電子書籍
家族の話?
2022/12/19 07:03
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は男子高校生なのに手芸(刺繍)が好きだという男の子が主人公なのかと思っていたら、彼の場合だけでなく 母や祖母や姉、父の友人などのそれぞれの思いについて書かれていた。 その人の生きた環境や時代によって、好きなものを追求できなかったり、周囲から決めつけられたりという状況がとてもよく理解できて切なかった。 これからみんな自由に生きていけるといいんだけど。。。
紙の本
不思議なタイトル
2021/11/07 10:58
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
縫うだったのかと。
やったもの勝ちだから。
好きなことでお金儲けができるならラッキー、
じゃなくても、好きなものに出会えるだけで幸運。
電子書籍
○○らしさって何だろう?
2021/06/11 00:05
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
市川、東邦大東邦、海城、大妻、サレジオなど2021年難関中入試で出題ナンバー1となった注目の本。水を縫うってどういうこと?と思いながらも、最後に、あぁなるほどと唸らされる。主人公の男の子が姉のためにウェディングドレスを縫うという至ってシンプルな内容だけど、その過程で家族との関係や友だち付き合いに複雑な事情が絡み合う。男らしさ、女らしさという価値観に真っ向から反発する姉と弟はジェンダー問題の最先端をいく姉弟とも言える。親の価値観で子どもは縛れないけれど、名前に込められた親の願いは子に届くものなんだね。
紙の本
好きなものを好きなままで
2020/08/07 18:36
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
手芸好きの弟(高1)、可愛いものが嫌いな姉(社会人、結婚間近)、家庭的ではない母親(自分の思う普通を押し付けがち)、いつまでも頼りない父親(離婚、追友人に拾われた)、女が抑圧された時代を生きた祖母(心が広い)。
社会の風潮や世間一般の普通に流されそうになっても好きなものを貫き生きる勇気を与えてくれるハートウォーミングなお話。
弟くんがイイ子で、自分の考えをしっかり持ってて応援したくなります。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の紹介には、世の中の普通を踏み越えていく、清々しい家族小説とありました。世の中の普通を踏み越える家族というのは、どういう家族なのかと関心を持って読みました。
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清澄が自分を真っ直ぐ貫いている姿が良かった…文枝に掛ける言葉も、母に対する気持ちも。物語の中で誰かが特別な主人公でなく、それぞれの考えや生き方が伝わってきて、本当に読んで良かったと思う作品だった。何度も読み返したい本。
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最高でした。文章は淡々と、穏やかに、静かにつづられているのに、読み手の感情を強く揺さぶる素晴らしい物語です。老若男女すべての人に一読をおすすめします。
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寺地はるなさんの小説が好きで
いくつか読んでいますが、
この本は、わりと現実的というか
個人のあり方、生き方みたいなのを
わかりやすく話題にしていた。
男だからとか女だからとか
そういうのって、どうなんだ?と。
相変わらず、ほんとに文章で
イメージを表現するのが上手で
うらやましい。読んでいて
テンションがあがります。
個人的には、
第四章プールサイドの犬が良かったかな。
どの登場人物にも、寺地さんの
愛情がこめられていて愛しく思った。
あと終わり方(文章)がすごく
好きな感じでよかった。
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人は、いくつになっても、気付けば、変われる。
想いを言葉にするのが苦手な登場人物の一人一人、それぞれの想いが一つずつの物語になっていて、題名の「水を縫う」に繋がる。
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寺地はるなさんらしい、とてもいい話だった。
男だからとか女だからとか、母親だからとか、もういい年だからとか、そういう事を理由にあれこれ言ってくる周りの声に身構えることに、いつのまにか慣れてしまって、どうせわかってもらえない、こういう事を言うと周りはこういう反応をするだろうと先回りして、自分から壁を作ったり、理論武装して自分を守ろうとしたりすることがあるけれど、そういうことは、本当は全然、しなくていいんだ。
自分が『ナントカらしく』なくても、自分の好き嫌いは自分で決めたらいいし、それを正直に表明していいし、それをバカにしたり軽んじたりされたら怒っていい。
そして案外、恐れていたほど分かり合えない人ばかりじゃないんじゃないかな。
そんな風に思わせてくれる作品でした。
読み終えたばかりですが、また読み返したい作品です。
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やっぱり何度も涙があふれました。
姉のウエディングドレスを作ることがきっかけで
自分や家族と初めて向き合うお話です。
失敗する権利。雨に濡れる自由。
自分が勝手に作っていた、普通は…という枠組みに気がつかないうちに縛られている自分にハッとします。
自分の好きって気持ちを大切に生きたい。
やりたいことは全部やりたい。
最後は、清々しく、優しく、前向きな気持ちで
爽快感があふれます。
たくさんの方に読んでもらいたいなぁと思う
心があたたまるオススメの1冊です。
寺地はるなさんの本は、心に響く言葉のパレード。
私に本の世界の面白さを教えてくれた
大好きな作家さんです!
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寺地はるなさんはいつだって『普通』と闘っている。
男の子だから。女の子だから。母親だから。父親だから。
そんなわずらわしい型をふざけんな!と壊してくれる。(本作はそんな荒ぶったものではございません)
小説すばるで連載当時から魅せられた大好きな作品を、どんな言葉で飾ったらこの魅力を伝えられるのだろうと考えて考えて、そもそもそんなことは不可能だと気づく。
こんな作品です、だなんて端的にまとめられるならば、240頁を費やした物語が存在するわけないのだから。
でも、それでも、わたしにとってとても大切なこの物語を語るべき言葉を探したいとも思うわけです。
水を縫う、というこの言葉がとても美しくて心地良くてどういうことなんたろう?と思っていたがそれは最終話で明らかになります。
『流れる水であってください』
愛してるというのに等しいほどの愛情を表したこの言葉にきっとみんなハートを撃ち抜かれるのでは。(わたしは撃ち抜かれました。黒田と同じくらい感極まってしまったよ)
そしてその流れる水を施したドレスはさぞ美しかろうと水青の姿を想像してまた感極まってしまう。
嗚呼、まさにこれは、『水を縫う』。
寺地さんの言葉にはいつだって小気味いい毒が潜んでいて、それはいつだって『普通』というわずらわしい型を壊そうとしてくれる。
好きなものを好きだと言えばいい。
嫌なものは嫌だと言ってもいい。
ステレオタイプの母親でいる必要もない。
男らしさとか女らしさとかそんなことよりも、自分らしさを誰でもなく自分で認めればいいじゃないか。
普通に苦しめられること多いわたしたちに、ほら、息して!と言ってくれているような。
ほんのわずかな澄んだ空気を与えてくれるような、そんな物語を生み出してくれる寺地はるなさんを、わたしは無条件に信じている。
だから、この物語は、『普通』に殺されかけてるわたしたちへの処方箋なのだ。
追伸
全さんと黒田を愛しているわたしですが、ひそかにくるみちゃんのことも慕っております。
『ひとりで来たから、ひとりで帰れる』
すごくかっこいいよね!
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どこかでどなたかが「寺地はるなは裏切らない」と言っていた。まさに、そう。
しっかりと間違いなく寺地小説は私のツボを押してくる。ぐいぐいと、ではなく、そっと優しく、けれどど真ん中を。だからじんわりと、効く。
祖母と母と姉と弟、そして離婚した父とその友人。
6人が6人とも、不器用でこだわるものがあって、とても生きにくそうに世界のちょっと隅っこで肩をすぼめている。
彼らはみんな、「らしくあること」に押しのけられているようだ。
女だから、女らしく。男だから、男らしく。母だから、母らしく。父だから、父らしく。
なんだよ、「らしく」って。誰だ決めたことなんだ、「らしく」って。
でも、自分も知らず知らずに「らしく」にからめとられてはいやしないか。自分を、相手を、家族を。
それぞれに、自分の中に違和感を持っている、外から求められる自分と、自分が感じている自分と。
生きたいように生きていけないもどかしさ。息苦しさ。(息苦しさの極致にいる母親のとつぜんの病がまさにその象徴でもあり)
結婚間近の姉、水青の「かわいい」との隔絶が一番悲しく一番つらかった。これは、許しがたい。
そんな姉が結婚式で着るドレスを弟が作る、という。この弟、清澄がとてもいい。彼の周りにいる友人たちとのやりとりも、そして父親への屈託のなさを作ってくれた父の友人黒田の存在も彼の成長にとってかけがえのないもの。
そう。成長。不器用な家族+αたちの、生きにくさからのほんの一歩の成長の物語。
ぼきぼきと折れながらもなんとかまっすぐに生きようとする彼らが迎えたとある、朝。
彼らの笑顔が目に浮かぶ、その朝の場面。この、すがすがしさを一緒に体感してほしい。
寺地はるなは裏切らない。心地よい涙がにじむラストを楽しみに読むべし。
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清澄と清澄の周りの人々、それぞれの思いの話。
読後感がすごくよかった。
そして水青のドレス、みてみたい〜。
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失敗する権利。
雨に濡れる自由。
傘を忘れたことは自分にとって失敗だったかもしれないが、誰かにとって雨に濡れるのは案外気持ち良いことかもしれない。
他人は私ではない。
だからどう感じるかはわからない。
価値観は皆違う。
違いを恐れず、否定せず
価値観は違うと意識して過ごすことが出来れば
少しは楽に生きられるようになるんだろうな…
寺地さんの作品を読むと、もれなく優しい気持ちになれる。
それは登場人物の不器用さ、繊細さ、奥深い優しさに触れられるからだと思う。