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商品説明
40代後半の大学教授がアイドルを好きになり…。「現場」と呼ばれるライブやさまざまなイベントに足を運んだ見聞を語るとともに、現在のアイドル文化を「ハロー!プロジェクト」のグループアイドル達を足がかりに広範に記す。【「TRC MARC」の商品解説】
本書は、ゼミ生の卒業論文のテーマがきっかけで、ハロプロアイドルにハマった大学教授が、アイドルの〈現場〉でのさまざまな体験をもとに考察したアイドル文化論です。
いまや日本が世界に誇るサブカルチャーのコンテンツのひとつがアイドル文化です。これを考察したアイドル論自体はけっして少なくはありません。しかしながら、本書は、いわゆる〈現場〉を中心に考察したアイドル文化論なのです。
たとえば、現代のアイドルとは、もはやアイドル本人と「事務所」だけでつくられるものではありません。現在のライブやコンサート、各種のイベントは、ファンが積極的に関与してこそ成立するものなのです。アイドルオタクたちは、インターネット上やSNSでアイドルと交流し、その活動を支えています。
現在では、こうしたファンたちがアイドルと邂逅し、インタラクティヴにつくりあげていく、そのような場所のことを、〈現場〉と呼んでいます。この〈現場〉にじっさいに参加した著者が考察した、数々の貴重な観察記録であることが、本書の特徴といえます。
40代後半ではじめてアイドルに逢いにゆくことになった著者は、Hello! Projectメンバーの稲場愛香さんを追いかけて、彼女が所属するアイドルグループJuice=Juiceのライブやコンサート、バスツアー、リリースイベント、トークイベント、舞台など、さまざまな〈現場〉に足しげく通います。
これらの種々の〈現場〉体験レポートが本書にはたくさん記されていますが、Juice=Juiceが出演するドラマのエキストラに参加した体験談まで収録されています。
アイドルのライブやコンサート公演の観覧をはじめとした「未知」の体験とともに記されるのは、いわゆるハロヲタ(ハロプロアイドルヲタク)と呼ばれる人びととの出会いや交流です。ときにはサイリウムの点灯方法を教えてもらったり、ときにはコレクション商品を交換しあったり・・・・・・。
とりわけ、章ごとに付属する7本のコラム「オタクの肖像」では、著者がじっさいに交流した「ハロヲタ」の人びとについて、詳しくレポートされています。どんな職業についていたり、どのような応援のスタイルなのか、かれらの素顔も非常に興味深いです。
これらの〈現場〉レポートとあわせて、Juice=Juiceが主演したドラマ作品や原作、舞台作品、近年のアイドル自伝、現代のアイドル運営、アイドル文化と日本の高齢化社会との関係なども言及されます。
少し硬い書きかたをすると、本書は社会学の参与観察ドキュメントということになりますが、そのような小難しい専門書のスタイルではなく、読みやすさを重視した体験談風の文体で書かれています。
本書は、現在のアイドルと、それをめぐるファンコミュニティと〈現場〉のありかたを論じることで、現代日本のアイドル文化の実態を広範に論じている、稀有なサブカルチャー研究書となっています。【商品解説】
目次
- まえがき
- 1.札幌へゆく
- オタクの肖像1「うにたこ」さん
- 2.推しに逢いにゆく(Side A)
- 1.「ハロコン」にゆく「Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project 2018 WINTER」オリックス劇場
- 2.トークイベントにゆく ハロショ千夜一夜 第四十八夜~稲場愛香~
- 3.稲場愛香さんを推す
- オタクの肖像2「伸び子」さん
著者紹介
森 貴史
- 略歴
- 〈森貴史〉1970年大阪府生まれ。Dr.phil.(ベルリン・フンボルト大学)。関西大学文学部(文化共生学専修)教授。著書に「裸のヘッセ」など。
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爽やかです・・・
2020/10/21 01:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:通りすがりの風来坊でござんす - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんのストレスも生まずに読み終えることができました。それは、悪人が一人として登場してこない、ということに尽きると思います。性善説を信じたくなる一冊でした。
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がんばり
2020/09/30 05:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
まなかんこと稲場愛香ヲタの大学教授の華麗なる活動の記録。突き詰めていくタイプの人がアイドルにはまるとこうなるのだ。ライトヲタとしては尊敬に値する。お値段高め。
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関西大学出版部刊行でありながら…
2020/07/25 21:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:道南 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は大学でサブカルチャー論を専攻する学生の指導などされているということと、研究所出版の補助を受けての刊行ということで、アイドル文化に社会学的分析がされているのかと思ったら、教授自らのオタクレポート的内容でした。ですが、それがよいのです。共感をもって読了しました。