紙の本
心にキレイな食べ物
2020/06/07 19:30
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本全国の農業畜産業家たちのお話が最後に一つのお店に集結する感じの心温まる一冊。
過去に少なからず傷ついた人たちが、正直に農業畜産業に向き合い、心と身体に綺麗なものを作ってる姿が描かれてます。
大変なお仕事だけに、家族や仲間の絆がかけがえないって感じでジンワリきます。
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東京の会社に勤めていた沙帆は、過酷な労働環境に疲れ、心身ともに限界を迎えていた。どこか違う環境でやり直したいと、意を決して高樹農場に転職することになるのだが「夜明けのレタス群馬県昭和村・高樹農場」。全国各地を舞台に、農業に関わる女性の想いと悩みを描いた、一緒に泣いて、笑って、元気になれる短編集。
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農業を通してのオムニバス短編集。どれも読了後は爽快でしたが、お気に入りは「レモン」「チーズ」「トマト」。レモンは片想いを成就させ、農家の嫁になった美優。昔からのやり方を変えない義父と気まずい思いがあったけど、マルシェでのやり取りで、やっと認めて貰えて良かった。チーズはモラハラ夫と義母には閉口したけど、子供の大和が自分の道を見据えて前へ進めてホッとしました。トマトは22年ぶりに再会した幼なじみのお互い勘違いだったけど、これからが楽しみです。
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書店で見かけて、カバーイラストに惹かれて購入。
農業や畜産に携わる女性たちの物語。短編集。
ひとくくりに、農業に携わる女性と言っても、女性たちの環境や悩みも様々だし、どの職業の女性たちとも悩みは変わらない。
でも、自然を相手に仕事をしているからだろうか。
優しくて強くて、悩みながらも前を向いている人ばかり。
読み終わったあと、すべての物語が結び付いて、とても美味しい野菜を食べたかのよう。そして元気をもらえた。
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心身ともに限界を迎えた会社員の沙帆は、違う
環境でやり直したいと群馬の農場に転職するが…。
「夜明けのレタス」をはじめ、全国各地を舞台に、
農業に関わる女性の想いと悩みを描いた
8つの短編集。
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どんな時でもひたむきに生きてふと顔をあげれば一筋の光、がきっと差すんだな。読後感良し。読むだけで栄養とった気になる。
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短編集8編
野菜農家のそれぞれの活躍生き方がとても前向きな形で描かれていて,人生の応援歌の様.短いながらどれも良かったが,「本部長の馬鈴薯」がユーモラスで共感もできホロリともさせられ特に好きです.
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著者の作品の中でも好きな部類。「オリーブの木の下で」が特に良かった。「トマトの約束」も続編が読んでみたい。
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図書館で借りたもの。
土の匂い、太陽の光、作物が繋ぐ人との絆。いいじゃない、農業。全国各地のさまざまな年代の農業に関わる女性を描いた八つの短編集。
装画が素敵。
「オリーブの木の下で」が一番好きだなぁ。
ほろりと。
最後に出てきたサラダを食べてみたいな。
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農業にまつわる八編の短編集
『北海道から九州まで、日本各地からこの皿の上へはるばる集まってきた食材のそれぞれに、丹精こめて育てて作り手がいるのだ。手をかけ、慈しみ、送り出した誰かがいる。』
作り手の愛情がたっぷりこもったお野菜たちは、文字を追っているだけなのにすごく瑞々しくて美味しそうで食べたくなる。
そして一人一人のストーリーに懐かしさを覚えたり、切なくなったりちょっとキュンとしたり。
食欲を刺激される一冊。
面白かったです♪
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農業が絡む短編集。アスパラガスの花束、レモンの嫁入り、月夜のチーズ、オリーブの木の下で、良かった!最後のトマトの約束のレストランのメニュー、いいよね、そういうの(笑) ほっこりする。植物や動物を、見知らぬ誰かの為に努力を惜しまず育てる素晴らしい産業、ありがたく毎日感謝して、いただきます!そう思う。
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農業は、人間にとって大切な「衣食住」に関わるすべての材料を生み出す。
この本では、「食」に関わる農業と、女性の生き方が描かれる。
農業というと、麦わら帽子をかぶった“カールおじさん”みたいなキャラを思い浮かべるが、最近ではイメージも変わってきたかもしれない。
農業に、女性とくれば豊穣のイメージ。
とてもふさわしく思われる。
短編集だが、「女神のサラダ」というタイトルのお話はない。
レタスをふんわりちぎってボウルに盛って、次々と野菜やチーズのお話が盛り合わされて、熟した黒オリーブ、赤いトマトをトッピング。
読み終わったところで、女神たちのサラダが完成する。
彼女たちは、種から今芽を出したばかりだったり、苗床で育ち始めたところだったり。
酸っぱくて苦い思いをしたり、時間をかけて育ったオリーブの樹だったり。
あるいは蜜蜂の羽音の中で交わされる幼い誓いだったり。
みずみずしい命にあふれたお話ばかり。
「オリーブの木の下で」が一番素敵だったかな。
多分、読む人の年齢によって、お気に入りがちがうと思う。
夜明けのレタス
群馬県昭和村
茄子とコーヒー
岡山県備前市
本部長の馬鈴薯
北海道京極町
アスパラガスの花束
長崎県諫早市
レモンの嫁入り
和歌山県広川町
月夜のチーズ
岩手県葛巻町
オリーブの木の下で
香川県小豆島町
トマトの約束
石川県小松市
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農業、畜産など、食卓にのぼるさまざまな食材の生産に携わる女性たちの8編の物語。
最終章では、それまでに登場した日本各地の食材たちが、とびきり美しい『女神のサラダ』としてテーブルに供される。
彼女たちはみな、食材や自然への愛情にあふれていて、その心にこたえてすくすくと育った野菜も動物も生産物も、みな健やかで美しく、滋味があふれている。
もちろん彼女たちの心は、自分や家族や友人や恋人にも向けられていて、時には悩んだり反発したり、裏切られた思いに苦しんだり。
それでも、自然を相手に、時に思うようにならないことも、手をかければそれだけこたえてくれる喜びも知っているからなのか、優しくて強くて魅力的。
読後は、青空の下、ふかふかの土を踏んで歩き回ったり、新鮮な野菜や果物を手に取って、美味しい食事を楽しみたくなる。
瀧羽麻子さんの、これまで読んだ作品の中では一番好き。
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内容も、読むタイミングもとてもよかった。
農業を題材にしながら、私的には共感しづらい「新鮮な食材」ではなく、わかりみのある「自然の中で作業することで心が素直になる」的なことを扱っており、心の中でうなずきながら読むことができた。
また、ちょうど仕事で農業関係とも縁ができたことから、それぞれの話・地域で実際に関わった人を思い浮かべることができた。自分の昨年の人生の転機(農業従事ではないが)とも相まって、農のある生活のよさをあらためて感じた一冊だった。
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農業に関わるお話なら、と読み始めたが、きちんと農業や酪農の現実を描いているだけではない、読み物としてもとても内容が濃かったです。
瀧羽さんって、本当に物語がうまい!!と思います。
カットバックをうまく使って、ミステリアスに仕上げたり、人のつながりを描いたり、さらに大人の恋の切なさを描いたり。一つ読み終わっても、すぐ次の話を読む気にならない。余韻を味わっていたい、そんな短編集でした。
どれもよかったけれど、例えば「月夜のチーズ」では切なさと希望を感じました。良い形で裏切られてほっとしたし。「オリーブの木の下で」は思わず目頭が熱くなりました。