- カテゴリ:一般
- 発売日:2020/08/01
- 出版社: リトルモア
- サイズ:19cm/162p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-89815-525-7
紙の本
砂漠が街に入りこんだ日
破滅寸前の世界は、どんな居場所も、手がかりも与えてはくれない。そこはLUOES、幻想都市。顔をなくした人々の群れ−。「ルオエス」ほか全8編を収めた、韓国を離れ渡仏した著者...
砂漠が街に入りこんだ日
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商品説明
破滅寸前の世界は、どんな居場所も、手がかりも与えてはくれない。そこはLUOES、幻想都市。顔をなくした人々の群れ−。「ルオエス」ほか全8編を収めた、韓国を離れ渡仏した著者のフランス語による短編小説集。【「TRC MARC」の商品解説】
フランス各誌が驚愕!
「大事件」とまで評された、鮮烈なデビュー作。
こ の 距 離 が、 私 を 自 由 に し た。
あらたな「越境」小説集。
出身地である韓国を離れ、渡仏した若き鋭才、グカ・ハン。
選びとったフランス語でこの小説を書くことが、自分のための、独立運動だった。
- - -
そこは幻想都市、ルオエス(LUOES)。人々は表情も言葉も失い、亡霊のように漂う。
「私」はそれらを遠巻きに眺め、流れに抗うように、移動している。
「逃亡」「反抗」「家出」、その先にある「出会い」と「発見」。
居場所も手がかりも与えてはくれない世界で、ルールを知らないゲームの中を歩く、8人の「私」の物語。
- - -
登場人物は誰もがみな移動している。
ある街から別の街に向かう者もいれば、ある国から別の国に向かう者も、あるいはただ川を渡り、向こう側に行くだけの者もいる。
彼らは現実の世界と夢や幻想の世界を、生と死の間を行き来する。
そもそもこれらの短編は、作者である私が二つの言語の間を絶えず往復した成果だった。
(邦訳版書き下ろし「作者あとがき」より)
◇ ◇ ◇
彼ら彼女らはちっぽけな個人では太刀打ちできない大きな力に直面し、しばしばそれに押しつぶされてしまっているように見える。
だが、グカ・ハンによれば、必ずしもそういうことではない。
登場人物たちは、しばしば世界から身を閉ざし、縮こまっているだけのように見えるが、それは理不尽な世界に対する反抗のひとつのあり方である。
(「訳者あとがき」より)
◆ 温又柔氏、斎藤真理子氏より推薦コメントが届いています! ◆
静かでありながら、とてつもなくけたたましい。
母語の檻の中でまどろんでいた意識が生き生きと粒立ってくる。
―― 温又柔
誰かの困惑の中に、すべての答がある。
後を追いかけていきたい、グカ・ハンの迷路。
―― 斎藤真理子【商品解説】
収録作品一覧
ルオエス | 7−29 | |
---|---|---|
雪 | 31−47 | |
真珠 | 49−61 |
著者紹介
グカ・ハン
- 略歴
- 〈グカ・ハン〉1987年韓国生まれ。パリ第8大学で文芸創作の修士号を取得。フランス語で小説を執筆。翻訳家として、フランス文学作品の韓国語への翻訳も手掛ける。
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紙の本
つかみどころのなさが最大の魅力
2020/10/10 00:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国で生まれてフランス語で書いた短編小説の日本語訳っていうなかなか実験的なプロセスを経た一冊。作者が母国語ではなく、一歩引いた目線で人々の「移ろい(テーマは旅だったり、感情だったりする)」を描くために異国のことばを使ったことが効果的?
効果的だ、と断言できないところがまた面白い。この小説に独特なドライな風合いをもたらしているものは、韓国文学に浸透した普遍的な何かなのか、著者自身のドライな視線なのか、ことばのフィルタを二重に介したからなのか、訳者の効果なのか。そういう掴みどころのなさがこの本最大の魅力だと思う。