紙の本
新緑とそよ風
2021/05/10 18:51
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さく - この投稿者のレビュー一覧を見る
「・・・と言いたい」の、この言いたいが凄くインパクトがありました。
言いたいって?そう考えると込められた思いを、ああだろうか、こうもあるのだろうか、こう伝えたいのだろうか‥とめどなく思考していました。
山口さんの言葉は、新緑が似合います。
新芽が芽吹き、これから開かんとした力強さと、新鮮で柔らかく繊細な安らぎを同時に与えてくれます。
山口さんの文章には、いつもどこか心地良いそよ風が吹いています。
シビアな内容でも、読了後は静かな湖面を見つめていたような深い心持ちになります。
山口さん、もっともっと、あなたの紡ぎだす言葉に触れたいです。
紙の本
ていねいに生きる
2021/05/07 22:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
重大な病気や怪我に遭うことは誰にでもあると思います。
自分自身がそんな種類の患者になった経験があり、自分の命の限りに気付きました。
朝、目が覚めたら、その1日を大切にしようと決めました。
この本を読んで、その気持ちを更に強くしました。
長さにとらわれずに、自分の人生、面白かったな、
悪くなかったな、と思えるように丁寧に生き抜こうと思えて良かったです。
ありがとうございます。
紙の本
ありがとう
2021/06/10 07:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つくだだん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2021年6月6日。最後の最後まで、生きることの大切さを教えてくれてありがとう。今までの日常がそうでない日常に変わる時、どのように状況の変化に自分の気持ちを合わせていくか…。
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タイトルの最後の「と言いたい」の部分が、大切なのだと感じた。
何度も白血病が再発したり、肺炎を患ったり、多くの友人知人を失う中にあって、極限まで経験したからこその、「と言いたい」なのである。読めば分かるが、本気で「がんになってよかった」とは思っていない。ただ、彼はこうも言う。「他の大切な人や家族でなくて、自分で良かった」と。そして、「がんになったからこそ、分かったことや出会った出来事があった」と。
筆者は生きるために懸命に治療に耐え、そして今年の6月に残念ながら亡くなってしまった。
3度目の白血病によってである。
自分としては、亡くなる前に読みたかったが、かなわず残念であった。
飽くなき生への情熱を感じるとともに、「生きていることに意味はない」し、だからこそ、「生きなければならないのだ」と感じた。
わずか23歳で、と思う方もいるかも知れない。私もその一人である。しかし、本人にとっては、濃密な23年間だったと思うし、精一杯「生ききった」のである。
「生きてる意味あるの?」とか「〇〇したくない」という人は、一度読んでみるといいと思う。したくてもできない人の気持ちが、当事者しか分からないことの一端(あくまでも一端である。本人ではないので絶対に分かり得ないが。)が理解できると思う。
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壮絶な闘病記。本書は治るところで終わっているが、その後更なる再発の上亡くなっている。これだけ生きる事を望む人がいる一方で自死を選ぶ人がいるのは本当にやるせない。
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自分も癌になった経験があるので、ついつい共感して買ったけれど、自分とはあまりにも異なる壮絶な闘病生活を送られていた。
自分自身大きく価値観が変わったかと言われればそう言うわけではなく、やりたいことをやるための大義名分を得たような感覚であったけれど、著者のやりたいことがどんどんできなくなる現実と向き合い受け入れていく姿に勇気をもらったし、自分のいまおかれている環境に改めて感謝する気持ちを覚えた。
一つ一つめのまのことを大切にしていきたい。
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人生の節目ごとに、1年の節目ごとに、
読み返さなければならない1冊になりました。
生きてて欲しかった。
彼が生きていたら、本当に日本は良い影響を受けていたのではと感じる。
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2021/08/01リクエスト 2
病は決して不幸そのものではない。患者を可哀想だと言ってくれるな。
僕は僕の生き様を残し伝えていくから、あなたはあなた自身の命について考えてほしい。
僕は、今の僕が好きだ。がんになり、自分の思いを綴り、そして自らの人生について深く考えることのできる自分が。
19歳で癌に、しかもとても珍しい胚細胞腫瘍になってしまう。
データからは、一年以上生存している人を見つけられない、そんな苛酷すぎる病。
何度も読んでいて、また再発、また再再発、その中で大学に通い課題も出し、旧知の友や、病院内で親しくなった人の訃報を知る。
最後の選択は、
死ぬかもしれないA、死ぬかもしれないB
どちらを選ぶか?
というもの。
悩み、死ぬかもしれないBを選ぶ。それは母親にドナーになってもらうという親にも体力的な負担をかけるものだった。
その後もまだまだ過酷すぎる治療が続くが、ラストはなんとかいい風に収まる。
彼の書いているいろいろな例えは、ちょっと難しく自分には理解できない部分もあったが、気持ちの揺れは、完全にわからなくとも、見えるように伝わってきた。
彼に選べる治療法を与えられたこと、そのチャンスに乗れたこと、そして命を繋げたこと、本当に嬉しく思う。
選べず亡くなっていく人もいることを思うと…
もうすぐ私事だが、妹の9回目の命日がやってくる。あっという間に亡くなった妹の姿がチラつき、辛いことをたくさん思い出した。
でも彼の比ではない。
頑張らなくていい、病を切り離せないならうまく共存して、長く命をつないでほしい、そう心から祈ります。
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過酷。。
どうして1人の人にここまで辛い目に遭わすのか。
理不尽さを感じる。
でも本は、頭の良い人はみんなこうなのか分からないけど小難しい言葉を並べてインテリ感満載で、もう少し普通に自分の感情を語れば良いのに、と感情移入出来ないし面白くはなかった。
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友人のお兄さんということで手に取った。
私の言葉で感想を書いてしまったら軽くなってしまう気がするので躊躇われるけれど、読んでよかった。ここまで心に刺さった本はない。
自分の状況に嘆くだけで終わるのでは無く、その状況からも価値を見出して、前向きに強く生きようとする姿がかっこよすぎた。
タイトルは「…といいたい」 の部分が大切なんだな。最後に生存者バイアスの話をされているけれど、山口さんは息を引き取る直前も同じように「がんになって良かったといいたい」 って思えていたのかな。
同じ大学生とは思えない語彙力と構成力、表現力にも圧倒された。言葉選びも凄い。夢のひとつだった作家は諦めたといっているけど、作家「山口雄也」 としてこの本がもっと色んな人に読まれますように。
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19歳でがんに、その後白血病患者として過ごし、生きる筆者の闘病生活とその戦友たちとの記録を綴った一冊。
読み終えて
「評価がつけられない」と感じた。
素晴らしかった、星5
なんて、そんな陳腐な言葉で評価なんて出来ない。
壮絶な闘病生活。
それは治療による身体的な苦しみに、死と向き合う恐怖、苦痛、苦悩。
読んでわかった気になんてなれない。
きっとわからない方がいい。
いいんだけれど、なった人にしかわからない世界がそこにはあって
乗り越えた人にしか見えない世界がある。
評価できない名著。
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山口雄也さんが6月6日亡くなった。
ある日突然、僕のTwitterアカウントのおすすめに飛び込んできた彼。がんと戦う彼のツイッターがなぜおすすめされたのかはわからないが、末期の大変厳しい状況の中で文字どおり懸命に生きようと、生き切ろうとする彼のツイートの切実さから目が離せなくなった。
そして、つい3日前、雄也さんの父親の代理のツイートで亡くなったことを知った…
この本は大学1年の冬に突然、胚細胞腫瘍というがんを宣告され、入退院を繰り返した山口さんの闘病記だ。2020年3月までのブログを基に構成されている。
「がんになって良かった」は、病気としての「がん」という側面でなく、限りある人生を悔いなく生きるきっかけの「がん」としてなって良かった、ということ。
山口さんが、初めてがんになって、数ヶ月に及ぶ抗がん剤治療を受け、最後に十時間を超す難手術を受けるの前夜に、これまでの厳しい道のりを思い出しながら記したもの。
この言葉に対し、世間からは心のない中傷を浴びせられたという。
ー 癌になって良いはずがないだろう
ー 強がりだ
ー それは生きているから言えることだ
ー 私の母は死にました
ー 癌になって良かったですね
これらは、「病気は悪」で他人事と思っているからこその言葉ではないか、と思う。著者も「考えぬ葦の戯言だ、お前もいつか死ぬぞ」と思ったという。まさしく。
山口さんは、死の領域に足を踏み入れた者だけが手にし得る世界の眺めがあるのだという。彼らを可哀想だという人間は、きっとその美しさがわからない。
健常者も病人も、お互いの存在が心のどこかにある、そんな相互の支え合いこそ「愛」だという。
オアシスは「Live Forever」で「永遠に生きていたい。死にたくなんかない。」と歌う。それは叶わない。誰しも死ぬ。
この世には、だからこその美しさがある。
がんになってない人もがんから目を背けないことでこの世の美しさに近づけるのではないか。生きていくことの素晴らしさに少しでも気がつくことができるのではないか、と思った。
山口雄也さんの冥福をお祈りします。
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【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC01557547
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過酷な世界を、必死に前を向いて生き抜こうとした著者の強さに感動した。自分の悩みが余りにちっぽけだ。まさに、生きとるんやから贅沢言わない、恥を知れ!、だ。
本を書くことが一つの夢だったとのこと。著者の文書を読むと、沢山本を読んできた、教養ある優秀な人物だったことが直ぐに分かる。一つの卓越した才能が若くして散ってしまったことを大変残念に思う。ご冥福をお祈り致します。
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Twitterをずっとフォローしていて、応援していました。
まず難しいがんになって、次に白血病。そして再々発。
苦しい治療、闘病を続けながらも、勉強を続け、京大を卒業。そして大学院に進学。
亡くなる少し前も病室で授業を受けていました。
長い間のかなり酷い体調不良の中でも、ネット上で様々な発信を続け、社会に呼びかけていました。そして、時には誹謗中傷に対しても闘っていて、身体に触るのではないかと心配になっていました。
この本は少し前に出版されたもの。
NHKの番組になっていたようです。
ブログがもとなっているもののようですが、普通の闘病記ではありません。山口さんの人生への向き合い方が深い文章で表現されています。ボキャブラリーが実に豊か。
そこから伝わってくるのは「生きたい」という熱くて強い想い。
長生きしてほしかった。そして社会のためにいろいろなことをしてほしかった。と心の底から思いました。