前に読んだ、この作品は衝撃的だった。
そんな作者が満を持して発表した今作。
「東京ブラックアウト」では東京から電気を奪ったが、今作では東京から物流を奪う。
舞台は東京オリンピックの開会を1週間後に控えた東京。宅配便のトラックで運んでいた荷物から青酸カリが発見される。その後も物流の流れを止めるテロがあらゆる手段で描かれる。JRの線路の爆破、高速道路のトンネル火災…
そして、そのテロを後押しするように台風が都内を直撃する。さらに孤立化する東京。
正直、ちょっとここまでタイミングよく、いろんなことが重なるか?と思うこともないけれど、実際にオリンピック開催に当たり、懸念されていた事項が盛り込まれている。
多分、作者自身の意見なのだろうけど、登場人物のほとんどが東京でオリンピックを開催することを良しとしていない傾向が伝わる。
奇しくも、今作の発売後、東京オリンピックの延期が決まった。5月時点では来年の同時期の開催と言われているが、今作を読むとやはり東京オリンピックの開催は現実的とは思えない。
物流についてはいろいろ調べたようだが、いろいろ事実と異なる部分もある。鹿島灘の方に向かっている高速は「南関東自動車道」ではなく、「東関東自動車道」。オリンピック期間中、首都高の料金が上がる対象に物流は含まれていない。そして、オリンピックスタジアムに聖火台は設置されていない。
執筆時点では決まってないこともあったかもしれないが、作者は架空の名称を使わないところがあるので、こういったこともきちんと調べて書いていただきたいと思う。
パニック小説としては、なかなか読みごたえがあるけれど、内容が散らばっている感じが否めないのと、間違いが多いのが気になるので、評価は少し低めで…
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東京五輪が目前に迫る東京で発生した複数のテロ。テロ行為自体の被害はさほど大きくないものの、それによって寸断されていく物流の網。さらに世間の不安もあおられ、買い占め騒動が起こすパニック、殺気立つ市民、とこれはもう現実でもコロナ騒動で起こっていることまんまじゃないか! という気がしました。盤石と思われた「日常」がどれほど危ういバランスで成り立っているものなのかをひしひしと感じさせられるサスペンスです。
そんな中でも自分の仕事に誇りをもって、苦境に立ち向かおうとする人たちが実にかっこいいです。たしかに普段はあまり意識されていないことかもしれませんが、物流も廃棄物の処理も、なくてはならないものなんですよね。それだけではなく、突き詰めてみればどんな仕事でも大事なもの。さまざまな業界で働く人たちに感謝の気持ちを忘れてはいけません。
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オリンピック絡みのテロと思いきや背景はもっと重かった。物流のことよく考えたことなかったし、新しいものを作れば棄てられるものも増えるという当たり前のことも考えてなかった。まさに今、部屋の片付け中で捨てるものがたくさん出ていて反省中…。
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図書館に予約してあった本です。
自粛解除になり手にしました。
何事も無ければ今頃はオリンピックを直前に控え、
その為のイベントが開催されていた時期だったでしょう。
この本はオリンピックを目前に、東京で起こる事件の話でした。
コロナで自粛中、自分達の生活が成り立っているのは大変な中、動いてくれている人達がいるからだと感謝していました。
内容は違ってもこの本でもそれぞれの仕事に責任持って働いてくれている人達が居るからこそ、社会が回っている事が書かれていて正に今読んで良かった本です。
一気に読みました。
後半は、読んでいくうちに泣けました。
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tokyo2020直前にテロにより東京の物流が止まる。
非常事態宣言下で読むには最適(?)。
いつものように作者は犯人に優しい。
それと中に書かれているように、メディアは空の棚を映してはいけないのだよ。
同様にスーパーの行列も繁華街に屯する若者を映してはいけないのだよ。
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初めての作家さん。
なんとなく図書館で手に取った1冊だった。
本当だったら今年、オリンピックが開催されてたはず。
新型コロナウィルスの影響で延期になったけど、そのオリンピックが近づいた東京で起こるテロ。
なんだか本当にありそうな話だった。
東京への物流が滞って、スーパーやコンビニから食料がなくなって、人々は買い占めに走るんだけど、現実社会でもマスクや消毒液やティッシュやトイレットペーパーまで買い占めが起こってしまっていて、本当にリアルだった。
トラックドライバーの仕事の過酷さや、ごみ問題。
豊かな生活の裏には、本当に様々な人の仕事や努力があるんだと、改めて思った。
***
2020年7月。オリンピック開催間近の東京で、新聞社に「開会式の日、都内を走るトラックの荷台で青酸ガスを発生させる」という予告電話がかかってきたのが、すべての始まりだった。直後、配送トラックを狙った予告通りの事件が次々と起こる。さらには鉄道の線路が破壊され、高速道路ではトンネル火災が。あちこちで交通が分断され、食料品は届かず、ゴミは回収されないまま溜まり続け、多くの観光客がひしめく東京は陸の孤島に―。この危機から東京を救うため、物流のプロである長距離トラックドライバーたちが、経験と知恵を武器に立ち上がる!!「今、起こりうる物流崩壊の危機」をリアルに描いた、緊迫のサスペンス。
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視点は面白いと思うが、実行犯が、ここまでして実行しようとした東京アイソレーションテロの目的の訴えかけが非常に弱い。また、共鳴して手助けした共犯者たちの背景が全く見えず、多面的な深堀がない。トラック運転手たちの姿と対照的だ。浅くて薄っぺらい印象になっているのが残念。
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なんか意外とあっさり終わった。
あれ?って感じ。
しかし、物流の皆様には感謝です!
道端にゴミさえ捨てなければ!
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環境破壊やフードロスなど、社会派小説かと思ってしまった。
悪者のスケールが少し小さかったが、トラックドライバーたちのチームワークやプロ意識は胸に刺さる。
何台もの大型トラックが主犯を追い込む場面などは情景が目に浮かぶようだった
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廃棄物の話とか、よく調べて書いてるなあ。オリンピックが予定通り開催されるパラレルワールド譚として読むのも、楽しかった。
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2020.3.28読了。東京都外出自粛1日目で、食料品を買い求める人でスーパーなどが大変なことになったりしている最中であり、臨場感が半端ない。
物流の大切さを改めて考えさせられた。
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奥付を見ると、2019年12月に連載完結、2020年3月19日初版とある。ちょうどウィルス禍がニュースになりはじめたばかりのころに脱稿し、上梓されたわずか5日後にオリンピックの延期が正式に決まったということになる。
そして作家の想像力をはるかに超えた現実がいまここにあるわけだが、オリンピックを標的にした物流テロを仮想し業界の労働問題や産廃問題など社会のひずみを訴えるこの小説も、そんなに的を外してはいない。風評でスーパーやコンビニの棚から食品や”マスクまで”消えるさまなど、実際にこの時期に起きたのだから・・・
ところどころに取材内容がそのまんま説明調で出てきてしまうのはちょっとなぁとか、人物が全体に表層的でPR漫画の登場人物みたいなのでもうちょっと魅力的だといいなぁとか、思うところもないではないが、今この時期に読み社会の仕組みに思いをはせるのもいいなとおもった。
P232 物流は、人体に例えるなら血管のようなものだ。必要なものを必要な場所に届け、老廃物も血管を通じて運び、身体の外に排出する。
P339 この国は災害大国だ。今でも各地に震災は噴火や台風被害で家を失った人間が大勢いる。災害時に被害を最小限に食い止める方法はあるが、金がかかるからなかなか国はそれを実行に移さない。そのくせ、オリンピックだの派手に見えるプロジェクトには湯水のように金を注ぎこむ。ローマの皇帝は、市民の目を政治から逸らすため、パンとサーカスをふんだんに与えた。現代のこの国も、オリンピックを利用して同じことをやっている。あんたは腹立たしくないのか?