紙の本
人を恋するすべての人に
2020/10/10 17:17
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投稿者:butnot - この投稿者のレビュー一覧を見る
★ネタバレ有り
住野よるのすべてが詰まっているといってもいい
体験してみたい出会いも、読んでいてこっちが恥ずかしくなるような蜜月も、心が割れるような別れも、そしてどんでん返し。
少し不思議な世界に触れる気分になれるファンタジー要素もあり、読んでいて飽きない
読了後、すぐにもう一度読み返したいとさえ思える
THE BACK HORNも、今回初めて聴いたが、世界観にピタリと合っていて、読んでいるときの感動を倍増させてくれた。
紙の本
難しい…けどわかると考えさせられる
2021/10/28 05:59
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投稿者:サイト - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局のところチカがなんだったのかが分からないけど、多分お母さんのラジオから聞こえる音楽がそのまま人間に見えていた(幻覚)だったのかなー?なんて…だから言語化してまとめられなかったり言い換えられなかったりする言葉はノイズとして聞こえないふりをしてた…のかな?
チカがカナ以外とあってたのは齋藤であったし和泉でもあったのかなと…齋藤が変わっていく姿が同族嫌悪で気に入らなかったのと、アルミを殺してしまった罪悪感と和泉と向き合えなかった後悔で最後は会えなくなったとか?難しいけど色々考えられて楽しい作品だった…最後に地元であったベビーカーを押してる女性は和泉なんだなとそこだけは確定でわかった(笑)
紙の本
辛いけど引き込まれる
2020/12/19 11:14
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投稿者:ちょこsweets - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽と小説という組み合わせに惹かれて購入しました。
私は小説から読んだのですが……。
日常に異世界が紛れ込んでくる不思議な感覚やもどかしさが魅力的でした。しかしどうも主人公の物の考え方が暗く、美しい風景に反して、読み終わったあとの気分は重かったです。
読む手が止まらないのに、読んでいて辛い本でした。
音楽のほうはそのあと聞きました。
文ほどの重さはない印象です。主人公を取り巻く景色とマッチしている気がしました。
映像化などされれば、主人公の心の奥底のドロドロな部分がそれほどはっきりとは見えず、すっきり観終えることができるのかもしれません。
紙の本
これを読んだあなたと語り合いたい。
2020/12/26 23:39
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投稿者:わに♂ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分は他の人と本質的に違うと思って生きていたことが、覆されるわけではないが、そう思っていること自体が他の人と同じかもしれないと疑うべきであり、同じや違うという二項対立で捉えるものではないかもしれないと認知しておくべきだと思った。
だからこそ、人はその人であって良いと思うし、そもそも良いとかではなく、もともとその人はその人であるということ。だから、俺は俺であり、誰かにどう思われることも俺の一つであって、肯定・否定とは別の考えである。
だから、この本を、いや、何かを評価することに星や数字では表現できないと感じたし、俺の評価でこの本の価値や意味は測れないと思う。故に未評価。
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小説を買うのは文庫本派なのですが…ロックバンドTHE BACK HORNとのコラボレーション小説とのことで、なんとミニアルバムが収録されたCD付き!につられて買ってしまいました。限定とかおまけに弱いんです…。
退屈な日常に絶望する高校生の香弥が深夜のバス停で出会ったのは、爪と目しか見えない異世界の少女だった…。
住野よるさん、好きなんですが…前回読んだ『青くて痛くて脆い』も主人公・楓にまったく共感できず…今作も作中の言葉を借りると「クソ野郎」な主人公・香弥くん。
帯には「恋愛長編」とあり恋愛ももちろん描かれてはいますが、テーマは「今を精一杯生きよう」ということなのかなと思いました。
小説を読んだ後にCDを聴くと、当たり前ですが歌詞が物語とリンクしていて、すごく沁みました。
今思っているこの気持ちもいつか必ず忘れる
悩んで苦しんで今を積み上げていくことしか出来ない(347頁)
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そうだったのか。
俺達は、出会い方を知っていたのか。
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読みたかった住野よるさんの最新作。CD付きで楽しむため予約してお迎え。
THE BACK HORNさんの音楽が曲中の音楽と重なり、まるでチカが歌っているかのようだった。帯にある通り、本当に小説と音楽の境界線を超えてきている。面白いなぁ。
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爪と目しかない相手と心を通わせていくというファンタジーもありながら伝えたいことはリアルだなと感じた。自分にとって特別な存在と思っていた相手。でも相手にとっては自分が特別な存在ではないと分かった時の嫉妬心。得体の知れない者とも言葉や感覚で気持ちを分かち合えること、でもその気持ちもいつか忘れてしまう儚さに触れた。
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カヤは日々に飽き飽きしていながらもチカに会うことで人間らしい感覚を手に入れている気がする。カヤと対比した音楽と出会った紗苗の存在感。カヤはいい人に出逢えたなと思った。チカに改めて会えた時、あの言葉をかけれたのは紗苗の存在もあったからかなと。自分が紗苗の立場なら中々耐えられないと思う
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これはどうなのだろうか…私の中では、モヤモヤしてスッキリしない感じが読中にあった。目と爪しか見えないチカと出会い、惹かれていくカヤ。突然の別れの後、31歳となったカヤは、斎藤と再会し付き合うことに。カヤの葛藤というか、気持ちの重さというか、時間が経つにつれて事実だけが残ることに対してのカヤの気持ちもわからなくはないが…こんな人変わることあるのか?って思って読んでいた。だが、斎藤が上手く導いていくのかなぁと(*ˊ˘ˋ*)。♪:*°アキとの出会いも良い方向へ向けてくれてた感じだし、読んで良かったかな♪*゚
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読み手によっては、解釈が様々に分かれるのではないかと思いました。
全体の構成としては、第一部の高校生編と第二部の30代編に分かれています。
第一部では、高校生・カヤがランニング中に使われていないバス停の待合室で休憩していたら、突然女性の声が。そして緑色の光を放つ物体が現れる。しかし、見えるのは爪と目の部分しか光を放っていない。話を聞いているうちに異世界の少女なのではと思っていきます。声と爪と目だけしか登場しないヒロインは、斬新な設定でしたが、色々想像をかき立てられました。少女との話も大事なところは✖️✖️表示なので、気になりました。
第二部では、カヤが30代になった話です。第一部の最後は急にテレビの電源を消すかのように終わり、第二部に変わったので、え?どういう事?あの少女はどうなったの?と疑問を持ったまま、時が過ぎていました。高校の同級生と再会し、付き合うのですが・・・。
最初、読んだ段階では異世界ファンタジー?と思いましたが、次第に恋愛になったり、群像劇になったりと大きくまとめると「恋愛小説」でした。
カヤは、「青くて痛くて脆い」の主人公を彷彿させるような人物で、平凡な毎日に一石を投じたいけれども、何かもどかしく、内に秘めている感情を爆発させたい雰囲気が溢れています。
しかし、少女のために頑張る姿は、純真で真っ直ぐな心を持つ男に見えてきます。時には度を超えた行動をしたり、時には少女に恋をしたりと青春群像劇として楽しめました。特に少女とのシーンはドキドキで甘酸っぱかったです。
でも、純真が故に様々な行動が、嫉妬や自責の念へと繋がっていくので、カヤの心の揺れ動きが繊細でした。
色んな疑問を残したままの第一部終了でしたので、高校生編のエピソードが、どう繋がるのか第二部が楽しみでした。
最初は恋愛の雰囲気があったのですが、段々とカヤの心が揺れ動いていきます。
そう考えると、少女とのエピソードは妄想?それとも現実?という疑問が湧いていきます。段々と剥がれていくカヤの思いが痛々しかったです。
それからの最後のライブシーンは、潤いが心に入っていくようで、ちょっとした感動がありました。
結局、少女とのエピソードは本当なのか?読者としては様々な解釈があるのではと思いました。
カヤの内なる叫びや誰かのために奔走する真っ直ぐな心など色んな心理描写を楽しめる作品でした。
この本の先行限定版では、付属としてTHE BACK HORNの楽曲CDが入ってます。
聴いてみるとロック調の曲で、カヤの叫びたい思いと相まっていました。
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住野先生ならではの細かい人物描写で、
登場人物の表情が伝わってきました。
二人が触れそうになるシーンはドキドキしました。
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タイトルの通り、どんな強烈な気持ちでもいつかは思い出になってしまうというのがメインテーマ。出来事は記憶しているし、その時に自分がどういう思いを抱いたかも覚えているけれど、それはあくまで過去形であって、思いの熱量をずっと保つことはできない。ということを肯定しようとしてくれているのかな。
よる先生の作品は名前に仕掛けがあることが多い。主人公もだいぶクセがある。
いまいち必要性がよく分からない設定があったのは、自分の消化不良のためか、はてさて。
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前半で読むのをやめようかと思った。
読み終わっても最後まで読み切ってよかったとは思わなかった。
主人公が大人になっても中二病のような感じで全く好きにはなれない。高校生でこれならまだと思っていたが、そのまま大人になった。こじらせ主人公。
内容的に特に異世界の人間を絡める必要はなかったのではないかと思う。そうしたいなら最後までSFを貫いてほしい。
見つからないようにという台詞は結局なんなのか分からなかった。
住野よるさんは個人的に当たり外れが激しい。
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退屈な毎日を生きている少年が異世界の少女と出会う話。最後まで読んで思ったことはタイトルそのままで、どんな大切なことも気持ちも当時のまま保存なんてできなくて忘れてしまうんだろうなぁってこと。
しかし、主人公にあまりに共感できないことと、いつの間に恋愛感情出てたの?って感じになって、個人的に置いてけぼりにされた感じがした。うーん、君の膵臓をたべたいは好きだったのにそれ以外は個人的に面白いのないなぁ…。
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住野よるさんの作品はタイトルですべてを物語ってる。
退屈な日常を送る主人公カヤの前に目と爪しか見えない異世界の女性“チカ“が現れる。
これは恋愛小説か? 不思議な世界観だった。
どんなに大切な自分の気持ちや思い出も忘れてしまうのかな?
少し悲しいけど、現実かも。。
ずっと過去や思い出の中では生きられないし、時には過去に浸りながらも今を生きるしかないと思った。
最後に自分の考え方とか内面に深く目を向けている住野よるさんらしい、チカとカヤの会話はとても印象的でした。
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ベタっぽい恋愛ファンタジーと思わせ、後半で一転「喪失、それから」を描き切る。ライト文芸の異端のような構成。
埋めることのできない空白を抱えながら、更新され続ける現実と向かい合わなければならない残酷さ。前半の青臭さと多幸感、後半の盛大な痛々しさ......過去作のエッセンスが詰めこまれつつ、大人の世界にも踏みこんだ、著者の新境地では。おなじみのミスリードにもやられましたが、最大の引っかけはいかにも中高生向けな装丁?
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人によって感想や解釈が分かれる作品だと思うけれど、私はすごく心が揺さぶられた感じがしました。
今まで、恋愛小説というものが好きじゃなくて、だけど住野よるさんの作品はどれも大好きだから読んでみたのですが、一筋縄ではいかないというか、ファンタジーのような設定もあるのに妙に現実味を帯びた恋愛の痛さや辛さも含まれていて悲しいもあり共感できる所もあり、とてもよかったです。
第1部と第2部に分かれていて、どんどん繋がっていく感じと大人になった主人公らの変わりようも印象深かったです。
そしてやはり、題名が全てを物語っていて、なんとも言えない気持ちになりました。
時間が経ってまた読み返してもきっと違うふうに受け取れる作品だと感じます。