電子書籍
森見ワールド全開エッセイ
2023/12/21 14:32
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投稿者:シルビア - この投稿者のレビュー一覧を見る
妄想ファンタジーでアニメ化され、根強い人気のある小説家森見登美彦氏のエッセイ集である。
紙の本
小説より面白かった
2022/07/02 09:36
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見さんの小説は何冊か読んでいて、万人受けする作品なのか?と疑問に思っていましたが、このエッセーは面白かったです。森見さんご自身がまえがきで書いておられるように、寝る前にちょっとずつ読んでいくのに最適です。一気読みするのには向いていないと思います。くすっと笑えるところあり、意外と普通に知的な著者なんだなと見直すところあり、スランプの苦しみについて初めて知ったりで、読んで良かったです。
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なんとなしに読むのが最適。
エッセイではあるけれどすべての文章に物語を感じるところがらしい。
しかし、体調を崩していたとは存じ上げず、どうか元気に妄想的物語をじゃんじゃん生んでほしいと静かに願う・・
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くすくす読んでるうちに、思いがけず真面目な内容にはまり込み、結局最後まで読みきってしまった。それなのにあとがきに「一気に読むのはオススメしない」とある。そういうことは最初に言ってください。言われてもやめないけど。著者と自分の経歴は微妙に重なったり交差したりする部分があるので、個人的にはとても読みやすく理解しやすい。でもだからこそ他の多くの人がこの本をどう読むのかさっぱりわからない。読書はごく個人的な行為だと思うので、それでいいと思うけど。
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過去の各種エッセィを集めた作品集だが,本書最後,台湾の雑誌に掲載された2年分の24作品群がまとめられた第七章は,他とは趣を異にして,小説という創造物を産出し紡ぐという行為に対する懊悩を,自らへの冷徹な視線および分析と共に描き出していてビックリする.近年小説で垣間見た氷のような情熱の一端に触れられ,これぞ森見小説の神髄なり,と満足する.
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森見登美彦氏の日常と非日常がここに。
様々なところに掲載されたエッセイを集めたもので、色々な著者の面が描かれている。スランプだったんだ、とか。書くことに対する姿勢とか。
「まえがき」にもあるが、確かにこれは眠る前に読むべき本かもしれない。どこからでも読み始められ、どこでも終われる。そして暗い気持ちにはならない。ぽかぽかした気持ちで本を閉じられるのだ。
著者はどうも「京都」を書く作家というポジションを与えられがちだ。でも、この本を読んで、どちらかというと「奈良」かな、と思った。あくまで、私のイメージの「奈良」だけど。本にもあったが、「奈良的静寂」「古事記時間」ということばがしっくりくる、緩やかで壮大で静かなテンションとスケールを感じる。少々のことでは動じない、長い縮尺で物事を眺めているイメージ。
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【気になった言葉】
「小説を読むということは別世界への「旅」である。」 (P 198)
「俺は恥ずべきことは何もしていない」 (P 221)
【感想】 森見登美彦先生の背景がふんだんに盛り込まれており、今まで読んできた数々の森見登美彦先生の小説の別の見方を教えてくれる。何よりもうらやましいのが先生が処女作(本内では童貞作)『太陽の塔』のモデルとなった友人の姿である。「君の恥ずべき行状が暴露されてしまうがいいのか?」という問いかけに「かまわん」「俺は恥ずべきことは何もしていない」という一言が印象的だ。
こんな素晴らしい友人に出会ってみたい。
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単行本は読んでいたので、増補された部分を目的に再度手に取った。
特に西東三鬼『神戸・続神戸』の解説と、追加されたあとがきでより最近の登美彦氏の心情が読み取れる。
苦心されて居られるようだけど、それでも新作も出たことだし、これからも末永く楽しませていただければと心から願うばかり。
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前半は軽妙で、それこそニヤリと笑ってしまうところもあったのに、後半に行くほど引きつった顔しかできなくなってしまった。
特に、台湾の雑誌に掲載していたというエッセイ集、読むほどに気持ちが重くなっていく。
小説家のスランプほどつらいものはないんじゃないだろうか。
迫る締め切り、埋まらない空白、動かない頭、先走る心、寄せられる期待の目、いっそ隠れたい。
自分や周囲を切り取って小説に書く人ならなおさら、小説が書けないということは、自分自身を見失うことでもある。ような気がする。
不調も3年続けば実力、という境地に至るまでに、どんなにぐるぐるしただろう。
想像するほどに、つらい。
けれど、ここで書き終えて、改めてこの本を振り返ると、タイトルのように、陽光が蘇るのは、なぜだろう。
ところどころに、奈良の穏やかな風景が描かれているからなのか、周囲の優しさが透けて見えるからなのか。
お先真っ暗、とは感じないので、多分、森見先生は、これからも、大丈夫。
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まえがきにある、「眠る前に読むべき本」という解説がぴったりくるエッセイ集でした。
森見さんの作品はいくつか読みましたが、好きだと思えるものもあれば、自分には合わなかったものもあり。それらがどんな風に生まれてきたか、いくつかの作品については当時の様子も書かれていて興味深いです。
14年分の文章が集められていて、その主張が一貫しているところがすごいと感じました。
・とりあえず書いてみて、妄想がどう膨らんでいくかに委ねる
・構想の範囲におさまるなら書かなくていい
・物語のかけらは日常の端に転がっている
・奈良
・四畳半
・京都を描いているけれど京都が好きで好きでたまらないわけではない
「四畳半神話体系」が大好きなので、このエッセイ集を踏まえてもう一度読んでみようかと思います。
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これまでに書いた、色んな媒体でのコラムを纏めただけで1冊の文庫になるなんて、なんて良い商売なんだろう。
ただ、やはり文章と生き様は面白い。
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筆者が勧める通り、毎日寝る前に二、三話ずつチビチビと読み進めてきたので読み切るまで1ヶ月近くかかった。一つ一つのお話は長さも内容もさまざまなので飽きることなく、毎日ワクワクしながら読んだ。寝る前の読書タイムが楽しみで就寝時間が早くなったほど。
エッセイだが、共感できるところがたくさんあって、私ではうまく言い表せなかった気持ちが森見さんの巧みな言い回しと豊かな語彙で表現されていてなんだか、スッキリした。四畳半主義者としての独自の切り口もユーモラスで楽しい。森見さんの本を読むと四畳半で一人暮らしをしてみたくなる。
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作者は内田百閒が好きらしいが、なんとなくわかる気がする。「寝るときのおともに、少しずつ読んで欲しい」とあるけれど、いっぺんに読んでしまった。
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森見先生、愛妻家だな。
読んでいてしあわせな気持ちになる。
クスッと笑える。言葉遊びのような言い回し。
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『夜は短し歩けよ乙女』の著者による、自身を振り返ってのエッセイ集。京都大学在学中にファンタジーノベル賞を受賞し、前述の小説では、なんとも独自な世界観を示し、唯一無二で天衣無縫な天才肌と勝手に想像していたが、こんなに苦労人だったとは。卒業できなかったから院に行ったり、スランプになったり、振られた人を忘れられなかったり。人は深い。とても味わい深いエッセイ。