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紙の本
中国の歴史 4 三国志の世界 (講談社学術文庫)
著者 金 文京 (著),礪波 護 (編集委員),尾形 勇 (編集委員),鶴間 和幸 (編集委員),上田 信 (編集委員)
日本における中国研究の蓄積と成果を結集した通史。4は、「三国志演義」を手掛かりに、東アジアの戦乱と外交、華麗なる乱世の実像に迫る。主要人物略伝、歴史キーワード解説なども掲...
中国の歴史 4 三国志の世界 (講談社学術文庫)
中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代
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商品説明
日本における中国研究の蓄積と成果を結集した通史。4は、「三国志演義」を手掛かりに、東アジアの戦乱と外交、華麗なる乱世の実像に迫る。主要人物略伝、歴史キーワード解説なども掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版。第2回配本、第3巻と同時発売の第4巻は、後漢末期から魏・呉・蜀の三国時代に焦点を当てる。
日本人にもっとも長く、広く親しまれてきた外国文学、『三国志』に語られる歴史は、どれほど史実を伝えているのだろうか。中国文学の研究者である著者が、小説『三国志演義』を手掛かりに、大抗争時代の戦乱と外交、文化と社会を解き明かす。
著者によれば、この時代は、現代にいたる中国の歴史を知るうえで、見逃せない重要性を持っているという。たとえば、小説では悪役の魏の曹操は、卓越した改革者であり、その子の曹丕、曹植は優れた詩人だった。曹操父子を中心とする文学運動が、後の唐詩の原点となったのである。また、広大な中国に、統一帝国を強く指向する理念が確立したのは、この時代だった。さらに、中国思想の骨格を成す儒教・仏教・道教が定着し、三教の間で論争と交流が行われるようになったのも、後漢末から三国時代のことだった。
また、陳寿の正史『三国志』や羅貫中の『三国志演義』では脇役だった呉こそが、実はこの時代を演出した影の主役だという。邪馬台国と朝鮮半島を含む東アジアの動乱は、現代に何をもたらしたか。文学から歴史を読む、中国通史シリーズとしては異色の一巻。〔原本:2005年、講談社刊〕
【商品解説】
目次
- 序章 華麗なる乱世
- 第一章 斜陽の漢帝国
- 第二章 群雄割拠
- 第三章 三分天下
- 第四章 三帝鼎立
- 第五章 三国の外交と情報戦略
- 第六章 かげりゆく三帝国
- 第七章 三教鼎立の時代
- 第八章 文学自覚の時代
- 第九章 邪馬台国をめぐる国際関係
著者紹介
金 文京
- 略歴
- 1952年東京都生まれ。慶應大学文学部卒業。京都大学大学院中国語学文学専攻博士課程修了。慶應義塾大学助教授,京都大学人文科学研究所教授などを経て,現在,京都大学名誉教授。主な著書に『三国志演義の世界』(東方書店)、『教養のための中国語』(大修館書店)、『漢文と東アジア――訓読の文化圏』『李白――漂泊の詩人 その夢と現実』(岩波書店)、『水戸黄門「漫遊」考』(講談社学術文庫)など。
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三国志
2021/10/27 16:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
三国志の外交で活躍した人たちの弁舌で相手をやり込める様が面白かった。呉が海上交通に注目して遼東と繋がろうとした(失敗したが)のが興味深い。卑弥呼関連では日本学会では公孫氏が滅んだ景初3年に派遣したとして魏志の記述を間違いと言われるが景初2年でも派遣は可能だったこと、貧相な献上品に比べて厚遇されているのは景初2年の派遣と考えた方がよいことなどが述べられている。
紙の本
全7巻シリーズの「中国の歴史」の中でも、最も日本人に親しまれている『三国志演義』から解き明かした大抗争の時代について解説された傑作です!
2021/02/06 14:25
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、講談社から全12巻で刊行された読者から根強い人気を誇る「中国の歴史」の学術文庫版です。文庫版では2021年2月現在、8巻シリーズで刊行されており、同書はそのうちの第4巻目です。同書では、漢王朝滅亡(紀元220年)の衝撃は、この国に大きな岐路をもたらしたという史実から始まります。流浪の英雄、蜀の劉備、一流の詩人でもあった魏の曹操、老獪な現実主義者、呉の孫権などの人物が登場し、また朝鮮半島と邪馬台国をめぐる国際関係についても述べられています。そして100年の混乱を経て、中国に統一帝国を志向する理念が確立していきます。日本人に最も親しまれてきた外国文学『三国志演義』から解き明かした大抗争の時代の歴史です!