紙の本
新たな視点で
2020/09/26 19:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:全長 - この投稿者のレビュー一覧を見る
八甲田雪中行軍遭難事件の謎を、現代の歴史雑誌の編集部員が解明していくという趣向の作品で、著者の新たな視点で描かれた八甲田山を楽しめます
紙の本
八甲田山の謎
2023/08/18 12:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史雑誌の編集者の菅原は八甲田山の雪中行軍遭難事件の取材に向かう。離婚問題や雑誌の発行部数の伸び悩み、社内の人事のあれこれがあるが、目の前の仕事に打ち込む。
雪山を行くのに装備が軽い、など謎や問題点をあぶり出し、そのほかにもどうしても腑に落ちない点が残る。菅原はそれを解こうと、真冬の八甲田山に向かう。
紙の本
うーんちょっと失速
2021/02/28 17:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
八甲田山の遭難事件については、映画も見たしその新しい謎が出てきたということで大いに期待したけどその謎は分かってなるほどとは思ったが、現代での事件の終結ではちょっとがっかりした。
電子書籍
新田次郎さんの「勝ち」です
2020/09/03 09:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハマさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日経夕刊 目利きが選ぶ3冊」で★五つですが、全くの外れです。選者はまたも縄田一男さん。もう、参考にはしないことにします。
「名作『八甲田山死の彷徨」(新田次郎)なにするものぞ」らしいですが、新田次郎さんの勝ちです。
「読後の充実感は比類ない」と縄田さんはおっしゃってますが、エピローグの最後は後味悪いです。
お奨めしません、私は。
投稿元:
レビューを見る
#読了 もともと興味のあるテーマだったため一気読み。現代パートと遭難当時のパートに分かれていて、雪山の描写は読んでいるだけで本当に寒気がしてくるよう。
謎を追う現代パートはちょっとご都合主義、無理やりな展開があって残念だった。
投稿元:
レビューを見る
八甲田山雪中行軍遭難事件の謎を、昔の資料を基に丹念にひも解いていくところ、その当時の描写は読みごたえあり!今さら、八甲田山?って思っていたが、謎を解いていくくだりには引き込まれる。
一方で、それを追いかける記者の私生活など現代でのそれ以外の流れは、話の彩りにもなっていない。まぁ、昔の事件をなぜ追うのか?と言ったストーリーを入れないとプロットが成立しなかったのかもしれないけれども…。せっかく、途中で入りこめそうな内容なのに、すぐに気持ちが醒めてしまって、全体の評価としてはイマイチになってしまった。
謎を解いていく流れと、その周辺のエピソードのバランスのちぐはぐさは重要なのだな、とあらためて実感した。
投稿元:
レビューを見る
明治35年に起きた“八甲田雪中行軍遭難事件”を新たな視点(?)で描いた作品。行軍の様子と、現代で取材する雑誌記者とが交互に語られるが、うーん……この記者が嫌いで読み続けられない。健さんの映画は、ガキの頃テレビで観たなあというぼんやりした記憶しかなく、原作は未読。ほかにもこの事件を扱ったものを見聞きした覚えはないので詳細は知らなかった。当時の軍隊の人命を無視した行動の結果だったと納得した。帯にある“驚愕のラスト”って、エピローグのこと? 想像を超えていて思わず笑ってしまった(^^;)。いらないんじゃ……?
投稿元:
レビューを見る
歴史小説や時代小説の書き手、伊東潤さんによる八甲田山雪中行軍事件の謎解き。
歴史雑誌社の編集員が雪中行軍事件の謎に挑むというスタイルだが、中々面白い。
最後の一人、稲田庸三さんは本当はどうなのか?
機会があれば別の書物でこの辺りを探ってみたい。
投稿元:
レビューを見る
明治35年1月、青森歩兵第5連隊第2大隊が厳冬の八甲田山で行った雪中行軍演習中に遭難し、世界登山史上最悪の199名の犠牲者を出した「八甲田雪中行軍遭難事件」。
それは日露戦争に向けた軍の人体実験だったのか?199名にカウントされなかったもうひとりの犠牲者である兵士の行方は?歴史雑誌編集者・菅原が抱いた疑問。取りつかれたように向かった冬の八甲田で彼を迎えるのは・・・
八甲田雪中行軍遭難事件を題材にしたミステリ仕立ての小説は、期待を大きく裏切る展開。
行軍の状況を再現した章は臨場感に溢れ、作者の筆力に引き込まれたものの、並行して描かれる主人公の薄っぺらい内面や、彼に絡む女性編集長・桐野の古臭い造形に全く魅力を感じられない。
妻と離婚話が進行中、会社でも昇進できない自分の状況を「まるで出口の見えない鳴沢のようだ」と雪中行軍の兵士たちが彷徨った地名に例えたり、桐野の色仕掛けに翻弄される自分を「まさに人生は雪中行軍だな」と自嘲したり、あまりにも喩えが陳腐すぎて面白くない冗談を聞かされているよう。
このテーマでミステリを書くにしてももっとやりようがあったんじゃないかな・・・とあまりにも魅力に欠ける登場人物たちにうんざりし、途中で何度かやめようとしながらもなんとか読み続けた挙句、ラストの陳腐さにまたガッカリ。
撤退する勇気を持てなかったことが敗因です。
投稿元:
レビューを見る
199人の犠牲者を出した「八甲田山雪中行軍遭難事件」の謎に迫った伊東潤さんの新作小説。1902年の八甲田山遭難事件の過去パートと、歴史雑誌の編集者・菅原が「八甲田山遭難事件」を取材する現代パートの2パートで進行する。過去パートだけなら普通の歴史小説だが、過去パートが現代パートの菅原の人生と連動している構成なので没入感MAXで読めた。最後まで飽きさせない展開で、最後の方はミステリー色が強かったが面白かった。冒頭にソ連のディアトロフ峠事件を題材にしたノンフィクション「死に山」が出てくるのもいい演出だった。
投稿元:
レビューを見る
同時進行する2つの流れいずれも臨場感がある。
もっとも企業の理不尽は当然経験したことだが、雪山の方は経験ない。
人間の業みたいなものを感じさせられる奥の深さもあると同時に薄っぺらさも同居していると感じさせられるのが惜しい。一般的な評価はどちらかと言えば高い作品なのだろうけれど。
投稿元:
レビューを見る
話題の歴史小説『茶聖』の人気作家が、世にも有名な「八甲田山雪中行軍遭難事件」を題材に挑んだ、傑作クライムノベル!
投稿元:
レビューを見る
八甲田山遭難事件については何も知らなかったので、衝撃でした。そもそもこんな無茶なことが何で?って感じです。対露用の人体実験?酷すぎ!ずっと、この辺りを彷徨ってただけで死んでいったってこと?真実の航跡にもありましたけど、曖昧なコミュニケーションと慮り、という日本人の悪いところが招いた悲劇。地図はついましたが、一行の経路を示して頂いた方が分かりやすかったかも。現代のストーリーは少し通俗的すぎて残念。
投稿元:
レビューを見る
120年前、199人の犠牲者を出した八甲田山雪中行軍遭難事件。歴史雑誌の編集者が事件の謎に挑む長編ミステリー。
新田次郎の「八甲田山死の彷徨」で有名な事件。日露戦争の直前、寒冷対策の装備も研究も不足した当時。
歴史雑誌の編集者の男がある謎に気づき探っていくうちに事件に巻き込まれていくというミステリー。編集者の現在と従兵の120年前の行軍が平行に進んでいく形式。
壮大なテーマであるが、現代の部分が余りに通俗的。過去の部分の荘厳な素材の力でどうにか無事に一定の品質のミステリーに仕上がっているが、もの凄い強引な筆者の力業を感じる。息を飲む展開、長編ではあるが一気に結末に持っていく力量は多くの著作のある筆者ならではだろう。オチはそれこそ余計かと。
ツッコミ所は多いが、目が離せぬ展開で一気に読ませてくれる点で、やはり良い作品だと思う。
120年前の事件を見事に調理した、大胆かつ豪快なミステリーでした。
投稿元:
レビューを見る
囚われの山とは。多くの軍人の魂と120年間の謎を抱え込み、今もそびえたつ八甲田山の事である
読んでいて寒かった(北海道は氷点下である)
(ネタバレ)
人体実験である、わざと軽装を指示して極寒が人体にどのような影響をもたらすか
新田次郎が作中で言う(あ、未読だった)人体実験とは「雪中行軍を安全性を担保しないで実験的に行った」であるが、伊東潤先生はもっと残酷で(?)死体がもたらす科学的データ(ヒロシマ原爆のような?)を得るために行ったとする
(どれだけ科学力あるんだ、明治の日本)
この着想を小説で余すところなくリアルに描くのが、作家と言う人種の恐ろしいところだ(褒め方間違えている)
犯人(?)の行動や、ラストの拍子抜け等に関する批判は甘んじて受けよう(作者が)
アタクシは、主人公の奥さんは上司の桐山と繋がっていて、何やら謝うぜんとしない二人の展開にも、現実的な欲望があるのだが、ラストに叙実トリックが為されていて、現代時間では三人が雪中行軍をしているのだ
犯人は途中で桐山の色香に当初の殺害予定をかなぐり捨てて襲い掛かる所を、自営反撃と身を棄てて庇う主人公に、悪役上司がいつの間にやら・・・である(全部ウソ)