よくわかる脳ＭＲＩ 改訂第４版 （画像診断別冊ＫＥＹ ＢＯＯＫシリーズ）

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投稿者：Eternal Kaoru　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

頭部MRIに関して、最も包括的で最新情報が載っている教科書。初版から定番中の定番と言える教科書で、神経系の診療には必需品です。評者にとっては改訂の度に買い替えている、数少ない医学書の一つです。不明点があると必ず本書を参照し、かつたいてい不明点が解決するという優れものです。
　急いで編集したのか、「一般的知識と画像所見」と「エキスパートコメント」が重複している項目があったり（どちらか一方で良い）、「若年性認知症で発症し」の2行下に「中高年に好発する」と書いてある項目があったり（どっちなんだよw）しますが、全体を通じて医学書としてはミスが少ない方です。というより、膨大な情報量を詰め込んでいることを考えれば驚異的な正確度です。
　改訂のたびに小児関連のページ数がどんどん増え、第4版はついにほぼ携帯不能になりました。成人相手の医師をしている分には一生遭遇しない疾患も多いです。小児神経専門医ではない身としては、「一生遭遇しないであろうコーナー」は削って値段とページ数を削減してもらえると助かるところですが、もともと網羅系の神経放射線の教科書なので、本書の趣旨を考えれば文句を言う方がおかしいでしょう。
　多数の分担執筆ですが、ハズレの執筆者が少ない（いないとは言わないが人数が少なく担当項目も最小限）のも良いところです。
　神経診療に携わる医師にとって、キャリアを問わない必需品です。ぜひ入手されるようお勧めします。