2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のことは全く知らなかったのだが、書評か広告かで知り本書を手にした。SNSをほとんど利用しない人間なので、炎上云々の類の話はほとんどわからない。
本書はここ数年にかけて著者が発表した作品が編集されている。どれも読みやすく、共感できるし、主張についても概ね賛同できる。特に前首相のことが多く書かれており、評した内容も同感である。突拍子もなく政策を発表したかと思うと詭弁にもならない嘘の答弁をくり返して国会の論戦に水を差し、人のヤジには強く抗議するが、人間性を疑われるような野次に努力を傾注した御大だったと思う。どんな人間にも長所短所があり、政治家としても功罪あるので一面的な見方をするのも気の毒だが、どれほどの国民が彼の退陣を惜しんだろうか。
代弁してくれた著者に感謝したいが、自分が溜飲下げたところで世の中は変わらない。
紙の本
面白いと思います
2020/11/21 20:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:直美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
細かいという人が多いかもしれないですが、非常に重要な問題提起だと思っています。当然に疑問などに感じることを当然に書いているのが好感を持てました。嘘も百回言えば本当になるような世の中になってしまった無念さも感じてしました。
紙の本
走馬灯か
2020/10/07 23:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オダジマさんの、相変わらずカイトウランマなエッセイ集。読むと、まだ数年前の出来事なのにずっと昔のことのように感じられる。走馬灯のよう。しかし、公文書の改竄など、あっては絶好にならないことをスルーしてしまっている現実。日本という国の劣化は深刻です。
投稿元:
レビューを見る
本屋で並んでいる表紙を見て,図書館にリクエストして届いた本を楽しみにして読み続けて,「ああ,日本語に関する本でなく,政治エッセイだったのかぁ」と思いつつ,「あ,この表紙のイラストを見て,安倍さんの『日本を取り戻す』をからかっている・『語』の背景になっているのが『アベノマスク』だぁ」,「経済の専門家でない」「政治の専門家でもない」と言っていて,「何の専門家?」と振り回され,随分,話題が古いなぁと思いつつ読み終え,奥付を見たら2年前の発行で吃驚!!~(エッセイですから・気になった言葉だけ並べると)「アカピ」「ダサヨク」「ジャーゴン」「マスゴミ」~調べたら,小田嶋さんは同い年で北区出身,小石川高校卒。おっ,友だちの友だち位の近さだ。早稲田大学,おっと同窓。教育学部社会科・・おぉ。2022年6月に亡くなっている,若いなぁ・・・。あ,なるほど! 書店員に小田嶋ファンが居て,出版社の働き掛けがあり,目立つ所に置いて売って得て印税を香典代わりにしようとしたんです・・・か?? リクエストして市に買わせたから,多少は協力したネ
投稿元:
レビューを見る
システム思考という名前を最近知った。それができていることがこの先を生きていくために重要だと。
この本の著者はそれができている。出てきた奇天烈な言動に反射的な批判を繰り出すのではなく、それが別の場所で生じさせる影響や時を経て生じる影響まで思いを致して、文章に綴っている。だから、エッセイストとして一流なのだと思う。
題材となった色々はまだ解決しておらんので、まだ古びてはいない。今となっては貴重な一冊である。
投稿元:
レビューを見る
小田嶋さんの、軽妙だけどしっかりとした日本語で書かれた文章は読みやすくて、とても面白かったけど、扱われている事象がどうにも腹が立って読むのに中々に力が入りました。
なんでこんな愚かな人達に国の運営なんて任せなきゃならんのだ。
それを許してきたのが自分も含む有権者の怠惰だということが更に腹が立つ。
それはともかくも、言葉に対する軽さ、は普段の自分を思い返してもドキリとするところがあった。せめて、自分を正すところから始めてみようかな。どうすればいいのか、はっきりとは分からないけれど。
投稿元:
レビューを見る
タイトルはどうあれ、いつもの小田嶋氏のエッセーである。過去5年くらいの中で政治、経済、芸能まで、多彩なボキャブラリーで評論が展開される。独特の語り口が次も読みたい、という衝動に駆られるのがすごい。
投稿元:
レビューを見る
2021年「日本語を、取り戻す」読了。Twitterでいつも荒れ気味な小田嶋隆さんの書籍は初めて読んだ。言葉というものの裏側というか、行間というか、文脈を考えるということがどういうことかが伝わってきて、愚痴やたとえもわかりやすく、面白く、考えさせられる一冊だった。とくに政治家の言葉や、報道の言葉の捉え方の一つとして勉強になった。
投稿元:
レビューを見る
こういう視点を身につけたい
言われてみると大きく頷ける話がだが、自分からは展開できない
変に濁してないし、自慢が鼻につくようなこともなく気持ちよく読める
投稿元:
レビューを見る
ここ数年の間に、雑誌などに書かれたものを集めたコラム集。安倍前総理をはじめとする、政治家、あるいは政治そのものに関すること。また、マスコミ、メディアに関することが多く書かれている。
森友学園問題、加計問題、中央官庁の障がい者雇用水増し問題、色々な事件でのデータや記録改竄・廃棄問題、麻生大臣の武漢ウィルス発言問題、等々。他にも同程度の問題が沢山。
本コラムは、こういった問題に関する記録にもなっているが、あらためて、これらに関するコラムを読んでみると、一つ一つの案件のひどさ・馬鹿馬鹿しさについてが思い返されると共に、殆どのことについて、既に忘れてしまっていたことに驚いた。もちろん、コラムで読んでみると記憶はあるが、普段思い出すこともしないという意味で忘れてしまっていた、ということ。
小田嶋隆も本書の中で書いているが、私たちは、こういった、よく考えれば酷いことに、慣れてしまって、いちいち怒ることもなくなってしまったのかも知れない。
投稿元:
レビューを見る
ずっと気になっていながら、結局追悼的に読む感じになってしまった。まだまだお若かったし、そんなに体調が悪かったとは知りもせず…。ちなみにこの☆5つは、追悼抜きでの感想。思えば、この表紙の人のあまりに貧しい言葉遣いとかも、小田嶋さんのつぶやきで知ったことも多かったし、鋭いツッコミに『我が意を得たり』って思ったことも数知れず。そんな氏のコラム集が面白くない訳はなく、もっともっと小田嶋節を!っていう渇望が抑えられない。
投稿元:
レビューを見る
内容の前に「この表紙、どうなの?」って話です笑。
待ちに待った当代随一のコラムニスト小田嶋隆さんの新刊。
森友・加計問題や検事長の定年延長を巡る政府のデタラメ、世界と日本を跋扈するワンフレーズの罠、凋落する一方のメディアを俎上に載せ、バッタバッタと斬りまくる。
内容も痛快ですが、ぼくは小田嶋さんの文章が好き。
先日、読了した武田砂鉄「わかりやすさの罪」ではないですが、理路整然では決してない。
いや、どちらかと言えば分かりにくい方ですが、小田嶋さん自身の思考の痕跡がしっかり見えて、誠実で信頼できます。
逆に、借り物の知識で理路整然と語られるコラムほど退屈なものはないですね。
小田嶋さんが使う言葉もしばしば難しいです。
一般に、文章は、難解な言葉を用いず、簡潔・平明に書くことが良しとされています。
私も9割方支持します。
中には、背伸びをして難しい言葉を誤って使い、自爆している向きもありますが、これなどは絶対に回避すべきでしょう。
でも、小田嶋さんは敢えて難しい言葉を用いている節があります。
そうやって文章を引き締めることで、小田嶋さんの最大の魅力であるユーモアが引き立つ効果があるのですね。
小田嶋さんは、本当に文章がうまいと思います。
コラムを書かせて小田嶋さんの右に出る人は、少なくともアジアにはいないんじゃないかしらん。
では、私の好きなコラムを1本、本書から紹介するとしましょう。
タイトルは「サッカー監督に聞くべきは」。
◇◇◇
面白い動画が流れてきた。
画面に出て来る主人公は、サッカープレミアリーグ(イングランド一部リーグ)で首位を独走するリバプールFCの監督、ユルゲン・クロップ氏だ。クロップ監督は、パネルの前で記者の質問に答えている。そのやりとりが水際立っている。記者がコロナウイルスについての考えを質す。と、クロップ氏の回答はこうだ。
「私は、政治やコロナウイルスのようなシリアスな問題について、サッカー監督の意見を聞きたがる風潮が理解できない。私は素人だ。有名人だからという理由で私の意見を尊重する必要はない。ごらんの通り、私は野球帽をかぶった、自分のヒゲをきれいにしておくことさえできない男なのだからね」
なんと見事な回答ではないか。
実際、クロップ監督とて、コロナウイルスについて、自分なりの見解を持っていないわけではないはずだ。しかし、彼は自分の意見よりも、サッカー監督たる自身の立場をより重要視している。まったく完璧な自己省察だ。
対照的なニュースがある。3月2日に放送された民放のワイドショー番組で、吉本興業所属のお笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の吉田敬氏(46)が、与野党の政治家の発言を断罪したというお話だ。発端は、麻生財務大臣が新型肺炎をめぐる臨時休校要請の質問をした記者に対して「つまんないことを聞くねぇ」と返したことだった。これに対して、立憲民主党の蓮舫参議院議員がツイッター上で「貴方にとっては『つまんないこと』なんでしょう。でも、親にとっての費用負担はとても大きいものです」と噛み付いた。で、両者の発言をとらえて、吉田氏は、放送��中で以下のように述べたわけだ。「麻生さんからしたらホンマしょうもない質問なんでしょうけど。そこを我慢もう一歩してほしいし、そこの揚げ足をとってうわぁーっていう蓮舫さんといういつもの流れ。もう、ええわって。どっちも0ポイントというか」
ま、要するに「どっちもどっち」てなことで、麻生氏と蓮舫氏の双方の発言を相対化した定番のコメントだ。
吉田氏のコメントに賛同する人もあるだろう。逆に、反発を抱く視聴者もいるはずだ。しかし、問題はそこではない。見解の当否は、この際、どっちでもよい。
重要なポイントは、しゃべりは得意かもしれないが、政治やウイルス対策の専門知識を持っているわけでもない人を連れてきて、国会議員の答弁やツイートを採点するがごときコメントをさせ、それで番組を作ることにある。
しかも、そのコメントは、テレビ電波を通じて全国に流され、のみならず、スポーツ新聞がそれをネタに記事を書く展開が約束されていたりする。つまり、われわれは、お笑い芸人であるというだけの素人の台詞を、新聞で読まねばならない国に住んでいるわけだ。
思うに、お笑い芸人をコメンテーター席に座らせて、政治経済外交防衛いじらせて番組を進行させる手法は、21世紀にはいってから顕在化した、「24時間総バラエティ化」の一環だ。実際、今回のコロナウイルス関連でも、お笑いの人間の意見が、最も大きな影響力を発揮していたりする。
いや、笑いごとではない。
われら一般国民がテレビを見て笑っている限り、いずれ、この国は、世界の笑いものに成り下がっていく、と、私は思っている。
投稿元:
レビューを見る
このブログの日記みたいなのってコラム、なのかな?
こういうレベルの低い書き殴りにイチイチ突っかかっても仕方がないのだが、まずはご自身の日本語を取り戻すことをお薦めする。何重にも予防線を張った持って回った言い回しは老人世代にしか通用しないのよ。
確かに岸田さんになって最も驚き、かつ感心したのは、記者会見で記者と意味の通る会話が交わされていることだった。なんだ、政治家だってやればできるじゃん!と素直に嬉しかった。その意味で安倍、菅政権のアカウンタビリティの軽視には絶望していたし、マスコミも自ら進んで煙に巻かれて共同犯罪を形成していた罪は許し難いと思う。ただ著者が根本的に誤解しているのは、ネットで過激な投稿をする極小数のネトウヨの裏に、それを消極的にせよ支持する多くの大衆がいて、恐らくそれが日本国民のマジョリティを形成していること。残念だけど。
投稿元:
レビューを見る
いちいちごもっとも!
さすがコラムニスト!
言葉に敏感ですね。
一番強い印象は「安保関連法案に対する理解が進んでいない」というクダリ。
何となく聞き流していたけど、国民を確かにバカにしているよね。ちゃんと理解していたから、反対した人がたくさんいたんだよ。
憲法改正(改悪?)議論もそんなふうに片付けられたら、声を上げなくてはならない!
投稿元:
レビューを見る
それぞれ連載時に読んだものも多かったが、このように1冊にまとめられると、しみじみ日本語を壊され続ける日々であることが実感できる。指摘しようが責めようがどんどんひどくなる。政治家、官僚、企業経営者…
日本語が壊されることは日本が壊されること。こんな国、さっさと捨ててしまいたいが、ちょっと海外へ、さえもできない日々。なんとかこの国を持たさないと自分が持たない。小田嶋さんのコラムを読んで溜飲下げてるだけではダメなのだ。