- カテゴリ:一般
- 発売日:2020/11/26
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/341p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-781695-2
紙の本
デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
著者 河野 啓 (著)
2020年 第18回 開高健ノンフィクション賞受賞作。2021年 Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞、ノミネート。両手の指9本を失いながら“七大陸最高...
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商品説明
2020年 第18回 開高健ノンフィクション賞受賞作。
2021年 Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞、ノミネート。
両手の指9本を失いながら“七大陸最高峰単独無酸素”登頂を目指した登山家・栗城史多(くりき のぶかず)氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ、SNS時代の寵児と称賛を受けた。しかし、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。
彼はなぜ凍傷で指を失ったあともエベレストに挑み続けたのか?
最後の挑戦に、登れるはずのない最難関のルートを選んだ理由は何だったのか?
滑落死は本当に事故だったのか? そして、彼は何者だったのか。
謎多き人気クライマーの心の内を、綿密な取材で解き明かす。
≪選考委員、大絶賛≫
私たちの社会が抱える深い闇に迫ろうとする著者の試みは、高く評価されるべきだ。
――姜尚中氏(政治学者)
栗城氏の姿は、社会的承認によってしか生を実感できない現代社会の人間の象徴に見える。
――田中優子氏(法政大学総長)
人一人の抱える心の闇や孤独。ノンフィクションであるとともに、文学でもある。
――藤沢 周氏(作家)
「デス・ゾーン」の所在を探り当てた著者。その仄暗い場所への旅は、読者をぐいぐいと引きつける。
――茂木健一郎氏(脳科学者)
ならば、栗城をトリックスターとして造形した主犯は誰か。河野自身だ。
――森 達也氏(映画監督・作家)
(選評より・五十音順)
著者紹介
河野 啓
- 略歴
- 河野 啓(こうの さとし)
1963年愛媛県生まれ。北海道大学法学部卒業。1987年北海道放送入社。ディレクターとして、ドキュメンタリー、ドラマ、情報番組などを制作。高校中退者や不登校の生徒を受け入れる北星学園余市高校を取材したシリーズ番組(『学校とは何か?』〈放送文化基金賞本賞〉、『ツッパリ教師の卒業式』〈日本民間放送連盟賞〉など)を担当。著書に『よみがえる高校』(集英社)、『北緯43度の雪 もうひとつの中国とオリンピック』(小学館。第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞優秀賞)。
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電子書籍
購入するか逡巡したが、読むべき本だと今は言える
2021/04/17 15:43
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lys - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分では山登りはしないのに、登山家の話が好きで本を読んだり番組を見たりしている。
栗城氏は、初めて知ったときと後のイメージの乖離について行けずに情報の収集をやめた、自分の中では唯一の登山家だ。
滑落死した速報を知ったときは驚かなかった。
あれほど酷い凍傷になった後にテレビで流されたあまりにも前向きな言葉が、目つきが、足が地から離れてしまっているように感じられていたから。
なのに、「どうして」という疑問だけは、いつまでも付き纏っていた。
そういう人は少なくないのではないだろうか。
彼を、一度でも、魅力ある登山家、新しい登山家像、として受け止めたことがあるならば。
答えはない。
けれど、この本を読んだことで、大きな手応えを彼に対して初めて感じた。どこか上滑りしてばかりだった栗城氏のイメージが初めて実像になったような。
彼は生きていた。
自分の人生を掴もうと必死だった。
平和に標準値で生きていくことが当たり前にできると思われがちな現代社会が、実はそうでないことを、体で知って、もがき続けた一人だった。そう感じた。
それで、十分な気がしている。
この本を上梓してくださった著者に、心から感謝する。
紙の本
栗城史多とは、何者だったのか
2021/01/31 08:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
栗城史多とは何者だったのかを知りたくて読んだ。
著者が終始「栗城さん」と呼び、自分と栗城氏との間に一本線を引きながら描いていることにまず好感を覚えた。それでいながら、栗城さんの死は自分に責任があるのでは、と自問したりする場面も。
栗城氏が、夢枕獏『神々の山嶺』を見ていたことはしらなかった。
電子書籍
亡くなるまで存じ上げませんでしたが
2021/08/21 17:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はらみ79 - この投稿者のレビュー一覧を見る
亡くなってからも誹謗中傷が続いているので、どういう人だったのか気になりすぎて購入しました。
栗城さんだけではなく、周りの人々の描写も丁寧で興味深かったです。
紙の本
なんともいえない複雑な感情で
2021/02/28 18:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
漠然と入ってくる情報から、「この人、このままならいつか死ぬな」とは感じていた。で、実際、その通りになった。
だからずっと後味が悪いような気持ちを抱いていたので、読んでみた。
コンテンツを消費する側の人間として、触れるジャンルには愛情がないといけない、責任の取れない言動はいかん、と身を引き締めます。
太宰治の『人間失格』の連載を読んでいた人は玉川入水を知ってこういう気持ちになったのかな・・・と感じると、そこには「文学」がある気がする。
電子書籍
興味があるなら一読の価値はある。
2022/07/07 19:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:s - この投稿者のレビュー一覧を見る
栗城氏については、NHKで取り上げられていた、未だ若い頃に多少知っていた程度で、それからは興味がないこともあり、氏の動向は知らなかったが最近、氏の生涯について、たまたま知る機会があり、読んでみた。
読みやすい文体で、かつ主人公を非難するでも擁護するでもなく、なるべく事実に沿って記述しようとしている著者の姿勢は感じられ、その点は好感が持てる。
他方、氏が既に故人であり、かつ氏を世に出すいわば片棒を担いだテレビ業界人の著者に対する批判的意見も散見されるところであるが、それは、栗城氏に対するイメージや考えが、氏の強い個性により極めて主観的になりやすく、本書も事実経過はともかく、最後の部分は、著者が主観的に抱く栗城氏の人生に対する意味づけであり、それをもって結論づけるかのようなの書きぶりは、少々鼻につく。
しかし、その鼻につく違和感こそが、栗城氏自身が望んだ「共有」=メディアが1人の人間を担ぎ上げて、その死すらも「ネタ」にする過程を、氏の事を語るにはあまり相応しくない、自称脳科学者のインタビューという不快感を拭えない手口を介して見せつけられる、「テレビ≒マスメディアによる偶像化」の過程そのものである事にあるからなのかと、読後考えさせられた。
栗城氏の生涯について、興味があるなら、一読をお勧めする。
紙の本
極地登山
2021/10/07 03:57
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションとはいえ、亡くなられた方のことをこういう風に取り上げるのはどうかなあと思う部分も……でも、読んで損はない内容ですよ。