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紙の本
土星の環 イギリス行脚 新装版
著者 W・G・ゼーバルト (著),鈴木仁子 (訳)
〈私〉という旅人は、荒涼とした風景に思索をめぐらし、破片を拾い上げ、過去の事跡から連想の糸をたぐる−。イギリス南東の一角、サフォーク州の海岸縁や内陸にひっそりとある町々を...
土星の環 イギリス行脚 新装版
土星の環:イギリス行脚
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商品説明
〈私〉という旅人は、荒涼とした風景に思索をめぐらし、破片を拾い上げ、過去の事跡から連想の糸をたぐる−。イギリス南東の一角、サフォーク州の海岸縁や内陸にひっそりとある町々をめぐる徒歩の旅の記録。【「TRC MARC」の商品解説】
何世紀もの破壊の爪痕をめぐる
イギリス南東のサフォーク州の海岸線や内陸にひっそりとある町々をめぐる徒歩の旅。荒涼とした風景に思索がよびさまされ、過去の事跡からつぎつぎに連想の糸がたぐられていく。アフリカから戻ったコンラッドが寄港した保養地、中国皇帝が乗るはずだった列車が走行していた鉄橋……そして本書の同伴者となる17世紀の医師、トマス・ブラウンをはじめとした、魂の近親者である古今の人々との出会い。
〈私〉という旅人は、どこか別世界からやってきた人のように、破片を拾い上げ、想起によって忘れ去られた廃墟の姿を甦らせる。人間の営みを、人間によって引き起こされる破壊と惨禍を、その存在の移ろいやすさとともに見つめようとする眼。歴史を見つめるその眼差しは、そこに巻き込まれた個々の人間の生、その苦痛に注がれている。
「作中入れ替わり立ち替わり現われる奇妙なエピソードは、それぞれ独自の奇怪さを有していて、印象としては、すべてが次第にひとつに収斂していくのではなく、何もかもがいつまでも横滑りしていく感がある。」柴田元幸氏による解説「この世にとうとう慣れることができなかった人たちのための」より引用。【商品解説】
著者紹介
W・G・ゼーバルト
- 略歴
- 〈W.G.ゼーバルト〉1944〜2001年。ドイツ生まれ。「アウステルリッツ」で全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞を受賞。ほかの著書に「空襲と文学」など。
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